コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
普段は愛情表現をするのが苦手だけど、あの仄暗い瞳はそんな羞恥心を簡単に解かしてくる
俺の口からもつい素直な気持ちが漏れ出る
それを聞くと触れてくる熱の中にほんの少し歓びが混じるのを感じる
俺がそういうのが苦手ってわかってるから、あべちゃんはそれについて文句言ったりはしないし、俺から愛情表現を返すことを求めてきたりはしない
だけど、やっぱり欲しいのかなって思って、ちょっとだけ頑張ってハグとか増やしてみたら、ダークあべちゃんからの愛の重苦しさが減った
それがわかってからはちゃんと、恥ずかしさと闘いながら、なるべく頑張ってる
俺なりにだから、言葉にするのは全然ダメで、スキンシップだってほんのちょっぴりだけ。
だから、たぶん足りてはないんだろうけど。
「しょうた、だいすき」
あべちゃんの手つきや、声色や、キスが、
ちょっとずつ優しくなってきた。
「ん、おれも、すき」
そう返したところで、あべちゃんが唇を離す
もういつものあべちゃんに戻っていて、優しい瞳でおれを見てる
思わずあべちゃんの首に両手をまわして抱きついた
「翔太?…ごめん、怖かった?」
「んーん、そうじゃないよ」
「…?そっか」
さっきまでとは違って、羽を撫でるような手つきで背中をさすられた
「あべちゃんの手は、あったかいな」
「ふふ、翔太の方があったかいよ」
俺がしているのは体温の話じゃなくって、それがあべちゃんに、伝わってるのか伝わってないのかは、分からないけど、ぎゅーっと腕に力を入れて込めた
ちょっと暗いあべちゃんも嫌いではないけど、
なんだかんだでやっぱり、優しくてあったかくて穏やかなあべちゃんが、いちばんすきだ。
胸の奥からじわじわと広がってくる多幸感に、俺はしばらく浸っていた