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うみうし@ロシアとカナダ推し
#カンヒュ
いちごマシュマロ🍓
904
かきごおり。
716
#イラスト
電波📡
286
長いよぉ〜、まあまあ重いよぉ〜、修正入るかもだよぉ〜、それでもいいなら読めよぉ〜
目を開けると、そこは、灰色一色のコンクリートの部屋だった。冗談抜きで石のようにかたいベッドを、体の下で感じた。
すっかり米帝に惨たらしいことをされているものだと思っていた僕は、自分の体がまだ自分であるこ
とに驚いた。それと同時に、ここはどこなのかがますます気になった。
ベッドのカビ臭い匂いに薄れて、外国独特の、なんとも言えない匂いがする。それに加えて、かすかな潮の匂いがした。
ここは、南韓ではないのか。
静かに身を起こす。さっきまで重かった体は、嘘のように軽くなっていた。
辺りを見回してみたが、どうやらこの部屋には、ベッド一つしかないようだった。おまけに、香も焚かれていなければ、換気扇さえない。
しかも、一番奥の壁から、かの鳴き声のごとくわずかに聞こえる蝉の声以外は、完全に無音だ。
お見事見事な、完全なる牢獄である。
状況が掴めずにいると、厚そうな鉄の扉の南京錠が、ガチッっと開いた。
「………」
この牢獄(?)へ、鍵を開けた誰かさんが近づいて来る時の、足音さえしなかったとは。この扉は、そうとうな防音効果がありそうだ。
中に入って来たのは、いっそ清々しいほどのあくどい笑みを浮かべた米帝だった。
黒いポロシャツを着ていて、どこからどう見ても、完全に私服だ。
「おはよう、坊主。よく眠れたか?」
「ここはどこだ」
米帝に声をかけられた瞬間、僕は質問をマッハで投げつけた。
「人の話を聞かないとは、生意気な野郎だ。まあいいよ、よく眠れたようだからさ」
米帝は一息ついてから、僕の質問に答えた。
「ここは、沖縄だ」
「……は?」
「お前に、どこでめんどっちいことをしてもらうかな、と思ってたんだ。そしたら、日本が沖縄を使うことを許してくれてな」
「………に、ほん?誰だ、それは……」
知らぬ名前に困惑して問うた僕に、米帝はさらりと答えた。
「日帝の跡継ぎだよ。これからのJAPANさ」
「跡継ぎ……日本…………」
「うん」
冷静になればなるほど、聞きたい質問が山ほど頭に浮かんでくる。その中で、今一番聞くべき質問が唐突に頭に浮かび、僕は大声をあげた。
「あっっっ、そうだ、弟は!?!?」
「ソ連のとこだよ。あいつが言うにゃ、上手いことやるって。信用できないけど。だって、あいつの“上手いことやる”は、“自分の配下にしてやる”と同文だもん」
「へぁ………?はい……?」
この米帝、どうやら見た目通り、思いやりというものがからっきしない。よくもまあ淡々と、僕にとって絶望的な知らせを伝えてくるものだ。
「うん。それでね?」
まだ過半数を理解できていない僕を前に、米帝はお構いなしに話しを続けた。
それどころか、米帝は、ぺたんと床に座り込んだ。ほとんど初対面のような相手を前に、どれだけ構いがないんだ。
こりゃ長話になるぞ、と、直感がそう告げた。
「日帝は負けた訳じゃん?だから、ちゃんと負けた国にするために、その存在を辱める必要があるんだよ。
それは別に借金でもいいんだけど。でも、それじゃつまらないでしょ? 日本にとって、一番よくない年だったって、ちゃんと刻み込みたいんだよ。
つまり、日帝は悪いやつだっていう印象を、皆につけるってこと」
「は……?」
「でもさぁ、日帝って、やってることは馬鹿らしかったけど、悪役になるほど悪いこともしてなかったんだよ。
住民から物奪うのも十分悪かったけど、そりゃ他の国も当たり前にやってることだったんだわ」
「………」
「だからさ、お前達植民地が、日帝を嫌ってたっていうことにして、日帝を悪役にでっちあげたいんだよ、わかる?」
それは……つまり…………
「じゃあ……僕が、日帝さんを嫌ってたってことにする、のか………?」
恐る恐るとした僕の問いに、米帝は、大空のような青い目を光らせて、軽く頷いた。
「そういうこと」
「えっ……でも、僕は、日帝さんを嫌ってなんかいないよ……?ちょ、ちょっと苦手だっただけで、嫌いではなかったよ……?日帝さんだって、今世紀たっての悪役ってわけでもなかったでしょ?」
「嫌ってなくとも、そうするの!お前はおれのコマなんだから、大人しく日帝を悪役にすりゃいいんだよ」
「ッ……………」
その時、僕の中で、凄まじくだが一瞬の葛藤があった。
『日帝さんを嫌うだなんて、嫌いだなんて、僕は思ってない、断じて言わない。米帝になんか従うもんか』という思いと、『確かに日帝さんを悪役にした方がこの先いい結果をうむだろうし、第一米帝にはむかえば、確実に殺されるだろう、米帝に従うしかない』という思いが、互いにぶつかった。
真面目に考えれば、選択肢は一つしかなかっただろう。素直に米帝に従うしかないのだ。
でも、もう僕は限界だった。 お前が許せなかったんだ。
ただ戦勝国という立場にいるだけで、敗戦国をいいように扱う。そんなやつに、従う価値があるとは、たとえ死んでも思えない。
なにより、日帝さんのことを少ししか知らぬ分際で、あたかも全てわかりきっているような口調で日帝さんを悪役に仕立てあげようとしていることに、僕は体が震えるぐらいの怒りを感じていた。
全身全霊の怒りをこめて、僕はぎゅっと拳を握りしめた。米帝のむだに整った顔が、たまらなく憎らしかった。
気にくわない。本当に気にくわない。こいつの言うことが、こいつの全てが。
お前よりかは何倍も、僕は日帝さんのことを知っているのに。
ふざけるんじゃない。
「ふざけんなよ……」
思いは全て言葉として、僕の口から溢れ出た。凄まじい怒気と悲しみを孕んで。
「僕はそんな風に思ってねぇよ!!!植民地の誰もそんなこと思ってねぇよ!!
ヨーロッパの方でどれだけナ千スさんが暴れても、お前は泳がせてたくせに!!!!なんで日帝さんだけこんな仕打ちなんだよ!!!!
そんな理のかなってない仕打ちをするために、僕達を巻き込むなよ!!!!!」
一度声を出したら、もう止まらなかった。出したくもない涙で、頬が濡れていった。
「結局はお前のしたい通りかよ!!!勝ったら、もうなんでもしていいのかよ!!!!そんな腐った野郎の分際で、僕達を解放するとか言うな!!!!!!」
部屋に、怒りに任せた僕の大声が轟く。元々掠れていた蝉の声は、もはや一ミリも聞こえなかった。
そこにあるのは、愚かに反対を叫ぶ、僕の声だけだ。
米帝は、泣き叫ぶ僕に、なにも言ってこなかった。
こんなにも訴えかけているのに、どうしてお前は、そんな哀しそうな顔をするんだ……。
「……日帝さんは、どこも悪くなかった。悪いのはお前らだろうが……なにが実験台だよ、なにがおもしろいんだよ、日帝さんは物じゃねぇよ!!
せめて、僕達には優しかったよ……あんな戦況になっても、僕達を守ってくれてたんだ……そんな奴が悪いなんて、僕は絶対言わない」
だんだんと勢いを失う、僕の声。
その声に重ねるように、米帝が口を開いた。
「お前は、なにも知らないだけさ。戦において重要なのは、負けた側に有無を言わせないことだよ。お前と日帝に、この先のことについて発言する権利はないんだ。日帝はそのことをよく知ってるよ。そして、最も重要なのは、どんな手段を使っても、目的を遂げることだ」
「嘘だ。絶対違う……違う…………」
わかっていた。もうこれ以上言っても、なににもならない。そのことが、どうしようもなく悔しくて僕は泣いた。
僕は、依然として涙を拭おうとはしなかった。拭ってしまったら、日帝さんと、弟に失礼な気がしたからだ。
「なにも知らないのはお前らの方だ!!日帝さんがどんな思いで、僕らを見ていたのか、知らねぇのに、日帝さんが悪者だなんて、証拠もなく言いやがるんだ……! 」
涙でぐちゃぐちゃになった顔を、僕は再び、米帝に向けた。涙でじわりと歪んだ視界の中で、米帝の目だけが、やけに際立って見えた。
「知ってるか……なぁ……?」
それは、戦況がますます悪化し始めたころだったか。
なんとなく体が重くて、夜まで起きられなかった日があった。真夜中になって、ようやく起き出し、何か食べるためにリビングへ行こうと、廊下に出た。
その時の廊下は、裸足の足には残酷なほど冷たく、吹き抜けの窓から吹く夜風が、僕の纏っている着物を揺らしていた。
廊下の中間に来た時、僕は思わず立ち止まった。廊下に、一つの人影があったからだ。電気がついていたので、誰かはすぐにわかった。それは日帝さんだった。
おそらく、僕達の安否や、僕達の手元にある食料が不足していないかを確認しに来たんだろう。
久しぶりだったので、僕は声をかけようと思った。でも、あることに気づいて、僕の足はピタリと止まった。
日帝さんが、泣いていたからだ。
昔からずっと、泣かないおかたい方だと思っていたので、彼が泣いていることは、とても衝撃的だった。
「……日帝さん?」
恐る恐る声をかけると、彼は流れるような仕草で、すっと涙を拭った。そして、こちらをいつものように、かたい無表情で見つめてきた。
「ああ、南韓か。最近どうだ?元気か?」
「それなりに……」
さっき見たことが信じられなくて、僕は真反対のことを、もごもごと冴えない声で言った。
「……そうか」
彼は、ちょっと安心したように、ほんの少しだけ微笑んだ。
すっと背筋を伸ばし、ゆったりと頰を緩ませるその姿は、この世のものとは思えないほどに美しかった。
とても、さっきまで泣いていた人だとは思えなかった。
(なんでだ。なんで、僕の前じゃ泣き止むんだ。泣いていればいいじゃないか。泣きたいのはどっちだよ)
その時の僕は、体調が悪かったからか、ややむきになっていた。気がつけば、普段の僕であれば心の底に留めておくようなことを、口に出して日帝さんに伝えていた。
「泣けば、いいじゃん」
「………」
僕の言葉に、日帝さんは驚いたようだった。見られていたことが、衝撃的だったらしい。
けれども、日帝さんは、泣いていたことを隠すわけでもなく、僕の目を真っ直ぐ見て、答えてくれた。
「私は、君達の前では、泣いてはいけないんだ。植民地達の方が、泣きたい気持ちでいるだろう?だから、私は泣かない。絶対に」
日帝さんの声は、穏やかだった。まるで僕の芯に語りかけるような、そんな優しい声だった。
それでも、言葉は、きっぱりとした言葉だった。
胸が、ぎゅっと苦しくなった。日帝さんの思いを、その時初めて知った。
寂しくて、悲しくて、どうしようもなかったのは、植民地だけじゃなかった。
日帝さんは、どれだけ疲れても、どれだけ絶望に陥っても、僕らに変わらずその顔を見せ、内側の気持ちを出さないように堪えていたんだろう。
僕達植民地の気持ちを、よく理解していたから。
日帝さんは、よい結果を探しているんだ。敵を前に、闇雲に戦っているような、そんな国じゃない。
奥を探りつつ、探りつつ、進んでいるんだ。
日帝さんは優しいんだ。本当は。本当は、優しかったんだ。それを掻き消す何かが、日帝さんを支配しているだけなんだ。
日帝さんの中の何かが弾けて、勝てるはずもない戦いを繰り返すようになっても、日帝さんが植民地達に、僕に涙を見せることは、絶対になかった。
「僕は知ってたんだ……僕が知ってた。なのに、僕は日帝さんを嫌わなくちゃいけないの……?」
「受け入れろ。そうしなきゃ、先には進めないんだから」
米帝の声が、部屋の壁に反響して、やがて掠れていく。
ぐっと、僕はしょっぱい唾を飲みこんだ。
どこかの誰かさんが、もしも植民地側にいたのなら、今の僕の状況にいたのならば、あの淡々とした声と顔で、きっぱりと断ったかもしれない。でも、僕は、そんな英雄みたいな奴にはなれないんだ。
そのまま、断っていればいいものを。僕は、受け入れた。もう、諦めてしまったのだ。
「わかったよ……。僕は、日帝さんが嫌いだ。大嫌い。そういうことにしておきたいなら、勝手にしておけよ」
この僕に、断るなんて勇気があったと思うか。
それが、ただ一つの言い訳だった。
「それでいいんだ」
米帝は、噛み締めるように言った。彼は、なぜか悲しそうな顔をしていた。
しかし、もう終わった話だと言うように、彼はすぐに話題を変えた。
そして、こう、高らかに宣言しやがったのだった。
「で、おれはお前を、日本から解放しようと思ってるんだ。朝鮮半島兄弟両方ともだよ」
「日本から、朝鮮半島を………」
「ああ、いい考えだろう?」
「ん……?
朝鮮半島を……?」
「在日朝鮮人も、解放してやろうと思ってる」
「は……?それじゃ……それじゃ……………」
スゥゥゥゥッッッ……ノベルって、何文字以上なら長い判定なんだ………???????
これは長い方なのか……?????????
はい解説どうぞ↓説明が不十分かもしれませんよ
アメリカが、植民地に日本を悪く思わせようとしたのは事実です。日本を悪役にしたかったので。
この話の中で、 南韓が、日帝を嫌うことを受け入れたのは、史実から、南韓の中で、元々日本のことを嫌っていたグループが多数あったからです。
日帝が泣いていた場面は、日本の戦争のことをなんか色々やってる部が、戦が上手くて学がある人を切り捨てる前の話です。なので、まだ日帝さんは賢いです。この後、馬鹿になっちゃいますが。
朝鮮解放の話については、ちょっと複雑でして。
朝鮮は日本の併合して「日本」という国になってい たのですが、そこから解放するにあたって朝鮮半島を日本から切り離すことになりました。でも、朝鮮半島は戦時中日本という国だったので、戦後の朝鮮半島にはまだ国がないことになってたんですね?
そうなると、日本国籍外された朝鮮人の居場所がどこにもないんです。国籍なくなったし。祖国ないし。日本人でも、他のどこの国の人でもなくなったんです。
そうしたら、在日朝鮮人とかは特に、違法在住民になるじゃないですか。で、たとえ違法在住民だとしても、国がないので帰る場所もないんですよ。
そこで、私の祖父母もすごい苦労したらしいです。行き場がどこにもなくて。
ちなみに台湾だったか、他のいくつかの植民地もこれされて、一度国籍なくなってます。
↑なんか読みにくくなっちゃった。
参考文献は一話参照です。
コメント
4件
なんか…言葉がすごかった… 語彙力なくてスミマセン めちゃめちゃいい作品ですね!!物語にひきこまれてしまいました!!!!よい作品を書いてくれてありがとうございます!!!!
おおわらいさん、第2話読ませていただきました。 米帝の「お前はなにも知らないだけさ」という台詞に、ゾッとしつつも胸が痛みました。何より、日帝さんが植民地の前で泣かないと決めていた場面……あの優しさと孤独が切なくて、思わず目頭が熱くなりました。主人公が「知ってたんだ」と訴えるラスト、どう決着するのか気になります。続きを楽しみにしています🌷