『ゔ〜、緊張するね〜、』💦
「う、うん!」
今日はなんと代表決定戦。仙台体育館に来るのも2回目。
私と谷地さんは2人で準備をしていると、黄色いジャージを着た、Theヤンキーみたいな人が話しかけてきた。
(ピアス…ていうかこのジャージ、条善寺?)
「こんにちはー。烏野の子達かな?」
「可愛いねー!連絡先教えてくれない?」
『…』「ひい!」
(谷地さんはこういうの苦手そうかな…)
(私が何とかするしか…)
「ちょっと〜、怖がらないでよー笑」
『…やめてください。』
私は谷地さんに歩いていくその人の前に立って顔を見る。
『この子、そういうの苦手なんで。』
「…ふーん笑」
「君は苦手じゃないのかなー?笑」
『…』
「いいから連絡先教えてよー」
『…嫌です。』
『谷地さん。』「わっ」
痺れを切らした私は、さっさと準備を終わらせ谷地さんの腕を掴んでその場から離れた。
「え、ちょっとー!何あの子…笑」
後ろから声が聞こえるが、無視して烏野のみんなの方へ私は歩いていく。気づくと体育館の出入口にいた。
『あ!ごめんごめん!』
『行き過ぎちゃった!』
私が急いで戻ろうとすると、谷地さんが口を開いた。
「ゆ、ゆりちゃん!」
『ん?』
「ありがとう!!」
『ふっふ。良いってことよ〜』
そんな会話をしながら、私たちはみんなの方へ合流した。
(条善寺との試合後に飛びます!by主)
条善寺に勝った後、私は次の試合の準備のために、体育館を動き回っていた。
とある練習用の体育館の前を早歩きで通った時、後ろから名前を呼ばれる。
「おーい!ゆりちゃーん!」
『! 及川さん!お疲れ様です!』
声をかけてくれたのは、及川さん。私は立ち止まって廊下で雑談をする。
「おつかれー」
「条善寺との試合おめでとー!」
『ありがとうごさいます!』
「条善寺といえばさー、ゆりちゃんさっき条善寺の人に絡まれてたでしょー」
「ナンパ?」
『あー、見てたんですね…』
『まあ、多分そんな感じかと、』
「びっくりしたよー!ゆりちゃん、お友達守っててかっこよかったなー!」
『かっこ…よくはないですけど、』
『見てたんなら助けてくださいよー!』
「ごめんごめん!」
「それよりさ、」
なぜか及川さんが喋りながら近づいてくる。押された私は、壁と及川さんに挟まれた。
「あんなナンパダサいよねー」
「もっとこんな風に攻めなきゃ。」
突然及川さんが壁に腕をつく。挟まれた私は逃げられない。
(これ…壁ドンっていうやつだ…)
男性耐性があまりない私は、だんだんと顔が熱くなってくる。
『ぁの…』
「顔赤い笑 可愛いなー」
それを言われた瞬間、私の恥ずかしさは限界突破してしまった。
<ガンッッ>
及川さんの足に自分の足を絡ませ、及川さんのバランスを崩して力いっぱい押し、逆に及川さんを壁に押付けて私は距離を取った。
しばらくして、私は正気に戻る。
『あ、あわわわ!』
『す、すみませんん!!つい反射で…!!』
「…ははっ笑」
先に口を開いたのは、目の前にいる及川さんではなく、いつの間にか後ろにたっていた岩泉さんだった。
「おい、やるじゃねーか!」
「及川が変な事してるから来てみたが、来る必要無かったな!笑」
『すす、すみません!!』
『お、お怪我は…』
驚いていた様子の及川さんも、口を開く。
「ん、大丈夫…だけど…、」
「めっちゃびっくりした…」
『ごめんなさいぃ!!』
「まあそいつは大丈夫だ。すまんな。」
「おいクソ川、早く練習戻れ。」
そう言って体育館に戻る岩泉さんを追って、及川さんも歩き出す。
私が申し訳なくて下を見ていると、及川さんが口を開いた。
「…ごめんね。嫌だった?」
『嫌じゃないです!』
『つい反射で…』
「ほんと?ほんとに?」
なぜか少し驚いた顔でこちらを向く。
『もちろんです!』
「…はあ、なら良かった。」
及川さんはいつもよりとても優しい声だ。
「またね。」
『は、はい!』
そう言って体育館に戻って行く及川さんの背中を見てから、私も作業に戻った。
<続く>
・おまけ
こんばんは、角取りです。今回、ちょっと付け足したいことがありまして、おまけを作りました。短いから呼んでくれると嬉しいです
先程、及川が西川を壁ドンしたシーンがありましたね。あのシーンでは、西川もしっかりドキドキしています。
しかし、西川は恋をしたことがないので、自分の気持ちや恋愛感情には酷く鈍感です。なので、あのシーンでは別に恋心は芽生えていません。
因みに嫌じゃないというのは本当ですが、それは嬉しいということではありません。男たらしじゃないからね!
それでは皆さん、また。
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