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【Day 1】
空港の喧騒の中で、俺は、
スーツケースの中に詰めきれなかった“ちいさな何か”が気になっていた。
(あ、歯ブラシ忘れたかも)
……とかじゃなくて。
ほんの数時間前まで、
「うるさい」「バカじゃん」「それはない」って言ってた3人の顔が
なんかちょっと、うしろ髪を引いてくる。
ニノさんと旅行とか、そりゃ夢みたいな話で。
エンタメとしてもエモすぎる体験で。
それでも、飛行機の座席に座って一息ついた瞬間、
俺はひとりで思ったんだよね。
——あ、俺、いま完全に“あっち側”だ。
あの家の、あの空気の、
あの意味不明な会話とか、深夜のBGMみたいな寝言とか、
なくなるとやけに静かなんだなって。
【Day 3】
ニノさんと露天風呂に浸かりながら、
「最近どう?」なんてラフに聞かれて、
なんかうっかり言いそうになったんだよ。
「いやー、シェアハウスの3人がさ……」って。
言わなかったけどね。
でも頭の中には浮かんでた。くっきり。
・変な寝言を言い出す滉斗
・ケチャップとマヨネーズでアート作品作り出す涼架
・それを“なんでそうなるの?”って顔で見てる〇〇
……どっちが旅なんだかわかんないくらい、
あいつらのことばっか思い出してんの、
ほんと、悔しいけど、愛おしいよね。
【Day 5】
夜、宿の部屋でひとり。
テレビをつけたけど、誰もツッコんでくれない。
「なにそれ!」って声も、「うるさいんだけど」って小言も、ない。
静か。めちゃくちゃ静か。
なんなら自分の寝言がこわい。
だって返事、返ってこないから。
ふと思った。
俺の“うるさい”ってさ、たぶん誰かがいて成立してたんだなって。
聞いてくれる人がいて、
笑ってくれる人がいて、
スルーしてくれる人がいて、
それでやっと、成り立つ“俺の音”だったんだなって。
【Day 7・夜】
もう明日帰るんだって思ったら、
なぜかそわそわして眠れなかった。
ニノさんが、寝る前にポツッと言った。
「元貴って、恵まれてるよね」
その言葉が、ずっと頭に残ってる。
たぶん、あの3人の顔が浮かんでたからだ。
もしかしたら、向こうでも
「もっくんいないと静かだね」とか
「早く帰ってこないかな」とか
言ってくれてたり……するのかもしれない、って。
……あーもう、そういうこと考えるの、ダサいな俺。
でもまあ、なんていうか。
“うるさい”って、愛なんだな。
【Day 8・帰宅】
玄関を開けた瞬間、空気が変わった。
「ただいま〜〜〜〜!!!」
って叫んだのは、うるさくしたかったわけじゃない。
ただ、自分が帰ってきたってことを、ちゃんと届けたかっただけ。
リビングでこっちを振り返る3人の顔を見た瞬間、
全部報われた気がした。
〇〇が「おかえり!」って笑って、
涼架が「旅行どうだった?」って聞いて、
滉斗が「ババ抜きしたの??」ってニヤついてて、
もう、なにもいらなかった。
心の中
俺がいない間、
あの家はたぶんちょっとだけ静かで、
でもその静けさを、あの3人がちゃんと守ってくれてたんだろうなって思う。
帰ってきて、
みんなの声を聞いて、
自分の“うるささ”が“居場所”だったってこと、ちゃんとわかった。
……またうるさくするね。
ちゃんと、君たちの中で鳴り響く“音”になりたいから。
——次は、4人で旅しよう。
今度は、誰も欠けずに。
んーーーー
んーーーーーーーーーーーー
なんかびみょー
まあとりあえずこれで!
どうかな?
リクエストしてね〜