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side向井
前からお願いしてた撮影の日、しょっぴーは昼過ぎに家にやってきた
出かける予定でもないし、着替えることがわかっているからか、いつものジャージにサンダルとラフな格好だ
「服、これでお願いしていい?」
ゆったりめの白Tシャツにアイボリーのカーデガンで、ゆるふわな雰囲気の服装だ
「うわぁMVとかでしか着ない感じだなー」
「今日曇りで光が柔らかいから、それに合わせてん」
「なるほどね」
着替えてきたしょっぴーに早速カメラを向ける
「今日はどんな感じにしてたらいいの?」
「2人で部屋でゆっくり過ごしてる感じで。相手によってちょっと表情変えて欲しいねん」
「オッケー」
「最初は無難に友達にしとこか」
「じゃあ普通に康二と話しながらでいい?」
「おん、そんな感じで」
世間話をしつつも、途中でポーズの指定をしながら、思い切り笑ってる素に近い姿にシャッターを切る
「じゃあ次、彼女と2人」
「雑誌とかみたい」
本人が言ったように、よくオーダーされる内容だからか、魅力的ではあるが、アイドルしょっぴーって感じで物足りなさも感じる
「次さ、彼氏と、とかできる?」
「はぁ?彼氏〜?」
カメラマンとしての興味と、自分個人の願望を混ぜたオーダーにしょっぴーが顔を歪める
「ほら、俺のタイのドラマとか見てくれてたやろ、今時、珍しくないやん」
ちょっと苦しいかもしれないけど、なんとか了承してもらえるように話を持っていく
「いや、まぁ…そうだけど……えぇ…難しいな…、お前のドラマとかの感じを想像すればいいの?」
「そう、さっきとちょっと差をつけたいから、出来たら自分が彼女役の想定」
「うっわ、まじか…んー」
「やっぱ無理?」
「いや、やってみる」
目を瞑って深呼吸をしたかと思えば、スッと瞼が開いた時には表情が変わる
さっきまでと違う、少し誘うようなあざとい甘さが混じる柔和な笑顔にドキッとする
「ええ感じ、流石やな、しょっぴー」
なんとか平静を保ちつつ、見たことのない顔をするしょっぴーをカメラに収める
「しょっぴー、モデルありがとさん。ほい、コーヒー」
「ありがとう。康二のコーヒー美味いんだよね」
「おおきに。あんな、写真早よ確認したいし、現像してきてもええ?1時間くらいかかんねんけど…」
「いいよ、待っとく。適当になんか流してもいい?」
「おん、ええで!好きにしてて!ごめんな!」
「いってらっしゃい」
現像作業を終えて乾燥させるために、ネガフィルムをを釣っていく
今日は少し乾燥には時間がかかりそうだ
「しょっぴーお待たせ」
「写真いい感じ?」
「おん、夜には何枚かなら見せてあげれんで」
「よかった。楽しみ」
「ご飯にはまだ早すぎるし、サウナでも行くか?」
「最高じゃん」