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side 阿部
翔太はキレイだ
見た目は言わずもがなだが、内側がとても清らかなのだ
翔太と話して、翔太に触れて、そして翔太に愛を返してもらうと、自分の中に鬱々と溜まったものが溶けてなくなる
ぎゅーっと俺に抱きついている時なんかは、全身で、俺が大好きですって言っているかのように、幸せに浸ってるのをありありと感じる
翔太がそうやっている間に、俺は心が洗われるような心地になっていることにへ気づいていないだろう
昔からそうだった
ただ純粋に相手が好きで大切にしたいと思うのに、時折、衝動的に愛をぶつけてしまいたくなるのだ
傷つけたいわけではないから、痛めつけたりする行為に走ることはないけど、優しさを盾に愛を押し付けるような、その重さには自分でも辟易とする
初めて翔太にそのエゴをぶつけてしまった時、翔太もまた過去の恋人たちのように離れていくんだろうと思っていた
特に翔太は俺の穏やかな雰囲気が好きだ
威圧的で自分勝手な俺なんて到底受け入れられないだろう
なのに、
全てを吐き出して落ち着いた俺を見て
翔太は、それはとてもキレイに笑った
心底安心したような顔をして、穏やかに微笑み、無理をするなと頭を撫でられた
2回目の暴走の時もそうだ
体が全く動かない、無理をさせるなと、
散々怒られこそしたが、そこに俺に対する怯えや恐れはなかった
いつもの俺に対する態度と何ら変わりない
超高性能な浄化フィルターでも付いているのかと思うほどに、俺の暗く醜い愛も透過して、愛おしいという感情だけを素直に受け取っている
愛をぶつけられている最中に、苦しそうにすることはあるけど、傷ついたりはしない
ただ純粋に俺への心配の気持ちだけが伝わってくる
そうして、元に戻った俺を見て安心した後は、嬉しそうにハグをして穏やかな俺を堪能している
そんな翔太を見るたびに、この優しい人に一生、愛を返していきたいと願うのだ
終