コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
酷く暑い夏の日だった。
暑い日だったから、すごく喉が渇いていたんだ。
「あーづーいーっっ」
だらしなくシャツをまくり上げて下敷きでスカートの中に風を送り続けている友達。
いくら女子校だといっても…。とおもっても周りもみんな似たり寄ったりだ。
友達の名前はマキ。水泳部で日焼けを気にしてて髪の毛は色素が抜けて茶色くなっている。そして本人曰くくせ毛。
フワフワの髪の毛はいまはアップにされて緩く結わえてある。
「カナ、暑くないの?」
佳奈は私の名前だ。
マキは机に突っ伏したままきいてくる。
「ううん。暑いよ。」
「うそだー!じゃあなんでそんな涼しい顔してんの!!」
「我慢してんの。マキだらしないよ」
そういってハンディファンをマキの机に立てかけてあげる。
「わー!カナ女神じゃん!あとでチューしてあげる」
その言葉にドキッとする。
マキはブラウスの胸元をガバッと開けてハンディファンで風を送っている。
(マキ…今日下着ピンクだ。かわいい)
ちらりと見えたマキのブラ紐にまたドキドキする。
友達、だけど。こんな気持ち、しったら気持ち悪がるかな?
「マキ、今日部活?」
気持ちを切り替えたくてきいてみる。
「そーだよぉ。大会近いから追い込みかけないとー。」
「そっかぁ。大変だね運動部。」
「カナだってあるでしょ。吹奏楽ー。」
そう。私はマキと違って文化部。もともと運動できるほど体が強くないのもあるし母が音楽関係の仕事のためなんとなく始めたものだが今はたのしんでやれている。
じゃあそろそろいきますかーっとマキがいって大きく伸びをした。
制服越しでもわかるほどしなやか。
ピシッと伸びた背筋、陽に焼けた肌。伸びた時に脇腹がちらりとみえた。
思わず見とれてるとマキと目が合った。
「そんなにみて、えっちだね」
そういってマキは笑う。
私の内心なんて知らないで。
そしてマキはまた明日ねといって部活に行ってしまう。
私もいささかの寂しさを引きずりながら部活に向かう。
パート練習が思ったよりスムーズにいって私の部活は少し早めに終わった。
水泳部はまだやってるかなー?なんて思って購買でアイスを買ってプールを見に行く。
話し声がしなくてやっぱもう終わって帰っちゃったのかなぁとおもうと1人だけ泳いでる。
…マキじゃん。
マキがプールサイドに上がってきたところで私に気づいて手を振ってくる。
私も手を振り返すとマキがこっちにおいでよ!と手招きをした。
脱衣室をとおってプールサイドにむかうとマキがプールサイドに腰かけていた。
「…もう練習おわってるとおもったけど」
「そ。私のこれは自主練!あー!カナいいの持ってる。」
私の手にあるアイスのことみたいだ。
「たべる?」
「ほんと!?」
「ひと口ね!」
アイスをあけて差し出そうとするとマキは口を開けて待っている。
口の中に入れてあげるとマキは冷たいって顔をして美味しそうに舐めている。
暑さに少しずつ溶けだしたアイスがマキの口元が汚している。
「おいしっ」
マキは嬉しそうに笑う。
さっきまで泳いでたマキの髪の毛は濡れていて、汗なのかプールの水なのかわからないけど濡れたマキの体はなぜだかとてもいやらしく感じた。
「カナも食べないと解けちゃうよ」
促されるようにアイスを口に頬張ったが思ったより解けてて手で垂れるのを抑えながら食べるしか無かった。
「あーもう手べたべた。洗ってこなきゃ」
なにか拭くものと探そうとする私の手をマキにつかまれてアイスのついた手をぺろっと舐められた。
「カナの手甘いね」
ニッとわらうマキに呆然としてしまう。
心臓の鼓動がうるさい。
「なにしてんの。うける」
取り繕って何とか言葉を捻り出した。
「でもカナ、私の事好きじゃん!」
足だけプールにつけたままのマキがケロッとそんなことが言うから。
何も言えなくて。喉だけが酷くかわいていた。
「…きらいなの?」
私が黙っているからマキがきいてきた。
これはだって友達としてのことで、私の好きとは違うやつ。
「嫌いじゃないよ。私もマキすき。」
何とか答えるとマキが立ち上がって私の目の前にきて顔を近づけてちゅっと音がした
「私はチューしたい方の好きだよ。カナは?」
まさかのこんな不意打ちされるなんて。
「…っ、き…」
汗ばんでくる。化粧くずれてないかな?変な匂いしないかな?
マキの髪からぽたりぽたりと雫が落ちてきらきらと光を反射してる。
吸い寄せられるようにマキの唇に触れた。
「これは、拭くものがないからだから!アイスついてた!」
ぷいっと顔を背けるとマキが笑った。
一緒に帰ろ!といってマキが私の手を取って歩き出す。
ドキドキして酷く喉が渇くのは夏の暑さのせい。