テラーノベル
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出てこなかった。
待った。待ったけど。
合鍵で開けてみることにする。
ガチャ
空いた。本物の合鍵だった。
『失礼しまーす、』
そう遠慮がちに入った家は、もぬけの殻だった。
ベットだってぐちゃぐちゃだし。
冷蔵庫からは腐った納豆の匂いがするし。
正直言って、ゴミ屋敷だった。
冷蔵庫の中の匂いが部屋中に充満する前に換気扇をつけようとした。
付かなかった。
君の家に行く途中に外も暗くなっていたので、電気を点けようとした。
点かなかった。
壊れているのかと思った。
全てが重なって、誘拐のことも考えたが、
先生は毎日、君から直接休みの連絡を受けているというから、その考えは意外と早くに捨てた。
なら、どうして。
俺は、君を待つことにした。
LINEを開いても、まだ付かない「既読」の文字。
1週間前に最近来ないな。と送ったのに。
YouTubeのショート動画を見ながら待っていると、
いつの間にか2時間半が経っていた。
時刻は、7時24分。
君は、運動は苦手だから、と言って部活には入っていない。
塾などで勉強するよりも、教科書や参考書を使って自分で勉強する方が得意だと言って塾にも入っていない。
俺でも分かった。
絶対におかしい。
流石にそろそろ帰るか、と思っていた時。
スマホの上部にLINEからの通知が来た。
「明日遊べる?」
君じゃなかった。
そりゃそうか。そんなタイミングがいい事あるか。
握りしめた拳は、白くなっていた。
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