アブノーマリティ。
それは、人では無い生き物。
それは、人を殺すような生き物。
神代類は、そんなアブノーマリティを、操れる。
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とあるいつもの朝。平和な日。
「……はぁ、今日も寝れなかった…」
時々脱走するアブノーマリティは、ロボトミーコーポレーションという会社の警備を掻い潜り、脱走してくることが稀にある。
そのため、緊急で類が出動しなければいけないということが多発してしまう。
アブノーマリティを操るのは簡単では無い。
だからこそ、時間が掛かるのだ。
「類、また寝なかったのか?」
「まぁ、ね。」
「はぁ……お前のことだ。まーたいい演出案が思い付いたとか言って寝ていないんだろう!!」
「まぁ、そんな所さ」
アブノーマリティについて一般市民に知らせてはならない。
そんなロボトミーコーポレーションからの指令を守るため、神代類は今日も嘘を付く。
だが、それは無意味だったようで。
「っ、あれは……、」
『緊急任務』と称され、会社からメールが送られてくる。
「……」
黙って類は管理人へ通話を繋ぐ。
「る、類……あれ、って……?」
周りもざわざわと騒がしくなる。そんな中類は冷静に言う。
「司くん、出来るだけ学校生徒を遠くまで逃がしてくれ」
「は!?類は……!」
まぁ、当たり前の反応だ。友達がこれから何をするのか、何も知らないのだから。
「こちら神代類。目の前に標的を確認。学校生徒を逃がせました。」
『分かった。今回は危険度ALEPH。「規制済み」だ。こちらでは手に負えずすまない。』
「いえ、すぐ処理します。」
「る、い、?何を、」
「いいから司くんはみんなを逃がして。早く!!」
「わ、分かった!類も、類も絶対!来るんだぞ!?」
「分かっているよ。」
危険度はALEPH。一番に危険……だから、早く対処しなければならない。
でも操るには30分程度必要だ。
はぁ、なんてことをしでかしてくれたんだ!!まだもう1つ下のWOWなら良かったもののなんでALEPHを逃がすんだよ!!!
「はぁ、討伐の方が速いな……」
ドローンから飛んできたアブノーマリティから作った武器。かなり強い物だ。
「今から討伐を開始します。」
『健闘を祈るよ。』
その「規制済み」は既に最終形態、人型へと進化しており、傷もそれなりには負っている。これならすぐ終わるな……と思いながら、それは攻撃をしてきた。
「はぁ、校庭が抉れるのは困るなぁ、」
即座に武器を拾い、それの攻撃を受ける。
「ッ、やっぱり重いね、」
さすがに僕では無理だろうか、と思いながらも、それの背後へ周り、傷を付ける。
そこから数分、「規制済み」は討伐された。
「はぁ……司くんに連絡っと、」
既に50件ほど来ていたメールを『もう大丈夫。帰ってきていいよ』と返す。
そこからまた数分待つと、えむ、寧々、杏、彰人、冬弥、そしてみんなを連れてきたであろう司が駆け寄ってきた。他の生徒はその人たちに関わりたくないのか、家に帰ったみたいだ。
「……少し痛むな、」
「類ーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!」
「るいくーーーん!!!!!!!」
「司くん、えむくん、声が大きいよ、」
「神代先輩が血まみれになってるのに落ち着いて居られるか馬鹿!!!」
「先輩は俺達の大事な先輩なんです!!」
「……ふふ、大丈夫だよ」
「大丈夫な訳あるか!!!」
あぁ、僕、愛されてるんだな、と少し実感した、その後に、
「大丈夫だってば、だってこれ、だいたい返り血だし」
「む、確かにあの化け物が倒れている……?」
「………」
類はチッ、と舌打ちをした後、その「規制済み」に目をやる
「はぁ、どうやら殺りきれていなかったみたいだ、 」
「は?それってどういう______」
『それ』は起き上がり、襲いかかってくる。
「ッ、危ない!!!」
類が全員を庇う。
そこから…類は、意識を失ってしまった。
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩♡100
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