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今は、冬だ。寒い風が通ってゆく。近くには、高いビルばっかりで景色がつまらない…という訳でもなく、人々が横断歩道を渡り、楽しそうに話す。上から見下ろすのもたまには、いいものだ。色々なものがいつもと違って見えてくる。ここは、4階立てのビルの最上階に居る。階段のてすりが汚くないか確認する。指が汚くならないので、そこに顔を置いて、ただただ時間が過ぎるのを待つ。俺が今ここでタヒんだとして、彼らは……学校の人達は、どう思うのだろうか?やっとタヒんでくれた…?俺がタヒんだのならあの人達は、もしかしたら心配してくれるんじゃないか。って…でも絶対違う。と頭が否定する。……………………………。この階段吹き抜けだから、上手く…上手くタヒねるかも…。手が震えている。何故だろう?あぁ…俺は、タヒぬのが怖いのだ。どうしようもなく、タヒぬというのは、はじめての経験で最初で最後の経験なのだ。心を決めててすりに手をかけてゆっくり登る、さっきより遥かに目線が高くなった。当たり前のことだ。てすりのあった所に登っているのだから。てすりをぎゅっと握りしめながらぶら下がる…足がぶらぶらする。手が痛い。耐える…。耐える必要がないのに。今俺が耐える理由は、生きたいから。そのことに尽きてる気がした。ぶら下がりはじめてもう5分は、経ったと思う。手がすり抜ける感覚がする。下へ…下へと落ちてゆく。俺は、目を瞑りながら、今まで俺が見てきた景色を見返しながら深い、一生の眠りについた。









「あにき……タヒぬなんて聞いてないよ。」

「あにきぃ……また会いたいよ」

「悠くん一緒に卒業するんやなかったん?」

「あにきが居ない人生なんてつまらないよ…。」

「あにきが居ない人生なんて生きてる価値ないやん…!あにっ…き!まろを置いて行かんでや。」














あにきこと悠佑の墓に彼ら5人が添えた花は、「月下美人」と言う花だった。

















月下美人の花言葉「ただ一度会いたくて」「儚い美」「儚い恋」「強い意志」があります。彼ら5人が墓に月下美人を添えた理由は、もう一度だけで会いたかった。と言う意味と、天国では、幸せに生きて欲しいと言う5人の悠くんへの強い意志の現れです。

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