カタコトカタコトカタコトカタコト
馬と馬車の音が森の中に響く。隣ではルイがうとうとし始めて面白い光景だ。
「ルイ、起きて。多分もうすぐ着くわよ、知らないけど。」
私はそっと声をかける。
「やだよー、セバスチャンが声をかけるまで寝てるー。」
ルイは王子様のくせにこんなのーんびりしていて……大丈夫なの?
「ルイ様、エナ様。後少しで着くので馬車から降りる準備をしていてください。」
「あ、分かりました。」
ふー、なんやかんや疲れたわー。ルイったら。私の肩にもたれてスヤスヤ寝てるじゃない。起こしたほうがいいかな?私はルイをゆさぶって「ルイ、セバスチャンさんが後少しで着くって言ってるから起きて。」
「うーん、エナが僕の妃になってくれるなら起きるよー」
?!?!?!?!?!え?!寝ぼけてるの?そしたらセバスチャンさんが
「申し訳ございません。ルイ様はこの国の跡取りとなるので妃を見つけないといけないのです。その事をお父上から言い聞かされているのでエナ様におっしゃったのでしょう。さ、もう着いたのでルイ様起きてください。」
セバスチャンさんに言われたらルイは、
「はーい」
と言って馬車を降りた。私も馬車から降りて、上を見上げたら……超巨大な城があったの!すごいー!こんなの見たの前世以来だわ!
「ではついてきてください。」
セバスチャンさんにそう言われて私とルイはトコトコついていく。マーブルでできた床や柱がめっちゃ豪華!凄すぎて気絶しそう!
「ふふふ、エナがすごく興奮してるー」
「だって!こんなすごい所に住んでるなんて私知らなかったから!」
私とルイはそんな話をしながらテクテク歩いていった。その時、かんだかい悲鳴が聞こえた。
「きゃあー!!!!ない!ないわ!なくしちゃったわ!ないー!」
ないないないないない……ってうるさいなー!誰?こんな広い所でうるっさい悲鳴あげてるやつ。バッカじゃないの?普通に考えたらこんなに広い所ででっかい声あげたらうるさいに決まってるじゃない!あっ、いけないいけない。すぐ悪態ついちゃう。わるいクセが出ちゃってる。そしたら悲鳴を上げた女の人が走ってきて
「セバスチャン!ないの!私のダイヤモンドのネックレスが……!探してちょうだい!」
と、セバスチャンさんに助けを求めた。
「え?!陛下にもらったあのネックレスをですか?!あんなに大切にしていたものをなくすとは……わかりました。城中を探させます。ご安心ください。必ず見つけます。」
おわー セバスチャンさんカッコいいねー
「ええ、頼むわ。それで、この小さなレディは誰かしら?とても綺麗な顔立ちね。もしかしてルイの婚約者?!だとしたら私、嬉しすぎて気絶しちゃうわ!」
ほわっ!これがルイのお母様?めちゃ美人!ん?今私がルイの婚約者だって言った?いや、違う違う!
「あ!私ルイの婚約者じゃありません!もしかしてルイのお母様ですか?私、エナと申します。先程ダイヤモンドのネックレスをなくしたとお聞きしましたが、私もお探しいたしましょうか?」
私が思い切って言うとルイとセバスチャンさんはギョッとしたけど、ルイのお母様は目を輝かせて、
「本当に?!ありがとう〜!なんていい子なの?あー、ルイも見習ってほしいわ。じゃ、エナちゃんがそういうならお願いしてもいいかしら?」
「はい!勿論!」
そしたらルイとセバスチャンさんはさらにギョッとしたけれど、やれやれと言うような顔をして、
「僕も手伝うよ。」
「私も手伝います。」
と言って、3人でダイヤモンドのネックレス探しを始めたのだった。
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