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高校一年生 けんとside
俺はアイドルだった。
地元の高校に通いながら、お仕事も続けていた。
そんなある日。
一人で下校していると、
一人のファンから声をかけられた。
駆け出し中の僕はすごくうれしくて、
握手とサインをしてあげた。
その子もすごく喜んでくれたし、よかった。
これで、終わるはずだった。
その様子をクラスの所謂”いじめっ子”達に
目撃されてしまった。
1人ではなく、複数人に。
もともと影が薄い方だったから、
いままでそいつらのいじめの矢が
こちらを向くことはなかった。
あっちだって、
俺のことなんて気にもしていなかっただろう。
なのに。
『 アイドル気取りしやがって。お前がアイドルとかありえねぇw 』
深夜一時。
学校の人たちがたくさん使っているSNSに書き込まれていた。
俺がファンの子と握手している盗撮写真を添えて。
投稿者は、あのいじめっ子だった。
最初のうちはまだよかった。
無視。からかい。悪口の書き込み。
こんな経験は過去にもあったし、
いずれ誰も気にしなくなるだろう。
そう考え、あまり気に留めなかった。
でも、あいつらは離れなかった。
俺に矢を向け続けた。
水かけ。暴力。もの隠し。暴力。過度な悪口。暴力。
『 いつまでアイドルやってんだよおまえw 』
(殴
『 推してる方もかわいそうだなw 』
(殴
『 こんなやつ、生きてる意味あんの?笑 』
(殴
『 なんでまだ生きてんの?笑 』
毎日毎日毎日言われ続けた。
毎日毎日毎日暴力を振るわれた。
アイドルの商売道具、
ともいえる顔にまでたくさん傷をつけられた。
誰も、気が付かなかった。
いや、気が付かないふりをしていた。
まるで、生き地獄。
散々殴られた日の放課後。一人で下校していると。
ファン「 え!あれ長尾君じゃない?! 」
「 やば!サインくださいっ!! 」
やっぱり話しかけられるのはうれしい。
つい、笑顔で答えそうになる。
「 もちろ、、、、、、、、っ 」
『 いつまでアイドルやってんだよおまえw 』
『 推してる方もかわいそうだなw 』
「ぁ、、、、、、」
『 こんなやつ、生きてる意味あんの?笑 』
『 なんでまだ生きてんの?笑 』
「ぁ、ぁ、、」
ファンの子が不思議そうな目を向けてくる。
きっとこんな顔、
見せちゃダメなことはわかっていた。
でも、でも、それどころじゃなかった。
「 ぁ、、っ、ご、ごめんなさいっ、! 」
そう云い放つと俺は走って逃げてしまった。
その足は無意識に、学校の屋上へ向かう。
「 俺は、アイドルの資格はない、ただの一般人、
生きてちゃダメなんだ、 傷つけるだけなんだ、 」
俺は、ステージに立つのが怖くなった。
あんな奴らの戯言、気にしなければすんだ話。
それでも、心に引っかかって、ずっととれない。
だんだん、俺の人気は落ちていき、
ゆいいつ、心配してくれたメンバーにさえ、
合わせる顔がなかった。
「 もう、いっか、笑、」
〈 ⠀ ⠀ファンの皆様へお知らせ ⠀ ⠀〉
この度、
ながおけんとの期間無制限の活動休止をお知らせします。
本人からは、学業専念と聞いております。
応援していた皆様にはご迷惑をおかけしますが、
何卒宜しくお願い致します。
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