道枝side
関わるな、って言われたけど、俺はOKしてへんよね、長尾?緊急事態やから、ええやろ?なぁ…
大「道枝、大丈夫か?」
駿「…はい」
看「長尾さんの知り合いですか?」
大「メンバーです。入れますか?」
看「大丈夫です。10分程度なら。あとまだ目が覚めてないのでなるべく静かにお願いします。守れますか?」
大「はい」
守れる、かな…感情的になっちゃったらどうしよう。大吾くん、止めてくれるかな。
看「何かありましたらコールしてください」
大「ありがとうございます」
ガラガラガラガラ(ドア)
駿「…長尾っ!」
大「あっ、道枝…静かに、やよ」
駿「ごっごめんなさい」
長尾は静かに眠っていた。
そっと手を握る。
左腕には、包帯が巻かれていた。右腕にキズはひとつもない。細くて痩せてて、綺麗な腕やった。こんなに小さな体で、いろんな悩みを抱えてたんや…ごめんな、長尾…
え、待ってや。なんで、リスカ、したん?
俺の関係が悪くなったんは、俺が康二くんのことを言ってからやよね。
長尾がリスカする原因はきっと、頼る人がおらんくなったから。一年間もそうやった。
てことは、俺に頼れんくなった理由があるん?答えてや長尾…。
ピクッ
駿「えっ!」
大「どしたの!?」
駿「手、ピクッって…」
大「長尾、聞こえるか?」
駿「長尾…長尾!」
謙「…ん…、いか、へんで…!僕をおいて…行かないでっ…!」
駿「…行かないよ?どこにも」
長尾の目から、一粒の涙がこぼれた。
いまのは、なに?夢?俺に言ったん?でも目はあけてへんから、俺やってわからへんよね?
駿「長尾?聞こえるか?」
謙「…みっち…」
駿「長尾!よかった、ほんまに」
大「道枝。オレ席外すわ」
気を遣ってくれたのだろう。でも、二人きりは気まずいな。
謙「っ!みっちー?!」
駿「俺、みっちーやけど…」
謙「でっ、出てけっ話しかけるなっ」
駿「なんで、なん。流星くんから聞いたで」
謙「そのまんまの意味や。出てってもらえん?もう、ほっといてや」
駿「嫌や」
謙「…出てって」
駿「嫌や、出ていかん。意味わからんもん」
謙「……あっそ」
もう、なんなん長尾…。
引かんし、嫌わんのやろ…?
あれは嘘やったん…?
駿「俺が、康二くんのこと好きなのがダメやったん?確かに、引くよな、同じグループにゲイがいるんやもん、嫌やよね。でも、ひどいよ、長尾…。知らんかったら、今でも仲良くできてたん…?なぁ長尾、前みたいに、戻りたい、仲良くしたい…っ」
思いは伝わっただろうか。
それでも、返ってきた言葉は__
謙「……無理、やから」
だった。
駿「俺、嫌われたん…?」
謙「……さぁ」
…いつか聞いたときも、そう言ってたよな。
俺は、泣きそうになるのを必死にこらえて、部屋を、出た。
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