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「碧海ー、学校行くぞ!いい加減起きろよ!」
「…あと、五分…」
「今起きないと、置いてくからな」
俺と碧海の最初の関わりは、寮部屋が同じところからだった。
初めは、『静かな感じだな』と思っていたが、話してみると案外面白く、反りがあったのだろう。
そこから三年間、新しい友達が出来たこともあったが、ずっと一緒に居るのは碧海だけだった。
碧海は唯一無二の親友、そう思っている。
けれど、碧海は俺に深くまで教えてくれないし、知られて欲しくないように見える。俺も、碧海に行ってないことが山程あるし、知られたくない。
俺達にはその距離感が合っているのかもしれないが、俺は碧海のことをもっと知りたいと思う。
いつか教えてくれるといいな、と毎日考えている。
あの日も、そんなことを考えていたと思う。
ある日の学校の休憩時間。
碧海と話していたら、急に碧海のスマホの着信が鳴った。
着信内容を見た瞬間の碧海の顔は、酷く焦っているように見えた。
碧海は、クラスを飛び出して走り出した。
これは、追いかけないといけない、そう思い必死に追いかけた。