私が貴方に出会ったのは、
中学一年の頃だった。
中学に上がった時、すぐに噂が広まった。
それは、貴方のこと。
その時は分からなかった。
貴方の魅力、すべてを。
あの時どうしてすぐ気付かなかったのか。
入学式の時やけに騒がしい団体がいた。
小学校では目にしなかった人ばかり。
私は気にすることなく式を終えた。
だけどほんの一瞬、
貴方と目が合った気がした。
クラス替えで私は4組、
あの人は1組だった。
関わることもないと思っていた。
少し経つと学校中で噂が広まった。
みんな貴方を見ようとしていて。
私はその時初めて貴方を見た。
友達とクラスへと行ったとき、
すぐに貴方だとわかった。
その人は相変わらず人気者で、私たちのことなんて見向きもしないほどだった。
クラスへ帰ろうとした時ふいに視線を感じた。
振り返ると貴方が遠くから見ていて。
私をボーッと見つめて、
私はすぐに目を逸らした。
クラスへ帰ると友達は貴方の事ばかり。
みんな夢中になって一目惚れした子までいた。
私は貴方をどう想っていたのか、
今はもう覚えていない。
私が貴方に初めて触れたのは
1年の中盤あたりだった。
私は卓球部、貴方はサッカー部。
その頃も相変わらずモテていて
女子は彼女が居ないかで騒ぎになっていた程。
ある時集会で表彰が行われた。
私が卓球のシングルで優勝したときだった。
表彰のところに並んでいた。
すると横に座ったのは貴方で。
私と目が合った。
貴方は少し顔が赤いような気がした。
貴方は嬉しそうに賞状を受け取って。
私に”俺の事覚えてるか”って、。
私はその時覚えていたのに、
おぼえていないフリをした。
どうしてかは、おぼえていない。
ただ、私は貴方のそんな顔を見たのは
今日が初めてで、そう言ったのかもしれない。
それは私のなかで気持ちが動いた、
貴方の魅力に気付いたときだったのかも、
なんてそう思っていた。
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