夕暮れの光が部屋を橙色に染める。
窓の外の世界は、まだ動いている。
けれど目黒には、もう遠く、霞んで見えるだけだった。
「……ここにいてほしいんやろ?」
康二の声が静かに響く。
目黒はその声を聞くと、胸が熱くなる。
「うん……離れないで」
康二は立ち上がり、部屋のドアをそっと閉めた。
カチャリという音が、部屋の空気を締める。
外の世界から遮断されたその瞬間、目黒の心はふわりと軽くなる。
——ここには、康二しかいない。
——ここにいれば、もう何も怖くない。
康二は目黒の手を取り、指先でそっと触れながら言う。
「もう、誰にも触れさせへん。お前は俺だけのもんや」
目黒の瞳が、じっと光る。
その光は、恐怖でも不安でもなく、完全な依存を映していた。
夜が深くなる。
外の世界の音はかすかに届くけれど、
目黒はそれを気にしない。
心の奥まで浸透してくる安心感が、全てを覆っていた。
「……康二くんがいれば、もう大丈夫」
その言葉に、康二は小さく笑う。
そして、自分自身もまた、目黒から離れられないことを自覚した。
——二人だけの世界。
——外の誰も届かない、濃く、重く、静かな檻。
その中で、ふたりは絡み合い、
互いを守るという名の支配に包まれていった。
窓の向こうの夕陽が沈む。
外の世界が遠くなるたび、
目黒の呼吸は康二の存在に吸い込まれていく。
——終わらない、二人だけの安心と依存。
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