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いつもの朝。
裕介を見送り家事を済ませ、美奈子は近所のスーパーで買い物を終えるとポストを開いた。
「あ、真知子と岡崎君の招待状が届いた」
友人の真知子と岡崎の結婚披露宴の招待状だった。
真知子と岡崎は、美奈子の小学生の時からの古い友人で、美奈子の結婚式にも真知子は来てくれていた。
やっと岡崎君と結婚するんだね。
くっついたり別れたりを繰り返してたけど。
良かったね、真知子。
友人の幸せな知らせに、美奈子も久しぶりに心が温まる。
「今日ね、真知子から披露宴の招待状が届いたの」
夕食の席で美奈子は裕介に伝えた。
「あー、小学校の時からの友達だったよね。結婚するって言ってたね」
美奈子の嬉しそうな顔に裕介も笑顔になる。
「新しい洋服、買ったらまずい?」
「良いよ。買いなよ。でもあまり目立つような洋服はやめろよ。美奈子は美人だから新郎側の男にジロジロ見られるの嫌だから」
クスクス笑いながら言う裕介。
「もうッ!大丈夫だもん!」
楽しい夕食の会話。冗談でも嫉妬してくれて美人だと褒めてくれる裕介。
十分幸せだと思っても、美奈子の中に納得できないことがどうしてもある。
毎晩遅い夕飯。
お風呂から上がれば裕介はすぐに寝てしまう。
満たされない夜を過ごす辛さ。
美奈子は笑顔の裏で、今夜も枕に涙を落とすのだった。