光に誘われ、窓の外に目を向ける。
この宮殿に来た時はまだ肌寒い日も多かったが、ここ数日で一気に春めいた。
聖女として与えられた部屋からは、宮殿の裏手にある庭が見え、若木の緑が光を弾いてきらめいている。
(今日も臭いはないみたい)
窓をあけ、空気を入れ替えながら、日課になった異臭の確認をしていた。
街の現状をルークさまにお伝えしたのが数日前。
あれから自分にはなにができるか、ずっと考えている。
“私は……聖力を使わずとも人々が健康でいられる、そんな世の中になってほしいです”
ルークさまに伝えたのは、嘘偽りない本心だ。
ただ、この国の価値観では、命は神が決め、薬を使うのは神への不徳であるという考えが根強い。
医療といえば、神に祈る、もしくは聖女に頼るという発想を、薬を使うか、もしくは正しい知識で対処すると********************
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