⚠️キャラ崩壊しかしてない。「とある酒の場での噺」の続きです。
長々と続いてしまってすみません。
第9話 とある密室での噺 パート1
「6人で…はい、フリータイムでお願いします。」
暫く待っていると心音が受付から戻ってきて
「お待たせ、2階だってー。」 と言う。
「おっけー。」「ん、ありがと。」「俺ドリンク持ってくわ。」「らいと、頼んだぁー。」
なんて皆いつも通りの会話をしているが、俺は相変わらず二人に捕まえられたまま移動する。
部屋に入るとそのまま座らされた。めるみかによる両腕ガッチリホールドで動けそうにない。
向かい側に座ってテキパキと俺達の荷物をまとめる心音とらぴす。
らいとがドアを蹴り開けて「待たせたなぁー!」と元気よく入ってきた。
飲み物もセッティングされ、静まる部屋。心音が重々しく口を開いた。
「…じゃ、話し合おうか。」 瞬間、皆が一斉に俺を見る。
沈黙ーーー。
「………え、何を?」と答えると、全員にため息をつかれた。え、本当に何?
呆れたようにらいとが「ロゼさ、先刻さとみくんにキスされたっちゃろ?」とこちらを見てくる。
「あー、…そうだね?」
と答えつつ、先程のキスを思い出して若干恥ずかしくなっていると
恐る恐るみかちゃんに「ロゼはさ、さとみくんの事好きなの?」と尋ねられた。
固唾を飲んで俺の答えを待つ皆。
「そりゃ、尊敬してるし好きだよ?」正直に答えるが
「っそうじゃなくて!Loveなのかって事!!」ともどかしげにみかちゃんが叫ぶ。
「へっ???いや、別に…?」 と言うと、揃って安堵のため息をつく皆。
「尚更さとみくん駄目じゃん…」とめるちゃんがぼそりと呟いた。
みかちゃんに恨みがましく
「じゃあ、なんでさとみくんにはキス許したの?俺にはさせてくれなかったのに…」と睨まれたので
すかさず
「いや、別に許した訳じゃないが?てか、誤解しないでほしいんだけど
みかちゃんとのキス、嫌だったとかじゃないよ?」と答えるとピシリと部屋の空気が凍る。
あれ、俺何かミスった?
「え!?!?!?じゃあ、今キスしてもいいって事???」
らんらんに目を輝かせたみかちゃんが顔をぐいと近づけてくるのを素早く回避する。
苦笑しつつ「嫌じゃないだけだよ!?それに、俺としても嬉しくないでしょ…」と言うと
固まっていた皆が「「「「「はぁ?」」」」」と声を揃えて間抜けな顔をするので、
困惑しつつ「だって俺、男だよ?」と当たり前の事を言う。
「「「「「………。」」」」」 皆が暫くアイコンタクトを交わした後、
らいとが「一旦、ターイム!!!」 と手でT字を作りながら叫ぶ。
すっくと立ち上がった皆が部屋の外に出て行き、パタリとドアが閉まった。
一人取り残されたので、ひとまずコーラを飲む。「うま…。」
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「で、どうするよ?」らいとが早々に切り出すと
みかさが「うーん、もう言っちゃう?狙われてるよーって。」と提案した。
「でもなぁ、ロゼの事だから色々意識しちゃうよな…。」とらぴすが苦々しい顔で言い、
「「「「確かに……!」」」」と声が揃った。
今までじっと黙っていたメルトが「でも…俺達のロゼを先輩達に取られたくないよね?」と口を開き、
「「「「それはそう。」」」」再び声が揃う。
全員が熟考し、暫し沈黙していると心音が提案する。
「…じゃあさ、俺らが自分の想いを告白するのは?」
「「「「……あり!!」」」」
「今後それぞれ自分のタイミングで告白してって、徐々に危機感募らせよ?」
「「「「了解!」」」」
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数分後、再びドアが開いてぞろぞろと皆が先程の位置に戻る。
全員お互いの顔を伺いつつ、誰も話そうとしなかったが
突然みかちゃんがそっと俺の両手を握り、徐に口を開いた。
「あのさ、ロゼ。
さっき自分とキスしても嬉しくないでしょって言ってたけど、そんなことないよ?」
「え?それって…」と言葉を紡ごうとするも突如、唇を何かに塞がれる。
至近距離にはみかちゃんの顔。そして唇には柔らかい何かが触れている。つまりーーー
「〜!?!?!?!?」キスされているとわかった瞬間、頭が真っ白になる。
「「「「みかさ!?!?!?!?」」」」 と皆が驚きの声を上げているのが聞こえた。
慌てて押し除けようとするも、両手を握られているので動けない。
「早く退いて!」とばかりに軽く睨むも、ソファーにゆっくりと押し倒される。
驚いて思わず目を見開くと、ようやく唇を離したみかちゃんがこちらを見下ろしていた。
その獲物を見るような目に、ぞくりと背筋が凍る。
「俺は、男としてロゼの事が好き。キスとか、そういうこともしたいって思ってる。」
「へ…?」 うまく理解できない。
今、何と言われた?みかちゃんが男として俺の事が好き?
つまり、俺に恋愛感情があるって事?
ぐるぐると考えていると、ふわりと頭を撫でられ
「返事はまた今度で良いから。」と優しく言われる。何だこのイケメン。
みかちゃんの眼差しに耐えきれず、目を逸らしながらもこくこくと頷く。
告白された。初めての経験に戸惑いつつも押し倒されている体制が恥ずかしい。
赤くなっているであろう顔に汗がぶわりと滲み出る。
と、ずんずん近づいてきたらぴすがひょいと俺の上に居たみかちゃんを持ち上げて
部屋の外へと連行していった。あれ、何だか既視感……。
「ロゼ、大丈夫と?」心配そうに声をかけられ、らいとに起こしてもらう。
「うん、ちょっとびっくりしてるけど大丈夫。」
「そっか…」らいとは暫く何かを考えた後、覚悟を決めたような顔で俺を見つめる。
「ロゼ、立て続けでごめんっちゃけど、俺も言わせて?」
腕を掴まれ、ぐっと引き寄せられて距離が縮まった。
「え、なに…」と抗議の声をあげるも、相棒のいつになく真剣な表情を見て押し黙る。
「俺も、お前ん事が好きっちゃよ。」
その言葉を聞いて、息が止まった気がした。
ーーーーーつづく。
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