テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
約2時間後。
亜里砂さん宅へ来た時と異なり、皆さん、すっかり荷物が重くなってしまった。
昨日縦浜のあちこちを歩いて服を購入したり、僕以外の皆さんが軽登山靴を購入しただけではない。
実はこの店、オフシーズンで年度末も近いということで、在庫一掃セールをやっていた。
それに皆、引っかかってしまったのだ。
正月の後なので、彩香さん以外はお年玉を確保している。
そして昨日までの縦浜周回&秋津学園の先輩達からの情報で、だいたいの相場がわかっている。
そして今回のセール、なかなかに安かったのだ。
ザックも寝袋もマットも、テントまでも。
怪しい激安品に少しプラスすれば購入できるくらいに。
美洋さんと未亜さんは、靴の他にザックを購入。
このザックは有名メーカー品ではないけれど、店員さんによれば問題ないらしい。
美洋さんも未亜さんも、試してみて背負いやすさを感じていた様だったし。
そして二人とも今、そのでっかいザックを背負って、自転車を走らせている。
亜里砂さんは見かけは変わらないけれど、しっかり靴を購入。
彩香さんも靴を購入して、箱を自転車の荷台にくくりつけている。
なお女子の皆さんは、他に購入した服やアクセサリー等も積載。
だから美洋さん未亜さん亜里沙さんの大きいザックは、結構めいっぱい状態。
そしてザックが目一杯の状態なのは、僕もだったりする。
僕はハイカットのそれっぽい靴をを持っていたから、今回は買っていない。
しかし寝袋とマット、更にはテントまで買ってしまった。
おかげで、自転車を素直に漕ぐには、若干背中が重い。
『まさか、悠がテントを買ってしまうとは思わなかったのだ』
自転車を漕ぎながら、声ではない言葉が亜里砂さんから飛んでくる。
『そんなに彩香との愛の巣がほしかったのか?』
おい待て亜里沙さん、そんなんじゃない。
『いや、これを使えば1年5人だけで遊びに行けるだろ』
『どっちのテントをどう使うにしろ、2人と3人に別れるのだ』
『頼むからそういう詮索はよしてくれ』
そんな返答をしながら、自転車を走らせる。
でもこれで僕も、亜里砂さんの次に装備が揃ってしまった。
新しく買った金額だけで言えば、寝袋カバーがない分、美洋さんや未亜さんと同等だけれど。
『あとは、バーナーと鍋とレインコートなのだ』
その通りだ、まったく。
この調子だと、来年には揃えてしまいそうだ。
なお北鎌倉から鎌倉へ入る道は車が多くて狭いので、大船の方を回っている。
こちらは車が少なくて走りやすいけれど、距離はそこそこ長い。
そして全体的に登りが多い。
登りのしか荷物のせいか、はたまた距離のせいか。
若干お尻に違和感を感じ始めた。
そして、まだ鎌倉市内にも入っていない。
つまり、残りは10キロ以上ある。
『人生、楽ありゃ苦もあるのだ』
はいはい。
俺は、重くなったザックを背負ったまま、自転車を漕ぎ続けた。