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羅夢音(らむね)@投稿サボり魔
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いゆ
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#れいまり
miけぴン
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朝だけは静かな博麗神社。
皆勤賞で遊びにくる魔法使いがいないうちだけは。
冷たい空気がつん、と鼻をさす。
湯呑を2つ縁側に置いて、冬の朝らしく静寂がしみる曇り空を見上げる。
視線をややおろすと、見覚えのある金髪がこちらに向かって飛んでいるのが見えた。
「…来たわね」
もう少し静かに降りられないの、とツッコみたくなる賑やかな着地。
「よっ。今日も冷えるな」
指先がほのかに赤くなった手をひらひらと振る。
当然のように霊夢の隣に腰を下ろす魔理沙。
湯呑を覗きみて、
「んだよ、お茶入ってないじゃん」
と笑う。
「こんなとこに置いといたら冷めるでしょ」
「へぇ。私が来るタイミングなんていくらでもわかるくせに?」
「…うるさいわね。私の分の話よ」
霊夢はわかりやすくツンデレを発動する。
その否定が、肯定よりも分かりやすいことに本人だけが気づいていなかった。
「じゃあ今日は私が入れてくる」
「間違って神社燃やすんじゃないわよ」
「私を何だと思ってんの?」
靴を縁側の下に残し、魔理沙が部屋の奥に消える。
すぐに勢いよくお湯が沸騰する音が聞こえた。
キッチンからガサツな声が飛んでくる。
「霊夢ー。茶菓子は切らしてんのかー?」
「ないわよー?どっかの誰かさんが毎日遊びにくるせいでねー」
「嘘つけー」
「何が嘘よー」
「…んだ、ほんとにあるじゃねぇか」
「バレた?」
熱々のお茶とせんべいを持って奥から出てきた魔理沙にちらりと視線をよこす。
「あんた、また水をミニ八卦炉で沸騰させたでしょ。前にそれでキッチン吹き飛ばしたの覚えてないの?」
「覚えてないな」
「脳みそが頭に詰まってないのか?」
「ひどいなーどこの馬鹿座だよ」
「猗窩座は一人でしょ」
相変わらずの辛口を魔理沙が軽く受け流す。
「なぁ霊夢」
「何よ」
「今度、魔法の威力を底上げする魔法でも作ろうかなと思ってるんだが」
魔理沙は不敵に笑う。
対して霊夢はさして興味もないというふうに頬杖をついて軽く目を閉じた。
「へぇ、いいんじゃない?うちの神社で実験したら消すけど」
「こわー」
「この間失敗して神社の裏山撃ち抜いたのあんたでしょ。後始末が大変なのよ馬鹿。精霊達にまで根回ししないといけないんだから」
「…覚えてないってことにしとくか」
「本音漏れてるわよ」
「今回は失敗しないぜ」
「いつもそう言ってるのよね…」
魔理沙はけらけらと笑う。
霊夢は呆れたようにため息をついて、魔理沙の前に置かれた熱い湯呑を少しだけ近づけた。
「冷めるわよ。せっかく淹れたんだから飲みなさい」
えええ!?と、わざとらしく驚く魔理沙。
「霊夢が優しい…だと…!?」
「うるさいわよ、マッドサイエンティスト」
「誰が悪いほうの科学者だ、誰が」
会話に一区切り付き、2人は示し合わせたかのように同じタイミングで縁側から降りた。
「今日は冷えるからねぇ」
霊夢は着ていた半纏を縁側に畳んでおく。
「ちょっと体でも温めるために、な」
魔理沙は肩をぐるぐると回す。
「「弾幕ごっこでもしましょう(しよう)か」」
双方、これまたタイミングを完璧に合わせて空に飛び立つ。
霊夢は懐から霊符を取り出し、空中に円を描くように置いていく。
一方の魔理沙も、慣れた動きで帽子からミニ八卦炉を引っ張り出す。
先に仕掛けたのは霊夢だった。
追尾機能付きの霊符が次々に魔理沙を追う。
向かってくるそれをミニ八卦炉で薙ぎ払い、魔理沙が攻撃に転じた。
「――恋符 マスタースパーク!」
ミニ八卦炉からやや火力高めの一撃が繰り出される。
霊夢はどこかから取り出したお祓い棒でさらりと受け流した。
「なんでそれで受け流せるんだよっ」
「奇遇ね、私もちょうどそう思ってたところ」
淡々としている霊夢に対し、すでに満身創痍の魔理沙。
長丁場は持たないと判断し、一気にギアを入れる。
霊夢には言ってない、”開発途中”のあの魔法。
魔法の威力を底上げする。
全力の一撃を。
全力で勝ちを取りにいってやる!
魔理沙の金色の目が強く燃えた。
「恋符 マスタースパーク!!」
さっきと同じスペルカード。
ましてや、何年も一緒に居た霊夢だからこそ、読み間違えるわけがない。
バックステップで距離をとった霊夢は、ふと顔を上げた。
顔を上げてしまったんだ。
魔理沙の目は、強かった。
全力だった。
必死な光に目を奪われて。
全力でお前を倒す、といわんばかりの表情に惹かれて。
口元が緩んだ。
数秒、その場にとどまってしまった。
次の瞬間。
金色の光が、霊夢を貫いた。
地面に落下した霊夢を、あわてて魔理沙が追いかける。
「…良かったじゃない」
霊夢は一人つぶやく。
暗くなった視界に、泣きそうな顔の魔理沙が映った。
あんたの、勝ちよ。
「何が良かった、だよ、 霊夢…」
うごかなくなった親友のスカートを握る。
「ごめんな……っ。よけると、 思ったんだ」
いつも飄々と躱して。
私がいつも負けてただろ。
全力で当たっても、勝てなかっただろ。
だから、本気でやった。
ごめんな。
こんなので勝っても嬉しくないよ。
確かに霊夢に勝つことが目的だった。
だけど霊夢が、いなくなる、くらいなら。
そんなのどうでもいい。
負けっぱなしでよかった。
勝利なんて、いらなかった。
あたしは、霊夢に、
勝ちたかった。
追いつきたかった。
認められたかった。
隣に、並びたかった。
勝たなきゃ隣に行けない。
今の今まで軽口を叩いていた相手は。
絶対的に強かった相手は。
戦闘以外には不器用なあいつは。
あたしが、殺した。