金木犀の匂いがして
夏が終わって秋が来たなって感じて
毎年秋に匂う金木犀の匂いは
忘れられなくて
“金木犀の花言葉って初恋らしいよ”
金木犀の匂いと同じでその言葉と当時の初恋の思いが
いつまでも胸に残っている
渡 ) 、さぶ
流石に秋の夜に半袖は少し寒く鼻が赤くなる
初恋の人と離れてから何回目の秋だろうか
もうすぐ秋も終わって冬が来る
今年の秋も俺の隣にはいない
一言で言うと綺麗な人って感じ
芯があって細くなく守られてるなって思わせてくれる腕が好きで
優しい声で”翔太”って名前を呼んでくれるのが好きだった
なのに急に俺の前から姿を消した
人伝でいなくなったことを聞いてなんで、と思った
いなくなってからの生活はぐだぐだだった
朝起こしてくれないからなかなか起きれない
ご飯を作ってくれないから食べる気になれない
あのご飯が美味しすぎて他の味が喉を通らなかった
夜抱きしめてくれないから寂しくて寝れない
助手席には誰も座ってなくて
“この音楽いいね”なんて他愛もない会話をしながら
ドライブをする相手がいない
生活の一部だった彼は今はいない
ぴこんっ
渡 ) ん、
寝れなくて彼の写真を見返している時急にメールが届いた
“元気?”
送り主の名前は”宮舘涼太”
渡 ) 、は
会えなくなって以来電話番号、連絡先が変えられていて
連絡を取れなかったのに今スマホには涼太からのメールがある
どこで俺の連絡先を手に入れたのか
そんなことはどうでもよくて電話をかけてみる
宮 ) 、もしもし?
久しぶりの声
低くあの頃より少し声変わりがしている安心する声
渡 ) 涼太、?
宮 ) 、うん、久しぶり翔太
“翔太”
また優しい声出そう呼んでくれたのが嬉しくて
泣きそうになる
渡 ) 、っいろいろ聞きたいんだけどとりあえず今どこ、?
宮 ) 、××ってとこ
渡 ) あ、俺の家から近いから迎えにいく
宮 ) いいよ、外暗いし
宮 ) 住所送ってくれればそっちいくから
渡 ) えぁ、わかった
びっくりした
夜遅いからもう今日は会わないって言われるかと思った
きてくれるんだ
渡 ) っあ、部屋片付けなきゃ
だらしない生活を送っていたので服はあちらこちらに散らかっていて
食器も全然洗ってなく洗濯も溜まっている
ぴんぽーん
渡 ) !、はーい、
ドアを開ければ涼太がいる
それに少し緊張する開けるのを躊躇う
でも嬉しさが勝ちドアを勢いよく開ける
渡 ) 、涼太、?
そこに立っていたのは最後にあった時より
遥かに男らしい体で自分より2、3センチほど高そうな身長
顔は大人っぽくなっているものの俺の好きな顔のままだった
渡 ) あ、えっととりあえず中入って
宮 ) ん、っ
そう言い玄関に入れた瞬間ものすごい力で抱きしめられる
渡 ) んわっ、涼太、?!
宮 ) 今までごめんね、翔太、
渡 ) 、、、、っほんと馬鹿、寂しかったんだからな、っ
宮 ) うん、ごめん
とりあえずリビングに招き飲み物を入れようと冷蔵庫を開ける
水とビール数缶ほどしか入ってない
自分のだらしなさに呆れる
コーヒーとか出せたらいいんだけど豆とかないし
宮 ) いいよ、水で笑
渡 ) んわ、っごめん、笑
渡 ) 、えっと、、今までどこで何してたの?
宮 ) 、都内の山の方ですごしてた
宮 ) おれたちだんだんお互いに依存してたでしょ?
宮 ) おれ翔太なしじゃやばいだろうなっていう自覚はあって
宮 ) だから離れてみようって思って、
宮 ) そしたらまあ案の定翔太がいないと生きた心地がなくて、笑
宮 ) もう限界だ~ってなって連絡したの
渡 ) 、うん、おれもやばかったんだよね
渡 ) 朝起きれないし夜寝れないし
渡 ) でも別にいいんじゃない?依存しても
渡 ) 別れなかったらいいじゃん
宮 ) うん、
宮 ) 、っもう一回付き合ってくれる?
渡 ) うん、お願いします、笑
宮 ) 、やべ顔熱い、笑
宮 ) 風あたりたいからベランダ行こ
渡 ) あ、俺も~
宮 ) んわ、涼し
渡 ) 、あ、金木犀の香り
宮 ) ほんとだ、笑もうすっかり秋だね
宮 ) 、、2度目の初恋、?笑
渡 ) それは初恋なの?笑
宮 ) さあ笑
コメント
6件
めためた好みです 笑
なんかもう尊いわー✨️(語彙力皆無)お互いに依存してるって最高すぎる! 続き楽しみにしてます!