テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
そこは、他の部屋より広く、真っ白な部屋。鉄製の扉がひとつあるだけだった。ふと、部屋の隅に血溜まりや、肉塊が落ちてることに気づく。
(・・・ここで実験されてたのかな?)
と、服の裾を引っ張る2人の頭を撫でながら、辺りを見渡す。ふと、何かが飛んできた。
「危ない!!」
「「え」」
すまない先生はその2人を押し飛ばした。その瞬間、すまない先生目掛け、斧が振り下ろされた。
ぐしゃりと肉と肉が切れる音が部屋に響く。赤い鮮血が床を汚す。
「ヒッ・・・ッ!?」
思わず少女は顔を真っ青に染め、後ずさる。
少女は、少年より血を見ることには慣れていない。口を抑え、カタカタ震えていた。そんな彼女の背を少年は優しく撫でた。ふと、気づく。斧を振り下ろした自分より小さい、“赤子”を見て。
「・・・No.2・・・!」
その赤子はNo.2と呼ばれていた。赤子の瞳は赤くなっていた。
赤子は無表情ですまない先生を見て、斧をすまない先生の体に突き刺さった斧を引き上げる。すると、
「あ、君!あの時の!」
その場に似つかわしく声が響く。少年と少女は目を丸くした。
──すまない先生は赤子に笑顔を向けていた。
攻撃が当たっていないのか?と思ったが、切られた箇所から今も血が噴き出していた。
だが、すまない先生はその赤子に恨みや憎しみなんて一つも浮かべず、ただ人懐っこい笑みを浮かべるばかり。赤子も困惑していた。
「良かったぁ!すぐ見つかった!あ!斧かっこいいね!」
「???」
赤子は殺したはずの相手が普通に喋ることに困惑していると、すまない先生は思い出したようにポケットからハンカチを取り出した。
「はいこれ、君のでしょ?落としたよ?」
と、すまない先生は優しく微笑み、そのハンカチを手渡した。ふと、少し赤いシミがついてることに気がつく。
「うわ!どうしよう、血が付いちゃった・・・取れるかなぁ・・・」
そう呟きつつも、赤子に手渡した。赤子はそれを貰った途端、目が緑色に戻った。
「・・・あ、あり、がとう」
と、赤子はそのハンカチを握りしめる。余程大切な物だったらしい。それにすまない先生は満足気に微笑む。
ふと、何かが来る音が聞こえた。
コメント
2件
うわぁ…後から斧を振り上げて攻撃ってせこいやろ… 目が赤い赤ちゃんって昔の暴走赤ちゃんだよね!ソーダのお話はそういうところ再現されてて凄い! ハンカチそんなに大事なやつやったんやね!お母さんの形見かな?