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ご飯を食べ終わった後、リ ムルから話しかけてきた。
リムル「なぁ、夢。詳しいことはギィから聞いたよ。その辺はギィも交えて話をしよう。」
リムル「その前にだ。あの二人組は覚えてるか?」
夢「二人組…うん、覚えてる」
リムル「今も客室で泊まってもらってるんだが、お前の親だと言いはるんだ。」
夢「私の…親。」
リムル「俺に対しての来客じゃなく、お前に対してだから対応を決めかねててな。夢はどうしたい?」
夢「…なんで、会いに来たの…」
リムル「心配だかららしいが、どうも胡散臭い。」
夢「…、会う。会ってみたい。」
リムル「理由は?」
夢「理由…。今会わなきゃ、後悔すると思うから、」
リムル「分かった。この後時間を設ける。すまんが俺も同席させてもらうからな」
夢「うん。ありがとう」
リムル「せっかくだし、おめかししていくか?」
夢「いいの?」
リムル「どうせ、着替えなきゃだろ」
夢「うん」
リムル「じゃあ、シュナのところまで行くか」
夢「ねぇ、リムル」
リムル「ん?どうかしたか?」
夢「ありがとう」
リムル「良いってことよ!」
シュナ「まぁ!夢様!可愛いですよ」
あの後、たくさんの服を持ったシュナ達が私を囲み、あれやこれやとしているうちに綺麗に着せられていた。
いつもは白い服ばっかりなのに対し、今日は青色のワンピースだった。丁度胸の辺りにひらひらと波打つように布が縫われていて、まるで服の上に海があるようだった。キラキラと光りを反射し、ところどころ糸が光っていた。
リムル(やっぱり、顔がいいとなんでも似合うのな…)
青くキラキラと光る服に、真っ白な髪が揺れる姿は空のようで、瞳は服よりも輝きまるで空に青色の太陽が浮かんでいるようだ。
夢「わぁ…綺麗なワンピース」
シュナ「ふふ、夢様が着るとやっぱり様になりますね」
夢「様になる?」
シュナ「ええ。夢様だからこそそのワンピースも美しく見えるんですよ」
夢「うんん!そんなことないよ!シュナの服はどれも綺麗だもん!」
シュナ「まぁ!嬉しいです!」
リムル「そろそろいいか?時間だ」
夢「うん」
部屋を出ようとすると、シュナが抱きついてきた。
シュナ「どうか、夢様お気をつけてください。私達はいつも夢様の味方ですからね」
夢「うん。ありがとう」
そう言って、部屋を出た。
リムル「大丈夫か?夢」
夢「…うん」
リムル「逃げたくなったらいつでも逃げていいからな。」
夢「リムル、側にいてね 」
リムル「あぁ、分かった」
夢の声は震えていて、俺の手を握る夢の手はいつも以上に強く握っていた。
???「あぁ!カルミア!!やっと会えた!」
夢「カル…ミア、?」
母「私は貴方の母よ!」
父「俺はお前の父だ!!」
母「あぁ、カルミア!愛しいカルミア!」
そう言って母と名乗る者が私に触れようとする。咄嗟に目を瞑り、顔を避けようとした。すると、
リムル「触らないでもらえますか?」
と普段敬語をあまり使わないリムルが母の手を払った。
母「そ、そんな…!やっと会えた我が子なのに…!!」
父「魔王様、なぜそんな奴に目をかけるのです?私達に返して頂ければそれで…!」
リムル「俺の国に滞在している時点で守るべき市民なんだ。危害は加えさせるつもりはない。」
そんな奴…。今その人はそういった。確かみんなを連れ去って私も連れ去ろうとした人が私のことをそう呼んでいた。
この人達にとって私は、売り捌く為の道具でしかないんだな。と思った。
確かに、魔素も殆ど保有していなくてどう見ても種族は天間だ。ほぼ確定で私を産んだ人達なのだろう。でも、私は覚えている。生まれてすぐ、魔素を多く保有しているからと捨てられたことを。殺そうとしていたことを。
夢「リムル、もう戻りたい…」
この人達と話していると思い出す。あの出来事を。悲しい言葉を。
リムル「そうだな。戻ろう」
母「ちょ、ちょっと!待ってください!!」
父「そ、そうです!!私達はそいつを連れ帰りに…!!」
夢「もう、聞きたくない。」
母「ちょっと!!なんの為に産んでやったと思ってるの!!」
父「恩を仇で返すのか?!!」
夢の抑えているオーラがくらくらとまだらにはみ出てきている。感情に左右され、制御できていない。これ以上はまた暴走する。もう止めないと…
夢「私を捨てたくせに!!」
夢「殺そうって言ったくせに!!」
夢「愛なんて端からないくせに!!」
母「そ、そんな…!殺そうだなんて…!!」
父「な、なにを言って…」
夢「覚えてないとでも思ったの?!!全部覚えてる!!殺そうって!追い出そうって!誰が殺すって!話してたくせに!!」
母「そ、それは…!!」
父「なんで…」
涙が溢れてくる。感情を制御できない。
夢「はっはっ…はっ…」
リムル「夢!!落ち着け!大丈夫だから!!」
立って話していた夢を無理矢理座らせ、抑え込むように抱きしめる。
これ以上は夢が保たない。一旦部屋から出さないと…。
リムル「夢、動かすぞ」
そう言って抱っこされたまま、外に出た。
夢「怖かった…怖かったよぉ…」
泣きながら自分の部屋に戻るまでずっと怖かった、怖かったと言っていた。