目を覚ました女は、助けを求めようとした。しかし、猿ぐつわをされているので、まともな言葉を発することは出来なかった。おまけに手も拘束され、身動きできない状態だ。やがて、騒ぎを聞きつけて、入院患者の一人が病室から顔を出した。
「あれ、こんなところに裸の女の子がいるよ?」
「あら本当。かわいい子ね!」と他の入院患者の女たちも集まってきた。
「どうしたの? あなた、迷子にでもなったの?」
しかし女は耳栓をされているので、相手の声が聞こえない。
「ねえ、せっかくだから、私たちと遊ばない? 退屈してたところだし、ちょうどいいわ」と男の一人が言うと、「いいねぇ。楽しそうだ」とほかの男たちも賛同する。女は必死に抵抗するが、抵抗むなしく引きずられていった。女は手を縛られた状態で、床に転がされた。
「うふふ。かわいそうなことするね。大丈夫。すぐに気持ちよくなるから」と女が転がっているのをいいことに、足でいじったりする。
「ほら、こうするともっといいでしょう?」と、さらにエスカレートしていく。
「やめて、お願い……」と女は懇願するが、猿ぐつわをされているせいで、何を言っているか誰にもわからない。
「あはは。もう濡れてるじゃない。感じやすい体なんだね」と言いながら、手を伸ばしてくる。
「ああっ……だめぇ……」
女の声にならない叫びが響く。
「僕、裸の女の子なんて、見るの初めてだよ」
「へえー。そうなのか。俺、AVで見たことある。確かこうやるんだよな」と言って、女のお尻を触ってきたりする。女はそのたびに悲鳴を上げたが、それがまた相手を興奮させる結果になる。
「あ、ここ柔らかいよ」
「ホントだ。おもしろい」とお腹とか胸を指で突っついてきたり、つねったりしてきたりした。
「ああっ……。んぐぅ~!!」と、くすぐったいような変な感覚に、身をよじらせる女。
「確か、俺が見たAVでは、ここを触ると女は喜ぶんだよ」と言って女の股間に男の手が伸びる。そしてクリ・リスに触ると、女はビクンッと体を震わせた。
「ああぁっ! いやっ! そこはっ……」
「おお! 本当に感じるんだ。女って面白いな」と言って執拗にそこを攻めたてる。
「ひぃっ!! やめっ……あうっ!」
女は嫌がるが、それでも男はやめない。だんだん息遣いが激しくなり、全身から汗が出てきた。それに構わず男は女の秘所をこすり続ける。やがて、絶頂に達したのか、体が震え始めた。それを察して、別の男が、「そろそろいいんじゃない? 俺たちも気持ち良くなろうぜ」
そう言って男は、ズボンのチャックを開けると、いきり立ったものを取り出して、無理やり入れようとする。女は抵抗しようとしたが、十分に濡れていたので、すんなり入ってしまった。パンパンという音が響き渡る。
「はぁ、はぁ、はぁ、きもちいい……」
男は夢中で腰を振るが、あまり長くは続かなかった。女の中に出し終わると、満足げに言った。
「よし。じゃあ次は僕だ!」
と今度は、女をうつ伏せにさせると、別の男が後ろから攻め始めた。
「初めて裸の女を見たにしちゃ、なかなか上手いじゃないか」
と言われると、彼は照れ臭そうに笑いながら腰をふった。女はあまりの激しさに耐え切れず、思わず叫んでしまった。猿ぐつわが邪魔をして言葉にはならず、「あうっ」と言っただけなのだが、その声がまた男を興奮させたらしい。
「すごい。こんなに締め付けてくるぞ」
「そんなに良かったのか」
女は激しく抵抗したが、無駄だった。
「うおぉ。出すぞ!」
そう叫ぶと女の中に熱いものが注がれていくのを感じた。その後でまた別の男が、女を仰向けにして、正常位でやり始める。他の男たちは胸をもんだりしてそれを手伝った。
しばらくそうしているうちに、一人目が終わっても、まだ順番待ちの列は途切れなかった。女が疲れ果ててぐったりしても許さず、代わる代わる男たちは欲望をぶつけてくる。そうやって何人もの男を受け入れさせられた。ようやく終わった頃にはすっかり意識を失っていた。患者たちも満足して帰っていく。
それを確認すると、俺は女を回収しに行った。今回は薬で眠らしているわけではなく、単に気を失っているだけなので、いつ目を覚ますか分らない。ひやひやしながら車に乗せた。女の荷物も持ってきているので、住所は確認できた。鍵もあるので、そこまで運ぶことにする。目隠しなどはそのままにしたが、手だけは自由にして置いてきた。
それにしても。男たちに次々犯される彼女は、神々しく美しかった。自分のすべて、人間の尊厳まで捨てて、満たされない入院患者のすべてを受け入れているのだ。これが神聖な行為でなくてなんであろうか。
俺はかつて、子どもたちにエロ神様と崇め奉られることで勘違いしていた。俺は神様ではない。彼女こそ、神様の贈り物であり、同時に神そのものだ。俺はそれに仕える司祭にすぎない。
神様はどこにでもいるのだ。ただ、自分でもまだ、自分が神だとは気付いていない。
「ああ、神様、私の神様。今どこにいらっしゃるのでしょう。必ず見つけ出してみせます」
神を神として祭り上げること、それこそが司祭である俺の使命だ。次の神様を探さなければ……。(終り)