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夏休み。
中学を受験することになった亮平のもとへ、今年の春に大学2年になったばかりの家庭教師が挨拶にやって来た。
『初めまして、村上といいます』
村上と名乗った見上げるように背の高い美しい青年は、玄関先で、これから遊びに行くところだった弟の翔太にも丁寧に挨拶をした。膝を少し曲げて、目線を合わせるのも忘れない。
💚「初めまして。よろしくお願いします」
兄の亮平は今年で小学校を卒業というだけあって、堂々と挨拶を返したが、弟の翔太は生来の恥ずかしがりで、亮平の後ろにすっぽりと隠れた。
💙「…………///」
兄の腰に腕を回してイヤイヤする翔太を、亮平がすいません、と代わりに謝る。村上はいいんだよ、と言って、にっこりと笑った。
💙「えぇ、今日こそ一緒に遊ぶって言ったのに…」
翔太は涙目で訴えるが、夏休みは大切な受験勉強の正念場。村上はこの日から毎日のように、亮平を独占した。『ナツヤスミトクベツシュウチュウコウギ』というらしい。兄弟の部屋に篭って、二人はずっと勉強をしている。
翔太にはそれがつまらない。
虫が苦手な翔太を手伝って、夏休みの自由研究をしに近くの野原へ出かけてくれると言ったではないか。川遊びもしたい。公園にも行く予定だった。何もかもがこのせいでパアになった。
亮平と翔太の両親は共働きで、夏休みといえど、ほとんど家にいない。引っ込み思案で学校に友達も少ない翔太は予定が狂って、毎日がつまらない。
今日も「おべんきょう」だ。その日はたまたま二段ベットの上の段でタオルケットを被って、不貞腐れて横になっていた。
🤍「はい、じゃあこの問題から解いてね。わからなかったら、遠慮せずに俺に聞いてね」
ムラカミは、そう言うと、一生懸命に問題を解くお兄ちゃんの手元を見つめた。
ムラカミが来てから、もう半月ほどになる。
初めは礼儀正しくて、きちんとしていたムラカミも、最近では翔太が見る限り、悪い本性が少しずつ見えて来た。タオルケットの隙間から、翔太はそっと二人の様子を見張っていた…が、そうしているうちにいつのまにか眠ってしまった。
🤍「亮平くんて、指が長くて綺麗だね」
💚「えっ……」
勉強を始めてから、少し経って、指先を見つめていた村上が亮平の指をそっと取り、そのまま口に咥えた。亮平は驚き、彼の手から自分の手を引き抜こうとした。しかし、思ったよりも村上の手に力が入っていて、おいそれと抜くことができない。
その間もちろちろと指をしゃぶられ、指と指の間の股まで舐められてしまった。
💚「やっ……あのっ…」
🤍「亮平くんはさ、キスってしたことある?」
囁くように村上は言った。
端正な顔立ちの村上は、ベネズエラ人と日本人との混血で、エキゾチックな美青年だった。ドキッとするような低音でそう囁くと、自分の厚い唇を亮平の小さな唇に躊躇なくそっと重ねた。
まるで魔法にかかったような、その甘美な感触に亮平はうっとりとなって、大人しく村上を受け入れていた。
やがて、ちゅくちゅくという水音とともに、お互いの口中を味わうと、雫が垂れた。しかしそれだけでは終わらなかった。亮平は間もなくして下半身に違和感を感じた。今度は村上の大きな手が、亮平の脚の間に割り込んでいる。
🤍「俺、可愛い男の子、好きなんだよね」
💚「……だめ……っ」
🤍「しっかり勃ってんじゃん」
村上はくすくすと笑う。
堪らなく恥ずかしくなって、亮平は腰を逸らした。
亮平は少し前に、自慰行為を覚えている。自慰と言っても、そんなに本格的なものではなく、寝ている時に布団にそこを押し付けて何度か擦るだけの、可愛らしいものだ。
それでも大っぴらに話すことではないことはなんとなくわかっていたし、ひとり部屋ではないのでそんな恥ずかしいことはごく稀にしかしていない。亮平にはそれが背徳的な行為だとわかっていた。
💚「やめてください……」
真っ赤になって、俯く亮平を、村上は余裕のある微笑みで攻め立てた。
🤍「じゃあ早く問題解いて?」
しなやかな指先で机の上の参考書の数式を強く叩くと、そのトントン、という音ですら亮平の耳にはいやらしい音のように聞こえた。
まったく集中できない。
💚「わか……りません……あっ!」
村上の手が、亮平の下着の中に容赦なく入って来た。そのまま可愛らしい屹立を掴む。そして、ゆっくりとその手は優しく上下を始めた。
💚「やだ……あっ…だめ…!!…」
🤍「ダメじゃないよ。もっと、ってちゃんと俺にお願いして?」
💚「……やだ……あんっ……」
耳元で響く村上の吐息の混じった低い声と自身の下半身の疼きが、亮平の頭の中でないまぜになって彼を蝕んでいた。村上の手は、亮平の性器を絶えず刺激し、優しく絶頂へと導いている。亮平は初めての上り詰めるようなその感覚に慣れずに、ほとんど泣きそうになっていた。
💚「やだ、やだ、お漏らししちゃう……」
尿意に似た感覚に戸惑い、漏らしたくないと我慢する亮平自身をこする手にさらに村上は力を込めた。
🤍「イッていいよ」
💚「あっ!あっ!でちゃう!!」
亮平は、間もなくして、下着の中に初めての白濁を放った。ねちょねちょして、下着が濡れて、何とも不快な感覚と、罪悪感が一気に亮平を襲った。
🤍「気持ちよかった?」
💚「んっ……ひっく……せんせぇ……」
胸の中で怖くて恥ずかしくて泣く亮平を、村上は愛おしげに撫でる。ごめんね、怖かったねと優しく言う。
でも、気持ちよかったでしょ?
わざと声には出さずに村上は口の動きで亮平を煽った。
💚「……わかんない」
🤍「着替えておいで」
弾けるように席を立つと、亮平は隣の部屋で素早く着替えを済ませた。
それからは普通に、いや普通以上に熱心に、ノルマ分の勉強をして、やがて時間が来ると、村上はいつも通り涼しい顔をして帰って行った。
玄関先まで村上を送った後、部屋に戻って来た亮平の頭上から可愛らしい声が降って来た。
💙「……せんせぇ、帰った?」
💚「ああ、いたの、翔太」
平静を装うが、亮平は胸がドキドキしている。窺うように、弟の顔を見た。
💚「ずっとそこにいた…の?」
💙「うん」
翔太は笑顔でそう答えると、梯子を使って、器用に下へ降りて来た。翔太はまだ2年生だ。見たとしてもきっと何もわかっていないだろう。亮平は頭の中で必死に自分を納得させようとした。
💙「ねちゃってた」
翔太は言い、大きな口で欠伸をした。
まだ寝起きでぽやぽやしている。
亮平は心の底からほっとして、無邪気に自分の腰にじゃれついてくる弟の頭を撫でた。
💚「翔太」
💙「ん?」
亮平はしゃがみ、翔太に目線に合わせると、翔太の柔らかい可愛らしい唇と自分の唇とを重ねた。なぜだかわからないが、急にそうしたくなったのだ。
💙「んぅ……///」
💚「ふふっ、お父さんたちには内緒だよ」
💙「………ほぁ」
翔太は、真っ赤な顔をして、嬉しそうに亮平に抱きついた。二つの秘密をこの日から亮平は胸に抱えることになった。
コメント
11件
すんごく、ドキドキしちゃいました❤️❤️背徳な感じが・・2人だけの秘密が増えていく感じが😍😍
えやばいめちゃすき