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王国崩壊から100年が経とうとしている。
今から100年前
ヴィータ王国はエオーネ帝国によって滅ぼされ、アルカンジェロも地下神殿に封印された。
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目を覚ますと窓から綺麗な青空が見えた。
僕はセレーノ15歳。父ジェンテーレはヴィータ王国の元王様、母は僕が生まれた時に亡くなっている。で、僕は元王子。
大好きな父と平和に暮らすことが日課だ。
いつもより少し遅い時間に起きて、朝食を食べに一階へ降りる。
父は珍しくセレーノの家に来て、椅子に座っている。セレーノは説教でもされるのかと思い、恐る恐る椅子に座る。
しばらく沈黙が続いて、父の口が動いた。
「セレーノ、ちょっといいか」
セレーノは手を止め、口の中にある物全てを急いで飲み込んだ。
「セレーノ、
君はまたヴィータ王国を復活させ、君が王様になるんだ。まだ血筋はある。
パンテオンの書を見つけて
地下神殿パラディーゾに眠るアルカンジェロを起こすんだ。そうすればお前は強力な力を手に入れることができる。
そうして、エオーネ帝国の皇帝を全員殺し、国家転覆をするんだ。」
セレーノはフォークを手から落とした。
あまりにも大きすぎる話の内容すぎて、話が入ってこなかった。
セレーノは父と仲良く暮らせればそれで良かった。戦争なんてしたくもなかった。セレーノは言い返した。
「無理に決まってるよ!
帝国に逆らえる訳がない!」
父は真剣な眼差しで
「君にしか頼める人がいないんだ。
頼むから、世界を変えてくれ」
セレーノは世界を変える気は全くないし、王国崩壊の歴史にも興味がなかった。
そもそも剣術や体術なんてまともに受けてないし、完全に鍛えられた貴族やあっちの王族になんて勝てる訳ない。
セレーノは席を立ち、自分の部屋に戻った。
これから戦争が始まるのかという恐怖感で手が震え、涙を流した。
それからしばらく経ち、セレーノと父は買い物のため外に出た。セレーノたちが住んでいるプロテッジは、エオーネ帝国で、ヴィータ王国の王子だったということは隠して生活している。
もしこの事実が判明すれば、捕まえられて処刑されるか、はるか南のレガーメ地方に送られる。レガーメ地方には、追い出されたヴィータ人のみが住んでいて、島の真ん中にはバリエラの壁という巨大な壁がそそり立っている。セレーノは何度かレガーメ地方に行ったことはあるが、もうしばらく行っていない。
父が食べ物を買いに行っている間、セレーノは図書館に向かった。図書館で”地下神殿パラディーゾ”と、”王国崩壊”という本を買った。
この前父が行っていたヴィータ危機、地下神殿パラディーゾと、アルカンジェロのことを話していて、それが何なのか急に知りたくなった。セレーノは最初に地下神殿パラディーゾの本を読んだ。すごく分厚くて、ホコリだらけの古い本だった。最後のページにはコーヒーのしみもべったりついていた。
最初に目に入ったのは、地下神殿の場所であった。地下神殿は○○街のやや西に位置しているそうだ。本にはこう書いている。
Condizioni 1
Per svegliare Arcangelo, leggi il Libro del Pantheon.
condizioni2
qualcosa che non ha poteri speciali
つまり、条件が二つあるということだ。
一つ目は
パンテオンの書を読むこと。
二つ目は
特別な力を持たないもの。
この約束を守れば、アルカンジェロを起こすことができるらしい。
セレーノはもう一つの本”王国崩壊”を手に取って読もうとした。地下神殿の本よりも比較的綺麗で新しかった。この本には、100年前に起こった王国崩壊について記されていた。
セレーノは今まで興味のなかった昔の話に興味を持ち始め、次々とページをめくりにめくった。すると、とある1つのページだけ違和感を感じるページがあった。
98、99、100、とページが続くはずが、101ページだげ無かった。
98〜100ページは年表のページだが、なぜか101ページだけ無かった。
セレーノは特に気に留めず、本を抱えて家に帰った。
家に帰るが、父の姿が見当たらなかった。今日は何か特別なものを食べさせてくれると心を躍らせ、父の帰りを待っていた。しかし夜になっても父は帰ってこなかった。心配になり外へでると、なにか騒がしかった。すると、とんでもない光景が僕の目に入る。
人混みの奥に誰かが兵士に捕まり、殺そうとしていた。セレーノは近くで見ようと人混みをかき分けてながら突き進み、先頭にきた。
そこにいたのは、血だらけになった父だった。父はセレーノに対し”助けに来るな、声に出すな”という目でこちらを見てきた。
ここで助けに行けば、僕も元王子だということがバレ、僕も殺されると思い自分の感情を必死に殺しながらセレーノは帰ろうとした。
一度振り返り、最期に父の姿を見た。
父は涙を流していた。苦しそうな目と同時に、生き延びてくれという願いも伝わってきた。セレーノは拳を握りしめ、涙を堪えた。やがて父は生き絶え、運ばれていった。
家に帰り、空腹に耐えながら父の泣き顔を思い出してつい涙がこぼれた。
セレーノは悲しみと同時に怒りも込み上げ、イライラした挙句、力一杯にコップを投げつけ、窓から外にいる住民を睨みつけた。
「必ず、僕が世界を変えてやる」
翌日、セレーノは父の部屋から剣を取り出し、父の愛用していたフード付きマントを着用した外へ出た。
向かった先は、エオーネ帝国の王宮。
剣術も習得していないのに、むしゃくしゃな気持ちで王宮へ向かった。王宮の周りには、大量の近衛兵が周りを巡回していた。
壁の外をうろうろしながらセレーノは何とか侵入する方法を考えた。すると、近衛兵が少ない裏口らしき門を見つけた。セレーノはここから侵入すると決めた。
この時、セレーノは感性を失っていた。今自分が何をしようとしているのかも把握できていなかった。セレーノは剣の柄を握りしめ、スタスタと門へ近づいた。すると近衛兵に声をかけられた。
「これ以上は関係者以外立ち入り禁止だ!」
僕は強引に2人を刺殺し殺害した。
長い階段を登り、大きな扉の前まで来る。
しかし、異変に気づき向かってきた貴族たちが後ろから襲いかかってきた。帝国貴族の1人・マヌエル伯爵がセレーノに対しこう言った。
-マヌエル-
「おっと君、ここで何をしているんだい?でもどっかで見たことある顔だねぇ」
-セレーノ-
「・・・」
-マヌエル-
「君、もしかしてヴィータ王国の元王子様?」
セレーノは自分が元王子だと言うことをマヌエルに突き詰められ、つい目を逸らした。その場から逃げようとするが、完全に包囲されていて逃げ道がない。
-マヌエル-
「その顔、今ヤバいって思ったでしょ」
-セレーノ-
「あぁ、僕はヴィータ王国の元王子だよ」
-マヌエル-
「やっぱり
君はこっちで保護するから、こっちに来て」
セレーノはボソッと呟いた。
「行くもんか、最低な支配者め・・・」
マヌエルは聞き返す。
-マヌエル-
「なにー?聞こえなかったんだけど」
セレーノは怒りを爆発させ、剣をマヌエルに突きつけた。
-マヌエル-
「誰も殺してほしいなんて言ってないんだけどなぁ。君は怖いから、さっさと処分だね」
マヌエルはセレーノの体を抑えて地面に押し倒した。剣を振り上げてセレーノの腹部に刺そうとしたところ
「カキーン!」
マヌエルの剣は回転しながら飛んでいった。セレーノはそっと目を開くと、前に誰かいた。
-マヌエル-
「おっと。余計な邪魔者が来たもんだ
正義のヒーローかい?」
謎の男は倒れているセレーノをかついで物凄いスピードで逃げていった。謎の男は無言でセレーノを運んだ。どこへ向かうのかと思いきや、幼少期よく行っていたレガーメ地方だった。謎の男は何も言わずに手紙だけ置いてどこかへ消えた。
そしてセレーノはレガーメ地方最大の都市・カルドにたどり着く。