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「だから、近寄ってくんな。本探せないだろ」
「俺、星埜とくっついてた~い」
「うわ、鬱陶しい。最悪だ」
その後も、朔蒔の妨害のせいで目当ての本が探せずにいて俺の怒りはたまっていく一方だった。何でこうも、それも男に構っていられるのかと尋ねたいぐらいに。
(ああ、何だっけ、運命とか何とか言ってたな)
いや、俺にとってお前は運命じゃないし。と俺は朔蒔を全否定しつつ、朔蒔の言葉を思い出した。
朔蒔は何度か口にしていた。運命だと。
そんなもん信じてねえし、俺には関係ない。と、言いきれたらどんなに良かっただろうか。
(引っかかる部分もある。でも、フィクションじゃあるまいしそんな、運命の赤い糸なんて見えないだろうし、運命なんて幾らでも口に出来る)
その言葉をあえてチョイスしているのはどういう意図があってか。いいや、こいつに意図とかそういうのは無いと思う。バカそうだし。
そんなふうに朔蒔のことを馬鹿にしていれば、スルッと何かが服の中に侵入した。
「ひぁっ」
「おっ、良い声」
「お前……また」
「またって、期待してる?」
「なわけ……んんッ!」
今度は直に乳首を摘ままれてしまい、思わず変な声が出てしまった。
慌てて口を塞ぐがもう遅い。朔蒔はニヤリと笑って、俺の耳元で囁いた。
「可愛い、星埜」
そう言われてしまえば、俺の体は熱を持ち始める。
(あり得ないだろ、何処で盛ってんだ!)
初めから、本当に何処でも盛るな……(いや、と言ってもまだ二回目だし、というか二回目なんて無いと思っていたのに)、発情した猿かよ、と思いつつ、俺は足で朔蒔を蹴って反抗する。だが、そんなの犬に噛まれた程度にしか思っていないようで、朔蒔の行動はエスカレートしていく。
「あ、こら、止めろ。ここ図書館だぞ」
「大丈夫だって。司書さんいないし」
「そういう問題じゃねえよ。バカ、やめろ!最悪だ」
俺は抵抗するが、力では敵わない。朔蒔は、俺の胸を揉みながら、片方の手はズボンの中に入ってくる。
(ああ、くそ、気持ち悪い)
朔蒔が俺の尻を撫でまわし始めたところで、これは不味いとさらに抵抗を試みたが、結果は予想通り。
「心配しなくても大丈夫だって。ウブで優等生な星埜の為にちゃんと張り紙して施錠してあっから」
「んな、問題ねえって。つか、さっきガチャって音したの、それか」
朔蒔は初めからこれを狙っていたんだろう。二人きりになる機会を。
「つことで、ここには俺とお前の二人きり。やることは分かってんだろ?」
「嫌だ、認めない……やりたくない」
「あーあー、無駄な抵抗。黙って俺に食われろって」
俺は必死に抵抗するが、それも虚しく、朔蒔によって机に押し倒されてしまった。
「ほーら、諦めなって」
「ふざけんな、誰がお前なんかに」
「だから言ったじゃん、俺。抵抗されると燃えるって」
「んぁッ!」
ぐりっと、朔蒔は俺の股間を膝で刺激してきた。その瞬間、びりっとした感覚に襲われ、俺は体を震わせた。そしてそのまま朔蒔は俺のベルトを外し、パンツごとずらす。
そして、勃起したそれを露わにすると、朔蒔は嬉しそうな表情を浮かべた。
「あれ、星埜。もしかして感じてんの? あんなに、嫌々いっておいて?」
「違う……そんなわけ……ねぇだろ……ばか」
「嘘つけ、こんなにビンビンにさせておいて。ま、いいや。俺が可愛がってやるし」
そういって朔蒔は俺のものを掴むと、上下に擦ってきた。
自分でするよりもずっと強い快感に俺は抗うことが出来ない。
それに、朔蒔が俺のものを触っているという視覚的な興奮も手伝って、俺のものはどんどん硬度を増していく。
「クソ、本当にやめろ……」
「学校だから? 図書室だから」
「両方だし、どこでも……いやだ……あぁッ!」
喋っていた最中に突然朔蒔は強く握ってきて、思わず喘いで達してしまう。
肩で息をしながら、ぐったりする俺を支えている朔蒔を見れば、ああもう、これは逃げられないなと本能で察してしまう。
「星埜か~わい~」
「……さく……ま」
きっと、俺、今凄く情けない顔してるんだろうな、と思いながら俺は逃げることが出来なかった。目の前の獣から。
「あ、ああんっ、ふぅっ、んっ」
「すっげえ、エロい声。もっと聞かせろよ♥」
「や、だっ、ああ、ひゃっ、やめっ」
それから、本番までどんな風だったかは覚えていない。ずるずるといって、知らないうちに突っ込まれていて。
朔蒔は容赦なく腰を打ち付けてくる。パンッと肌がぶつかり合う音が響く度に、朔蒔のものが中に入っているのだと実感させられる。それが恥ずかしくて、でも気持ち良くて。
俺は声を抑えることなんて出来ずにただひたすらに快楽を受け入れるだけだった。
「さきゅ……ま」
「俺、朔蒔だからな? 星埜♥ 呂律まわってないのかわい~な♥」
「んぇ?」
何で名前を呼んでしまったのか分からない。無意識に口から零れてしまった。
朔蒔が何かを言っている気がするが、上手く聞き取れない。
俺は、可愛くない。そこだけ、否定したかった。だが、次の瞬間にはそんな考え霧散する。
「ひぐうぅっ!」
急に、朔蒔が奥を突いてきたからだ。
あまりの衝撃に一瞬意識が飛びそうになる。
「はは、可愛い♥ 星埜可愛いぞ♥」
「かわいぐない……おれ、がわいぐないからあぁ……ッ!」
可愛い可愛いと言われても全然嬉しくなかった。寧ろ悔しいくらいで。
だけど、その言葉とは裏腹に体は正直に反応してしまう。
朔蒔が突くたびに、俺の体は跳ね上がり、まるで喜んで受け入れてしまっているみたいだ。
本当は、気持ち良いと叫びたいけど、そんなのなけなしの、ほんとちっぽけなプライドが許さなかった。というか言いたくないって考えられる思考が残っていた。
「早くぶっ飛んじまえって」
「やだぁあ……ああッ!」
ラストスパートをかけてきた朔蒔に、俺の理性はあっさりと崩壊した。
今まで以上に激しく打ち付けられ、俺は呆気なく達してしまったのだ。
そして、朔蒔も俺の中で射精した。熱いものが注がれていく感覚に俺は身震いした。
「あ……はぁ……」
「ほんと最高、星埜だーいすき♥」
そんなバカな、でもすっごく幸せそうな顔で朔蒔が言っているのだけ、霞む視界でしっかりと捉えることが出来た。