第5話
「今日は相談乗って下さりありがとうございました!俺、メンバーにいえなくても、好きな人には絶対言います!」
「おう!頑張れよ!そのまま告白もな!」
「告白は無理っすよぉ笑」
「大丈夫!振られたら慰めてやるから!」
『振られたら笑ってやるよ笑』
「いや、なんで振られる設定なんですか!笑」
このツッコミはどっかから聞こえる玉森くんと宮田くんに対するツッコミね?
「 w w w」
「だいぶ明るくなったね!よかったよかった!」
確かに…宮田くんの家に来てから少し気持ちが楽になった気がする。感謝の思いも込めて、俺の花でもあげようかな
「よいしょっと…」
「え?なにしてんの?」
「俺の体の花、だいぶ体に馴染んできちゃったんですけど、取れるんですよね」
「え?それを俺にくれると?」
「はい。黄色のアマリリスと、紫のフリージアです!」この2つの色は、玉森くんのメンバーカラーと宮田くんのメンバーカラー。
「花言葉もしっかりあるんですよ!俺、この病気かかってから花に詳しくなったんですよ!」
「おおう…そうか…」宮田くんは少し引き気味だった。そんなことお構い無しに、俺は宮田くんに花言葉をつたえる。
「紫のお花は宮田くんに、黄色のお花は玉森くんに向けてのメッセージです!調べてくださいよぉ?」
「気が向いたらな笑」「えー!」
そんなたわいもない話をしていたら、俺は仕事に行かないと行けない時間が近づいていたから、帰ることにした。
俺は最後に、宮田くんにこう言った。
「宮田くんの家、玉森くんの匂いがして、愛が伝わってきます!俺も、好きな人とそんな関係になれたらいいなぁなんて…ってやばい!遅刻する!お邪魔しましたぁ!!!」
「またおいで!」宮田くんは俺の事を笑顔で見送ってくれた。よし、宮田くんと玉森くんに勇気は貰ったから、行動に移さないと。
俺はそんな気持ちで走り出した。
俺は、佐久間が帰ったあと、仏壇の前で玉に願った。
「玉、俺もそっちいっていいかな?玉の使っていたラボンの柔軟剤使ってると、玉のこと抱きしめたくなるんだよね…それに佐久間がさっき言ってた。宮田くんと『玉森くん』って。やっぱりここにいるの?俺をむかえにきたの?姿見せてくれない?声聞かせてくれない?俺には玉がいないと生きていけないんだ…だからさ。俺、もうすぐそっち行くよ…」
『いいよ。俊くん。』「玉…?」
久しぶりに聞いた愛する人の声は変わっていない。姿は見えず声しか聞こえないけど、ここに玉がいるんだ。
『俺が死んで1年も生きて俺の事忘れないでいてくれたからさ。俺は俊くんに生きててもらいたかったけど、だめだった。近くで俊くんを見るたび俺の姿を見てくれないのがなんか寂しくて…』
「玉ッ!」 うっすらと見えてきた愛する人の姿はとにかく白くて、羽はないのにまるで天使のような見た目だった。
『俊くん、おいで!』「玉ッ!」『これからはずっと一緒だよ?俺、幸せにしてもらわないと許さないから』「玉を幸せに出来るのは俺だけだから」
『俊くん…行こ…!』「うん!」
俺は、玉と手を繋ぎながら、どこかへと向かった。
『そういえば、佐久間から花貰ってたけど、俺意味わかるよ』「うぇ?なんで?」『暇だったから』
「じゃあ教えてよ!」『いいよ!』
体が徐々に軽くなっていく感覚と、強烈な睡魔をおぼえ俺は、意識を飛ばそうとした。幻聴で聴こえる玉の声に耳を傾け、佐久間から貰った意味を調べ、それを仏壇に飾って…
「ありがとう…佐久間…」そう言い残して…
俺の意識はそこでとだえた。目が覚めた時には、玉と向かうべき場所に着いていた。
そこはとても綺麗で、うつくしく、暖かい場所だった。
続く
・黄色のアマリリスの花言葉 誇り
・紫のフリージア 憧れ