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イリアがシリルの横腹を肘でつつく。

シリル「いてて」

イリア「もう。真顔で冗談を言うから信じちゃったじゃないの。」

シリル「あははごめんって。」

ジーク「じ、冗談でよかった。」

イリア「本当は、シリルには私の荷物扱いで密航してもらったのよ。まぁ…私も身分はあるとはいえガードが固くて、キツかったけどね…。言いくるめたけど。」

アリィ「…密航かぁ。いざとなったらそれもアリだね…。」

イリア「貴方達の料理も期待しているわ。ジークは食べたら、水浴びしてきなさい。シリル、溺れたらいけないから見張りで。」

シリル「分かった。」

ジーク「…ついでに水の補充しないとだな。」

シリル「オアシスでもいいけど…サボテンから取った方が清潔かもね。」

アリィ「まぁその辺は都度やって行こう。ポルポルもご飯だよ。」

ポルポル「ギー!」

アリィ「はい。多めに買いはしたけど、枯れちゃったら最悪、サボテンを食べてもらうか…。」

シリル「花?」

アリィ「うん。ポルポルは植物ばっか食べるんだ。悪魔は本来ヒトを好んで食べるはずなんだけど…見てくれれば分かると思う。」

ポルポル「ギッギッ」

ポルポルはアリィの手のひらに差し出された花を自身の体で覆うようにして被さる。暫くしてポルポルはアリィの手のひらから離れる。

シリル「花が…」

イリア「枯れてる…」

シリル「これは…」

シリルの言葉を遮って、イリアはポルポルに飛びつく。

イリア「貴方は”テオス”に会ったことがあるのね!?」

ポルポル「ギッ…」

ポルポルはイリアの勢いに驚く。


イニディア村周辺森内

カイオス「…確かに俺は言ったよ。魔力が足りないならここの木で回復してくれって。植物を食う悪魔だと思ったんだ。」

ベツレヘム「…実際は無くなるどころか辺り一面枯れてる…。あの時もそうだった。あえて言わなかったけど…」

???「君達が伝えてきたターゲットがどうかはともかく、テオスが関与していることは間違いないだろうね。」

ベツレヘム「!ケイ先輩!」

ケイと呼ばれた兎の獣人の男性はベツレヘム達に手を振る。

ケイ「久しぶりだね。2人とも。」

ベツレヘムはケイに飛びつく。

ベツレヘム「久しぶりだー!」

ケイ「急に飛びついたら危ないよ。ベツは見てまぁ元気なのは分かるけど、カイオスは?パニック障害は大丈夫?」

カイオス「見ての通り元気だ。最近は障害も落ち着いてる。だがどうしてリーダーじゃなくてケイが…」

ケイ「事前に連絡出来れば良かったんだけど…」

ケイはそう言って赤い羽根を指さす。

ケイ「やっぱりこれが上手くいかなくてね。」

カイオス「今までこいつに頼りきりだった分、ダメージがデカイな…」

ケイ「まぁとにかくリーダーは今ここからは遠いとこにいてね。たまたま近くに居た僕が頼まれたんだ。足も早いからね。」

カイオス「なるほどな。この羽の魔力が尽きてからずっと連絡が思うように取れなくて困るな。」

ベツレヘム「ほんとにねぇ…」

ケイ「じゃ早速、テオスについて聞きたいな。」

カイオス「…確証は無いが」

カイオス達は、ケイにゆっくりと説明し始めた。


イリア「”テオス”に会ったことがある。そうでしょ!?」

ポルポル「ギッギィ…」

ポルポルはまるでなんとかしてくれとでも言うように、イリアとアリィ達を交互に見る。

シリル「イリア。ポルポルちゃん困ってるから離してあげて。」

イリア「あっ…ご、ごめんなさい…怪我とかは…」

ポルポルは避難するようにアリィの方に行く。

アリィ「どこも怪我してない?」

ポルポル「ギー。」

アリィ「してないって。」

イリア「ほんとにごめんなさい…。取り乱してしまって…」

アリィ「大丈夫。少しびっくりしただけみたいだから。”テオス”って何?詳しく教えてくれれば、私でよければ代わりに答えるよ。」

イリア「いえ、これは”テオス”に会った本人にしか聞けないことだから…」

アリィ「そっか。役に立てなくて残念。」

シリル「気にしないで。」

アリィ「ポルポル、”テオス”って知ってる?」

ポルポル「ギー?」

シリル「もし意思疎通が取れるなら僕も聞きたいな。」

ポルポル「ギ…」

ジークを除く3人はポルポルをじっと見つめる。

ジーク「…無駄だ。」

ジークが食事をする手を止め3人を制する。

シリル「無駄?」

ジーク「…そいつには今、喋れるほどの力がない。」

シリルとイリアは顔を見合わせる。

シリル「理由を聞いても?」

ジーク「…ただの推測と勘だ。」

アリィ「もしかしてジーク、ポルポルと喋ったことがあるの!?」

ジーク「ないと言ったら嘘になる。」

アリィ「凄い!いいなぁ!羨ましい!なんて言ってたの?」

ジーク「なんて言ってたかな。忘れた。」

アリィ「えー!?こんなのってない!!」

イリア「2人は本当に仲がいいのね。」

アリィ「うん!」

イリア「私にも同年代の友人が居たらこんな感じだったのかしら。」

シリル「僕じゃダメ?」

イリア「まさか。ダメなんて一言も言ってないわ。」

ジーク「食べ終わったけど…お皿はどうしたら…」

イリア「受け取っておくわ。安心して。清潔な状態にしておくから。」

そう言って、皿を受け取った後イリアは腰に下げていたポーチから何かを取り出そうとする。暫くしてポーチの体積には似合わない大きさのペットボトルに入った水や洗剤、桶が出てくる。

アリィ「大容量圧縮装置付バッグだ。やっぱり商会ライセンスのゴールドはこんな高いのも余裕で買えちゃうの?」

イリア「買い被りすぎよ。これはただ…両親の発明品なの。私はそれで手に入れやすかっただけ。」

そう言ったイリアの顔はどこかバツの悪そうな表情だった。

ポルポルは今日もお腹が空いている

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