テラーノベル
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m!lkの楽屋神コンテンツです(関係ない話)
難産だった上、話の展開は爆速爆裂(関係ある話)
今日は待ちに待った仁人とお出かけする日で、朝から古着屋を巡ったり俺のお気に入りのケバブ屋さんに連れて行ったりすごい楽しい日だった。それで仁人が買いたいものがあるからってデパートに寄ったんだ。そしたら…
「おめでとうございます!お客様は500万人目の入場者になります!」
「え?」
「お客様にはこちらのチケットをプレゼントさせていただいております!」
「えっ、ちょっと」
「え!仁人凄いじゃん!!なになに?何のチケット貰ったの?」
押し付けられるように渡された仁人の手の中にあるチケットには『本日限定!貸切アミューズメントパーク入場チケット』の文字。
「アミューズメントパークって最近ニュースになってたところの?」
「はい、実は明日オープン予定でございまして、お客様は先行入場できるわけでございます。中には大型の観覧車もありまして、そこからみる夜景はとても綺麗ですの本日お時間ありましたらいかれてみてください」
「へえ、全然知らなかった…でもこれ一人だけですよね。俺だけはちょっと…」
「お連れのお客様もご一緒に入場できますのでご安心くださいませ」
「……なるほど。ありがとうございます」
それから少し受付の人と話をしてその場を離れる。俺はパークって言葉を聞いてすごい嬉しくなったけど、仁人は苦手だったっけ。
「仁人、あんまりこういうパークとか好きじゃないよね?どうする?やめとく?」
「……いや、行こう」
「え、ほんとに?無理してない?」
「折角もらったチケット無駄にするの悪いし、貸切らしいし、それに太智と一緒なら多分…楽しめると…思うし……」
後半に行くにつれて声が小さくなる仁人。その耳は真っ赤になっていて照れてるのが一目でわかる。
あ~~もうほんとかわいい~~!!!なに!?急にデレるやん!!!知り合ってまだ日は浅いけど仁人の性格上、素直に自分の気持ちを伝えるの苦手なのかなって思ってたから急なデレは俺の心臓がもたん!!
「俺、今日だけ心臓100個欲しいわ…」
「えっ、何急に怖いこと言ってんの?」
そうして俺たちはパークにやってきた。中にはジェットコースターにメリーゴーランド、その他にも沢山のアトラクションがあって思わず感心してしまった。中でも目を引いたのは見上げるほど大きい観覧車。キラキラとライトアップされていて確かにここから見る夜景は綺麗だろうな~なんて思ったり。
「想像してたよりずっとすごい!!それに誰もおらんから不思議な気分や」
「ほんと、人いないとこんなに静かなんだな」
「世界に俺と仁人だけになったみたいやね」
「…っ、吃驚した……太智って結構ロマンチストだよね。そういうのは彼女に言えよな」
「……俺、アイドルだから!」
「あっはは!そうでした!」
少しは意識してくれるかなって思って結構勇気出していってみたんだけど仁人には軽くかわされてしまう。うう…仁人にどうしたら意識してもらえるんやろ…たすけて勇斗~~!!
「とにかく時間も限られてるし早速何か乗るか」
「そ、そうやね!仁人が乗れそうなのどれかな~」
「おい、俺を子供だと思ってるだろ」
「そんなことないよ~あ、メリーゴーランドとかどう?俺どのお馬さんに乗ろうかな~」
「俺は馬車に乗る」
「そこは馬に乗ってや!?」
それから俺たちは次々とアトラクションに乗っていく。人がいないから待ち時間もない、俺たちだけの遊園地に仁人もテンションが上がってきたのか目の前の観覧車を指さしながら叫ぶ。
「今なら観覧車乗れそうな気がするわ!!」
「えっ、結構高いけどほんまに?」
「今なら乗れる!!行くぞ太智!!」
「おおおお!?乗ったら降りれんからね!?」
「行ける!!」
俺と仁人を乗せた機体はゴウンゴウンと音を立てて上がっていく。観覧車のゆっくり上がっていく感じ、なんか好きなんよなぁ…
しかし、目の前に座っている仁人は魔法が溶けたかのように先ほどの勢いを無くしていた。肩がこわばっていて、いかにも怖いですのオーラがひしひしと伝わってくる。
「仁人、大丈夫?」
「ううう、やっぱ無理かも~~~」
「でももう外でれんし…あ!なら俺と手でも繋いどく?そしたら少しは怖さ減るかも!」
俺は手を差し出しながら、「なんてじょーだん!」と言おうとした瞬間、俺の手に仁人の手が重なる。
「へぇっぁ!?え!?」
「あっ、確かにさっきより怖くなくなったかも…」
「えっと、俺冗談のつもりやったんやけど……!!」
「でももう俺手離せないよ、怖いし。…それに太智の手あったかくて落ち着くわ」
そう言って柔らかく笑う仁人に俺の胸はドキドキしっぱなしで。ほんまにこの人魔性すぎる…!!
少し冷たくてかさついている仁人の指にはタコができていて、本当にこの手でずっとギターを弾いて歌ってきたんだなって実感して、ギュッと優しく握り返す。
「仁人の手は頑張りの証が沢山詰まっとるね」
「え…?」
「タコ。これギターをずっと弾いとるってことやろ?これができるまで結構時間かかるって聞いたことある。それをこんな固くなるまで、沢山」
「そんなの、ギター触ってたら皆できる、俺だけじゃない」
「ううん、俺にはわかるよ。だって仁人のファン一号やもん。仁人の歌も、仁人の奏でるギターも大好きな俺が言うんやから間違いないわ」
「…なんだよそれ…意味わかんねえ……でも、うん、ありがとう……」
それから手を繋ぎながらのんびりと話をしているといつの間にか頂点に着いたのか俺の視界にキラキラと輝く夜景が目に入る。あまりの光景に俺は仁人の手をブンブンと振ると、外を指さす。
「仁人、仁人!外見て!!」
「ええっ」
「いいから!すごいんやって!」
恐る恐る外に目を向けた仁人はその景色に大きく目を見開く。
「すげえ…めっちゃきれい…」
「ね、これだけでも怖いの我慢してきたかいあったんやない?」
「確かにそうかも…太智と一緒じゃなかったら絶対に見れなかった景色だな……」
キラキラとした表情で外を眺める仁人を眺める。
手もつないでて、そんな可愛い顔見せられて俺の我慢はもう歯止めが効かないみたい。俺は仁人を引き寄せるとその赤い唇に自分の唇を合わせていた。
どのくらいキスしていたのか、俺の意識が戻ったのはドンッと強い力で仁人から身体を押された衝撃だった。
「……なにしてんの…」
「あっ……ごめっ、おれっ…」
「大智はアイドルでしょ……こんなのよくないよ…」
「違う…!俺は仁人の事が!!」
「違わない!!」
初めて聞く仁人の大声に俺は何も言えなくなってしまった。何か言いたいのに声が出てこない。今、言わなきゃいけないのに。
ああ、仁人のそんな顔見たくなかった、仁人にはずっと笑顔でいてほしいのに。
そこからどう仁人と別れてどうやって家に帰ってきたのかあんまり覚えていない。覚えているのは仁人を傷つけたってことと、俺は振られたってこと。
俺の目から溢れる涙をどう止めていいのかわからなかった。
コメント
1件
え!?振られちゃうの!?😭