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「これはこれは、No.2の“敵意”を解くとは」
と、パチパチと拍手の音が。皆は顔を上げた。
どうやらその部屋は中二階になっていたらしく、中二階の部屋からある白衣の男が現れた。周りには中二階に行く階段はなく、ガラスも恐らく防弾ガラスで覆われていた。
まるで、箱庭を覗くことができるみたいな・・・
「ふむ・・・迷い込んだ一般人には見えないな・・・お前は、何者だ?」
そう聞くと、すまない先生は答えた。
「僕はすまない。すまない先生だ」
「・・・すまない?そういえば、大昔の英雄の名前がそんな名前だったか・・・?まぁいい、それで、君はなんのためにここへ?」
そう聞くと、すまない先生は答えた。
「・・・この研究施設をぶっ壊しに?」
と、疑問げだが、しっかりと答えたすまない先生に、博士は大爆笑した。
「面白い!・・・まぁ、壊せるものならな」
と、博士の後ろから数名の部下が現れた。そして、その部下に引きずられるように連れてこられた“彼ら”にすまない先生は目を丸くした。
「レッドくん!ブルーくん!それにみんなも!!」
そう、彼らは博士の部下の手により捕まってしまった。すまない先生は剣に手を伸ばす。すると、
「おっと、私は戦いは好まない。だからひとつ“賭け”をしないか?」
「・・・かけ?」
すると、下が開き、そこから台に入った同じ色のが錠剤置かれていた。
(・・・お薬?)
すまない先生は恐る恐るお薬を手に取る。2つとも同じ白色、どちらがどんな薬なのかわからない。すると、博士は答えた。
「その片方は猛毒。そしてもう片方は鉄分剤だ。猛毒は体内に入れれば体中をズタズタにさせるような苦しみにもだえながら死ぬ」
「「「!?」」」
少年と赤子と少女は目を丸くした。
「これってどっちがどっち??」
「アホか、教えるわけないだろ。言い忘れていたが、その錠剤のどちらかを飲み込め。もちろん、そっちには3人子供がいる。ここで無くすのは惜しいが、まぁ仕方ない。易々侵入者を入れたお前らに価値などない」
そう博士は冷たく答える。それに、少年達は俯いていると、
「・・・おい、すまない先生だったか?その薬の片方を、俺に寄越せ」
「!?何言ってるのお兄様!?」
「おい、正気か!?」
そう赤子と少女は驚いたように目を丸くする。少年は答えた。
「俺は“モンスター”のDNAが入っている。ちょっとやそっとの毒じゃ死ぬことはない」
と、少年は妹と赤子の静止を無視しながらそういう。すると、
「わかった」
と、すまない先生は答えた。それに少年は少しホッとしたのもつかの間、錠剤“2粒”を・・・
──“ごくん”
飲み込んだ。