ゆっくりとした呼吸を繰り返すうち、ぼやけていた視界が、徐々にはっきりとしてくる。
目の前にいるのは、泣きそうな顔でこちらを見ているめめ。隣には、優しく微笑む阿部ちゃん。
その後ろには、言葉を失って立ち尽くす、他のメンバーたちの姿。
悪夢じゃ、ない。ここは、テレビ局の楽屋で、目の前にいるのは、大好きな仲間たちだ。
🧡め、め…?あべちゃ…
自分の声が、ひどくか細く震えている。その声を聞いた瞬間、張り詰めていた楽屋の空気が、ふっと緩んだ。
🩷康二…!
🤍よかった…意識戻った…
佐久間やラウールの安堵したような声が聞こえる。その声に、康二は自分がどれだけ心配をかけたのかを思い知らされた。
🧡ごめんなさ…迷惑、かけて…
💜迷惑じゃない
康二の言葉を遮ったのは、深澤だった。彼はしゃがみ込むと、康二の視線に合わせて、諭すように言った。
💜康二が戻ってきてくれて、俺たち、めちゃくちゃ嬉しいんだよ?
💜だから、迷惑だなんて思わないで
🧡…ごめん…
💜んーん、もう謝らないの
深澤が優しく康二の頭を撫でる。
その温かい感触に、涙がこぼれそうになるのを必死にこらえた。
しばらく、誰も何も言わない時間が流れた。康二が完全に落ち着くのを、みんな待ってくれているのだ。その沈黙が、今は心地よかった。
やがて、宮舘が静かに、そして慎重に口を開いた。
❤️…ねぇ、康二。もし、よかったらでいいんだけど…
その場の全員が、息を呑む。
❤️誰にやられたか、教えてくれないかな…?
さっき…『殴られた』って言ってたよね…?
その言葉は、引き金だった。
🧡―――っ!!
『殴る』という単語が、Aの顔と暴力的な記憶を、鮮明にフラッシュバックさせる。机を蹴り上げる音。腹を抉る痛み。首筋に当てられた、カッターの冷たい感触。
🧡ひっ…!ぁ…、は…っ!
せっかく落ち着きかけた呼吸が、再び乱れ始める。まずい、また戻ってしまう―――。
そう思った瞬間、大きな手が 康二の背中を力強く、しかし優しくさすった。
💛康二、大丈夫だ。俺たちを見ろ
岩本の、低く、静かな、揺るぎない声。
その声には、有無を言わさぬ安心感があった。
💛ゆっくり息を吐け。…そうだ。大丈夫。俺たちがついてる。もうお前は一人じゃない
リーダーのその言葉と、背中から伝わる温もりが、再びパニックの闇に引きずり込まれそうになっていた康二の心を、ぐっと力強く掴んで離さなかった。
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みんな暖かくてこっちまで心が温かくなる!! 続き楽しみにしてます!!
文章一つ一つすごい泣けます🥹 いつも次が待ち遠しいです。 19話目も楽しみにしてます☺️🙇🏻♀️