テラーノベル
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「と、と…!」
勉強をひと休憩し、今は…。
「がんばれー魁ちゃん」
「がんばれ!行ける!」
「と、とうま!サン」
呼び捨てにする練習をしています。
「呼び捨てって難しいですね」
「あー、ほら敬語」
「あっ…」
「まぁ、タメ口にするのは後でにして、呼び捨てだけでも早めにできたほうがいいよね」
悠磨が片付けをしながら言う。ちなみに悠磨の呼び捨てはクリア済みだ。
「てかさー、なんで俺だけさん付け取れないわけ?悠磨はすぐ取れたのに」
「なんででしょうね…?」
「柊磨怖いもん。仕方ないよねー」
悠磨が私の頭を撫でてくる。最近悠磨は私の頭をよく撫でる。兄だからということが関係しているらしい。
「いずれ呼び捨てにします」
「いずれって10年後とか言わないよな」
「あは」
「あはって言ったよコイツ」
「まぁまぁ、遊んだりしていれば自然と敬語もさん付けも取れるって 」
「柊磨さん、これが大人の余裕って言うやつですよ」
「俺も大人なんだよ」
最近、こういう軽い会話ができるようになってきた。ちなみにツッコミ役は柊磨さんだ。
「午後は買い物行くけど、魁ちゃんも行く?」
「あー…いや、いいです」
「そう?なら柊磨付き合って」
「は?ダル」
「1人だと重いんだよ」
「お前鍛えてるだろ」
初耳。悠磨ってスラッとしてて細身だから筋肉はあまりついてないと思っていた。どちらかと言うと柊磨さんの方が筋肉質だろうに。
「じゃいってきまーす」
結局1人で買い物に行った。
「よし、悠磨が帰ってくる前に魁ちゃんに呼び捨てにしてもらおう」
「…あの、なんで私のこと魁ちゃんって呼ぶんですか」
「え?」
「普通呼び捨てにすると思ってました」
本当にそう思っていた。こういう怖い人は呼び捨てか苗字で呼ぶものだと。でも、この人たちはずっと魁ちゃんと呼ぶ。 悠磨は何となくわかる。女の子のことはさん付けかちゃん付けで呼びそうだ。
でも、いかにもヤンキーみたいな柊磨さんがちゃん付けをするとは思わなかった。見た目で判断してはいけないが、これについては例外だ。
「俺、女子とあんま喋ったことないからさ、とりあえず悠磨の真似してるだけだ」
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