荘厳な舞台装置の中、カットインのスポットライトを浴びながら、 上手より、大森元貴が煌びやかな正装をして、ゆっくりと中央へ歩いて行く。
中央にはスタンドマイク。
その前に立ち、観客、そして円卓を囲む出演者達に向けて、一礼する。
大森元貴「えー、…初めまして。初めましてじゃないよ、って方もいらっしゃるかも知れませんが、実は、私とは皆様、初めましてなんです。私はまだ、どの作品にも出演していない、『まだ誰のものでもない』大森元貴、なんです。」
大森、全体を見渡す。
大森元貴「さて、本日、開催します『PAROMONY』は、過去作品を讃え合う、それだけのものです。どの作品の人気が一番か、どのキャラクターが一番か、そんなことは、致しません。100話目投稿を記念して、やってみたかった、ただの悪ふざけです。」
一同、笑う。
大森元貴「それでは皆様、 第一回『PAROMONY』、開幕です。」
スポットライトカットアウトから、舞台上フル照明フェードイン。
一同、拍手。
大森、下手側の司会者席に移動する。
大森元貴「それでは、記念すべき第一作目。作者がこの界隈に迷い込み、数々の神作品を拝読したのち、もりょきに目覚め、自ら筆を執った処女作、特になんの特徴もないのが特徴の、『2人の部屋』です。」
一同、拍手。
作品紹介の動画が流れる。
大森「読者様からの、ありがたいお言葉です。」
初めて読んだときから本当にこんなやり取りがあったんじゃないかなと思うほど口調や行動の表現力が素晴らしくて感動したのを覚えてます。元貴くんと涼ちゃんが悩みながら成長していく様子がよかったです!後日談のデートも可愛かったです♡
(かの さん)
大森「かのさん、ありがとうございます。それでは、登場していただきましょう。『2人の部屋』の、三人衆です。」
堂々と上手から登場する、大森元貴。ヘラヘラと笑う若井滉斗。ぺこぺこと頭を下げる藤澤涼架。
三人とも、暗い色の、なんの特徴もないスーツを着ている。
元貴「えー、みなさん、僕が、作品の中でもリアル系もりょきの、原点にして頂点、だと自負しております。誰がなんの特徴もないとか言ってんの? って話。…てかこれ、ずっとこの感じでいくの? 堅苦しくない?」
若井「もういいんじゃない? フツーにしゃべろ。どーせ見てる奴らも俺らなんだし。」
涼ちゃん「そうだね、僕もそう思う。」
大森「あ、藤澤さん、『僕』なんですね。作品群の中では、唯一の『俺』キャラですよね、確か。」
涼ちゃん「いや、普段は『俺』ですけど、一応皆さんの前でお話しさせていただく時は、『僕』ですよ。」
大森「なるほど、作者が一人称に迷走してたわけじゃないんですね。」
元貴「いや? 迷走だよ? 『砕けた時に俺って言ってる涼ちゃんが好きなんだよなぁ、素っぽくて。』とか言ってたもん。」
若井「でも、結局三人とも『俺』だと差別化しにくくて、俺らの後からは全部『僕』になってるよね、涼ちゃん。」
涼ちゃん「しっかり迷走してるね。」
大森「…はい。えー、では皆さん。読者様からの質問に、お答えください。質疑応答のコーナーです。」
大森、質問の紙を読み上げる。
Q.元貴くんへの質問です。今作ではセンシティブ展開がないのはどう思う?
(かの さん)
大森「あれ? またかのさん? さっきの賛辞も…あ、そこはツッコまない方が、いい? あ、はい。では、元貴さん、元貴さん? 大森さん、でいっか。大森さん、どうですか?」
元貴「…まあ、他の作品見てたら、あれセンシティブ多くね? って思うけど、俺らはまあまだ生まれたてだったし、別に、ねえ。わざわざ人に見せなくてもって感じ。だってフツーにあの夜ディズニーの後ヤってるs」
涼ちゃん「おおーーい!!(慌てた様子で、手で元貴の口を塞ぐ)」
若井「友達のそこは、正直聞きたくねーぞ。…てか何、二人でディズニー行ったの?! 何それ俺それ聞いてない!!」
大森「…はい、ありがとうございます。では、次の質問です。」
Q.涼ちゃんへの質問です。初めて元貴くんが俺のこと好きかもって思ったエピソードは?
(かの さん)
大森「またかのさんやん!! 何者なのこの人?! (紙を読み上げて)他作者Kei様マネージャー兼編集者、ボツダメ委員会会長、センシティブ管理総責任者…? 肩書き長ぁ…。…すみません、ついツッコんでしまいました。敏腕編集者さんということで、今回こちらに質問記者としての責務を全うしに出張で来られた、との事です。全作品への質問、本当にありがとうございます。えー、はい、次は藤澤さんへの質問ですね、コレどうですか?」
涼ちゃん「えーと…。」
元貴「俺も聞きたいなぁ。」
若井「ニヤニヤすんなよ。」
涼ちゃん「…やっぱり、一番最初に、元貴の部屋で抱きしめられて、『WaLL FloWeRは涼ちゃんの曲だ』って言ってもらった時、かなぁ。すごくドキドキして、元貴も俺のこと好きなのかなぁ、そうならいいのになぁって思ったのを、覚えてます。」
元貴「涼ちゃん…。」
若井「4話のね。まさに『WaLL FloWeR』のね。」
元貴「4話って言うな。」
大森「えーこちらの情報によりますと、この話で勝手に『WaLL FloWeR=元貴から涼架へのロックな愛』と妄想を抱いたところに、FJORDでWaLL FloWeRを演られた際、作者は気絶するかと思った、だそうです。」
元貴「なんだその情報。」
大森「…えー、ここで速報です。敏腕記者かのさんより、若井さんへの追加の質問を頂きました。こちらです。」
Q.若井さんへ質問です。今作以降、涼ちゃんに惚れている作品が多数ありますがどう思います か?
(かの さん)
大森「…コレまたぶっ込んできましたね、かのさん。」
大森、手元の紙を見て、ニヤリと笑う。
若井「えー? 俺が涼ちゃんに? 惚れる??」
若井、元貴を挟んで向こうにいる涼ちゃんを眺める。
若井「…ホントに? いや、今はなんとも思わないですけど…。」
元貴「当たり前だろ、お前はノーマル若井なんだから。」
若井、舞台下のスタッフから、資料を手渡される。
若井「すいませんね、事前に頭に入ってなくて…。えーと? まず、俺と、リョーカ? 誰? 涼ちゃんじゃないの? えー、そんで? 次が? …え、これガチで涼ちゃんに惚れてんじゃん。彼氏のフリとか、ベタじゃない? そんで…え!! 元貴と別れた後に付き合ってんじゃん!! わ! うわー!! ヤってる! めっちゃヤってる!!」
涼ちゃん「ちょっと若井、声に出すのやめてくんない? ていうか、なんで読んでから来ないの? ふざけてんの?」
元貴「あ、藤澤涼架だ。」
若井「あ、次はファンタジーだ。なにこれ新曲? へえー、カッコいいじゃん。え、涼ちゃん女の子なんじゃん! え! 俺の子ども出来てる!! 写真家で3P、キッチンカーで幼馴染でも3P?! もう訳わかんねぇ!!」
涼ちゃん「若井。」
元貴「若井、もうやめとけ。」
若井「…えーと、なんか、すごい世界もあるんだなぁ…って、思いました…。」
大森「…はい、以上がですね、一応こちらとしましては、用意したものになりますが、その他いかがでしょう。なんか、一言ずつでも喋って帰りましょっか。」
元貴「テキトーだな。まあ一発目だし、よく分かってないんだろ、俺らもまだよく分からんし。」
涼ちゃん「じゃあ、若井からいく?」
若井「はい、えー、僕が、元祖いい奴ポジの、ベーシック若井です。元貴と恋バナしたり、涼ちゃんにBFFぶっ込んだりと、なかなかいい動きしたんじゃないかなって、思ってー…ます! えー、二人には、ずっと仲良しでいて欲しいです! 以上でぇす!」
涼ちゃん「あ、はい。えー、僕は、自分に自信を持てなくて、元貴の気持ちになかなか気付けなかったところは反省するとこかなって思います。でも、元貴からの告白シーンは、あの初々しさは結構珍しい感じで、オススメです。以上です。」
元貴「オススメすんなそんなもん。えー、なんか、全体的に、やっぱ初々しいんじゃないですかね? 処女作だし。探り探りなところも、今となっては味になってると思います。原点に還りたい時に、時々読み返してみてください、僕らはそこで待ってますんで。では。」
三人が深くお辞儀をして、下手へとはけて行く。
大森「『2人の部屋』のみなさん、ありがとうございました。…こんな感じで、大丈夫すかね? まあ正解なんてありません、悪ふざけなんで。では、次回は、二作目にして問題作との呼び声も高い? な作品に登場してもらいます。お楽しみに。 」
コメント
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パロモニー🤣🙌✨💕 見た瞬間、笑っちゃいました❣️笑 最高です🤝💕 七瀬さんのおちゃめなとこ、好き🤭笑 とりあえず、2人の部屋読み返したくなりました〜👀♥️💛
100作目おめでとう👏 実は3日~5日まで夏季休暇だったんだけど七瀬さんの作品をまたまた読み漁ってたのだよ。PAROMONY最高じゃん♬ 面白かったしおふざけなのにしっかり出来てた!2人の部屋は4話のもりょきが大好き。4話って言うなって怒られちゃうw
100作目!おめでとうございます!!!!!2人の部屋、、、まだ見れてないんですよね、、見てからまたまた見に来ます!!見れてないやつ沢山なので見ます!!!