「地獄だー!こんな場所に一生いるなんて!私にふさわしくないわー!」
私は島中に響く声で泣き続けた。あー、もう、こんなのおばあちゃんの家に行くより地獄じゃないの!どういうことよ!こんな何もなさそうなところで死ぬまでいるなんておかしいじゃない。
「まーまー!この島だって悪くはないと思うよ。君の世界にある食べ物より美味しい食べ物があるし、動物たちだって天才的に賢くて可愛いからね。落ち込む必要はないって!」
「アンタはそうやって楽観的に見ることができるのよ。私はね、こんな何もなさそうなところで生きたくないのよ。人の気持ちは少しでも考えなさーい!」
私はイラついて森にある土をとって思いっきりルイに投げつけた。そしたらルイは、
「わー!面白そうな遊びだね!僕もやる!」
と、言い出して私にも土を投げつけてきた。
「よくもやり返したわね!」
私はルイに泥の球をルイの服に投げつけた。それからしばらく私たちの泥玉の投げ合いが続いた。そしたら真っ白な馬と馬車が森の中から出てきて、馬車から人が飛び降りた。
「ルイ様、いつになったら城を抜け出すのはいけないことだということを理解してくださるのですか?って、泥まみれじゃないですか!そこの隣の女性も!」
わっ!貴族の人だ……でも、これは現代の世界にいるはずじゃないと思うけど……どうなってるの?
「えー、もう気づかれちゃったかー。セバスチャン、この子はエナ。なんか家のドアを開けたらこの世界に来ちゃったらしい。どうする?とりあえず城に一緒に連れて行く?」
ルイがセバスチャンと呼ばれた人にきくと、
「私はかまいませんが、陛下がどのように仰るかはわかりませんよ。」
「大丈夫だって。なぜなら、父上は僕のことを溺愛しているからね☆」
うわっ!すごい自信家ね。ルイって実はお城に住んでいる王子様だったのね。いいなーお金持は。マネーマネーマネーマネー……私、アホらしいわね。私がそんな事を考えていたらセバスチャンさんは、
「それならまぁ、いいと思いますが……エナ様。ルイ様のお父様はこの国の王なのです。くれぐれも無礼な態度をとらないよう、お気をつけくださいませ。それでは馬車にお乗りください。」
まさか、本当に貴族が存在しただなんて。私はワクワクするようなゾクゾクするような気持ちで馬車に乗ったのだった。
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