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「もう一度、初めから」
俺の声でメンバーが定位置につく
曲がかかり、個々の動きを目の前の鏡を通してチェックしていく
「もっと、ここは…身体をこっちに…」
指導と称して、俺はアイツの身体に何度も触れた…
勿論、その時は俺も真剣に教えていたし
アイツも真面目に聞いてくれた
「一旦休憩!」
そう告げると、各々水分補給をしたり汗を拭いたり…
「………」
掌に残る、アイツの温もり…
俺は、手をジッと見つめて立ち尽くしていた…
自分より、細い身体に小さい背丈…
『自分は標準で、お前等がデカいんだ!』
不満そうに言っていた彼は
俺が今こんな事思っていると知ったら、きっと同じ様に返して来たに違いない
それでも…
俺が抱き締めたら、きっとスッポリと収まってしまうであろう
「………」
想像するだけで、体温が上がった気がする…
休憩中なのに鼓動が熱く早くなる…
俺は、アイツにもっと触れたいと思った…
◇◆◇◆
自分達がメインのバラエティ番組でも
メンバー同士だという事を利用して…頭を撫ぜたり、肩を抱いたり…
悟られない様に、避けられない様に、逃げられない様に…
細心の注意を払って
邪な想いを隠して、隣で笑う…