💙翔太side
控え室で涼太と二人になった。
俺は最近眠れぬ夜が続いていて、その日も睡眠時間は二時間取れたか取れないか。
涼太が温かいコーヒーを持って来て隣りに座った。
❤️はい。飲みな
💙サンキュー
苦い味が口に広がる。
でも温かさに気持ちがほっとする。
💙あーーー落ち着く
❤️じいさんか(笑)
💙うるせえ
涼太の隣りにいる時は構えなくていいから楽だ。
俺たちは昔からの付き合いだし、気を遣う必要が全くない。メンバーみんなとも最近はしっくりいって、涼太と同じくらい親密になれたと思っていたのに。
あれ?
なんで俺、めめのこと考えてんだ?
あんなことをされてから、俺はめめと意識的に距離を取っていた。
めめは謝罪するでもなく、言い訳をするでもなく、顔を合わせても特に何も変わらない日々が続いている。
変わったことと言えば、他愛のないことでもよく連絡を取っていたのに、それが全くなくなったことくらい。
俺はめめを許すつもりはない。
あんなことをしておいてと腹が立っていたからだ。
❤️俺さ、昔、翔太のことが好きだったのね?
危うくコーヒーを吹くところだった。
💙おま…なにいきなり
❤️翔太可愛いからさあ、俺のものにならないかなーなんてずっと思ってた
💙やめろよ気持ち悪い
❤️……そう言われると思って、言えなかった
涼太の目が真剣だった。
俺は言葉選びを間違えてしまったことに気づいて、でも何も言えなくて黙った。
❤️子供の頃から好きだった。好きな人できたふりして誤魔化したりしたけど
💙………
❤️翔太はさ、俺たちみたいな人間のこと知ってる?
💙知っては…いる
テレビとかで見るあれだろ?
あ、同じ芸能人でもいるな…誰だっけ?
俺は回らない頭で考えたけど、結局いい例を思い出せなくて諦めた。
❤️そっか。まあ、近くにもそういう人間は意外といるってこと
💙涼太……
❤️じゃ、俺、もう帰るね
💙………
涼太はそう言うと、控え室を出て行ってしまった。
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