コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
昼休憩が終わり、悪鬼退治の参加者達がグラウンドに集まった。
観客達は例年通りポップコーンを投げな
彼らを応援した。
【歓声と怒号の入り交じった声、声、声】
「ロカ•バッティング!!!(ロカを追放せよ!!!)
ロカ•バッティング!!!(ロカの暴虐を許すな!!!)」
ある者達は叫びながらグラウンドにポップコーンを投げた。
「ロカ先生ー!!!がんばれー!!!じゃんねなんかに負けないでー!!!」
またある者達はロカ先生を応援するために
ポップコーンを投げた。
「よーしお前らー、そろそろ影踏先生の
《ハイドアンドシーク》で観戦用の異空間に
いくぞー。」
平凡なる教師切名旅行は大きく手を降りながら生徒達にそう言った。
「《ハイドアンドシーク》。」
影踏先生が気だるげにそう言うと観戦する
生徒達は影の異空間へと移送された。
【影の異空間によって作られた映画館のような観戦ルームにて】
影踏先生の《ハイドアンドシーク》により作られた影の異空間は観戦する生徒及び親や
一般市民達が全員入れるほどの広い空間だった。
空間には影によって席が作られ部屋の一番前にはとてつもなく大きいスクリーンがあり、そこに悪鬼退治に参加する選手達が映されていた。
「…..よし、全員いるなー。いない奴は手をあげろよー。…..おし、大丈夫か。お前らー
なるべく大人しく観戦しろよー。後トイレに行きたい奴はあそこの非常口が外につながってるからそこから出ることー。いいなー。」
影踏先生は気だるげに言った。
(転々……あの妹は昔から無茶するからなぁ …….変なことしでかさなきゃいいけど……。)
独絵三十九秒はそんなことを考えながら
英単語帳を読みつつチラチラとスクリーンの転々を見ていた。
「どっちのチームが勝つか賭けてみる?組子ちゃん。」
千代子令子がにやっと笑ってチョコ味のポップコーンを食べた。
「フッ、それなら私は《クローバー同盟》の勝利にアポロチョコ一箱賭けよう。」
顔に手を当ててトランプを持ち、
無駄にカッコつけながら能面組子は言った。
「へぇー?理由は?」
「私は分が悪い賭けが好きなのさ。」
「いいね、じゃあ私はロカ先生チームの勝利にポッキー一箱賭けるよ。」
千代子令子と組子はそう言いながら仲良く
チョコ味のポップコーンを食べた。
両陣営が配置についた。
ここで今回の悪鬼退治のルールと両陣営のメンバーを紹介しよう。
【悪鬼退治特別編、騎馬なし騎馬戦のルール】
両陣営のチームのメンバーはそれぞれ頭に
ハチマキを巻いている。
(ロカ先生チームは赤、おねえちゃんチームは白のハチマキをつけている。)
頭のハチマキが取れたらその時点で失格。
即退場。
(影踏先生の《ハイドアンドシーク》で影の空間に送り込まれる。)
先に大将のハチマキを取ったチームの勝利。
尚、ハンデとしておねえちゃんチームの大将
黒小場じゃんねは『まいった。』と言わない限り絶対に外れない特別なハチマキ、《気合いのハチマキ》を身に付けている。
能力などの攻撃で相手チームを殺してしまった場合そのチームの反則負けとなる。
【《クローバー同盟》のメンバー及びその能力•武器】
《大将 黒小場じゃんね》
……..能力なし、《クローバー同盟》のリーダー。打倒ロカ先生を企むカスの復讐鬼。
《副将 独絵転々》
……でんぐり返しをすると頭の回転が早くなる能力《ローリンガール》を持つ可愛い女の子。《クローバー同盟》チームの頭脳担当。
《口裏痛見》
…….声をかけた能力者にタイマンバトルを強制する能力《とてもいたいいたがりたい》を持つ戦闘狂。痛みを感じる度肉体と精神を回復する能力を持つ。《クローバー同盟》の
最高戦力にして心強い盾。
《川中島練度》
……無能力者、剣の達人。米津町最強の能力者ロカ先生と戦うため、そして友人の半田緋色と本気で戦うために、今回の悪鬼退治に参加した。みるくきゅんの開発した服だけを斬ることができる剣を身に付けている。
《無能力者達47人。》
様々な理由で集まった勇敢なる無能力者達。全員服だけを溶かす水鉄砲を所持している。
【ロカ先生チームのメンバー及びその能力】
《大将 ロカ•タランティーネ》
……肩に触れた相手の心をへし折る能力
《エンプレス•ディスコ》と、心の強さを肉体の強さに変える能力《ストリーミングハート》を持つ米津町最強の能力者。
《副将 無量大数那野彦》
…….能力名《ガランド》、能力は不明。
ロカ先生チームの奥の手。
《一番槍ジョージ》
…….オナ禁をすればするほど強くなる能力
《聖槍爆裂ボーイ》を持つ高校三年生男子。現在のオナ禁期間は約一年半。
ロカ先生の半分ぐらいの戦闘能力を誇り、
殴った部分を爆発させる強力な能力を持つ。
《秘密裏警羅&ポリスちゃん》
警察っぽいことなら大体なんでもできる能力
《秘密警察》を持つ女の子と相棒のクマ。
ポリスちゃんは拳銃に変身することが出来る。
《半田緋色》
悪夢ちゃんという悪霊に取り憑かれたおっとりとした性格の男子高校生。半田緋色の金属バットに触れた人間はものすごい悪夢にうなされることになる。弱点は塩と時間切れ、悪夢ちゃんは塩をかけられると能力が使えなくなるし能力が切れると眠って動けなくなってしまう。故に半田緋色はポップコーンを投げられている時は能力を解除し《悪夢ちゃん》が塩に当たらないようにしてた。
《シリアスブレイカー》
……鋼鉄の身体と精神を得る能力《ブリキノダンス》の能力保持者。変形したり音速で飛んだり巨大ロボットになったりとなんでもありのハチャメチャな能力。
《嘘月村真》
実体のある分身を生み出す能力《ム責任集合体》と実体のない分身を生み出す能力《ライアーダンサー》を組み合わせて戦う高校二年生の女子。常にグラサンをかけており嘘以外口にしない。
《梅雨曇蓮司》
紫色の雨を自由自在に降らせる能力
《ハイドレンジア》を持つ高校二年生女子。
《ハイドレンジア》の雨に触れた者は
カタツムリと同じぐらいの速度でしか動けなくなる。
常にお気に入りの雨合羽を着ている。
《灰原響歌》
ブラウン管テレビの異形頭の女の子。
米津学園二年生女子。
頭のTV画面を見た相手を30秒間洗脳する能力《ECHO》を持つ。普段はTV画面をOffにしている。
【登場人物紹介終わり、本編開始。】
ピピーッッと試合開始のホイッスルが鳴った。
試合が始まった途端黒小場じゃんねは
思い切り叫んだ。
「くるみ☆ぽんちぉぉぉ!!!!!!!!!」
「ッ!!?全員回避!!!!」
ロカ先生が空高くジャンプしながら叫んだ。
突然ロカ先生チームサイドに散らばっていたポップコーンが大爆発した。
《クローバー同盟》の秘密兵器、人や建物を破壊しない爆弾《くるみ☆ぽんちお》
である。
黒小場じゃんね達は反ロカ派の勢力と密約を交わしロカ先生チームの周りに普通のポップコーンと交ぜて《くるみ☆ぽんちお》爆弾を
撒いてもらっていた。
《くるみ☆ぽんちお》は爆発する瞬間まで
普通のポップコーンと見分けることが出来ない。
故にロカ先生達は足元に爆弾が散りばめられても気づけず、反応がわずかに遅れたのだ。
爆発が爆発を引き起こし連鎖的に大爆発した。
「くっ…!!!」
《クローバー同盟》の卑劣な不意打ちによってロカ先生軍は半壊した。
嘘月村真と、梅雨曇蓮司、灰原響歌の服と
ハチマキはボロボロになって吹き飛んだ。
「は、恥ずかしくなんかないっ….!!!」
下着姿になりグラサンがボロボロになった
嘘月村はそう言って胸を隠し顔を真っ赤にしながらキッと黒小場じゃんねを睨んだ。
「さいっッてー……!!!」
下着姿になりお気に入りの雨合羽がぼろぼろになった梅雨曇蓮司はそう言って胸を隠しながらジト目で黒小場じゃんねを睨んだ。
下着姿になりブラウン管にちょっとヒビの入った灰原響歌はぺたりと座り込み涙目の画面を頭のブラウン管 に表示した。
彼女達は影踏先生の《ハイドアンドシーク》でグラウンドから速やかに退場させられた。
「チッ、最初からド派手じゃねぇかッ!!!」
ジャンプして爆発から逃れた 一番槍ジョージ。
「撃てぇぇぇぇ!!!!!」
転々が叫ぶと47人の無能力者達が一斉に
水鉄砲で攻撃を仕掛けた。
「舐めんなッッ!!!!《聖槍爆裂ボーイ》!!!!」
物凄いスピードで腕を動かし空中で水鉄砲を捌き続ける一番槍ジョージ。
とてつもない反応速度である。
ジョージはグラウンドに着地をした。
そして死角から襲いかかる川中島練度に一瞬反応が遅れた。
「御免ッッ!!!」
ジョージは間一髪で川中島の斬撃を躱したが
無能力者の内の一人の水鉄砲がハチマキに当たりハチマキが取れてしまった。
「クソッ……一から鍛え直しだな。」
一番槍ジョージは汗をかきながら青空を見上げ《ハイドアンドシーク》の影に飲み込まれていった。
一方ロカ先生は空中で口裏痛見と戦っていた。
「《唐紅》×《疾きこと風の如し》!!!!」
そう叫びながらとてつもない速度でロカ先生のハチマキを狙う口裏痛見。
ロカ先生はそれを空中で捌きつつカウンターで痛見に膝蹴りをかました。
「カハッ!!??」
痛見のハチマキを狙うロカ先生。
痛見はあり得ない角度で身を捩りそれをぎりぎりで躱した。
ボキボキボキィッと痛見の骨が砕ける音がした。
ロカ先生は周囲の警戒をしつつ痛見をじっと見た。
ロカ先生の鋭い勘は痛見から漂う罠の気配を敏感に察知した。
(例えば痛見くんの腹の中にあのポップコーンの爆弾が入っているとしたら……!!!)
ロカ先生は冷や汗をかいた。
ロカ先生の悪い予感は当たっていた。
それこそが転々が対ロカ先生用に用意した
作戦の内の一つ、 《生き恥ポップコーン作戦》である。
痛見の体内に大量の爆弾《くるみ☆ぽんちお》を仕込みロカ先生が避けられない状況に持ち込み痛見を爆発させる。
そしてロカ先生のハチマキを吹き飛ばし勝利する。
これがロカ先生という化物を倒すために転々ちゃんが考案した悪魔的な作戦であった。
「勝負だロカ先生ィィィ!!!!」
更に痛見が能力《とてもいたいいたがりたい》を発動しロカ先生にタイマンバトルを仕掛けじゃんね達に攻撃できなくさせようとした。
その時だった。
「その勝負ちょっと待ったぁぁぁあ!!!!!」
そう言いながら秘密裏警羅は痛見を銃で撃った。痛見はそれを見ずに弾丸を腕で弾いた。
痛見は《とてもいたいいたがりたい》を発動できなかった。
「何だぁ!!???」
痛見は秘密裏警羅の方を勢い良く向いた。
「私と勝負しろォォ口裏痛見ィィィ!!!!
貴様を学園反逆罪で逮捕するぅぅぅ!!!」
服をボロボロにしながらもハチマキだけは死守し、先ほど倒した《クローバー同盟》の無能力者達20人のハチマキを空中に放り投げながら秘密裏警羅が叫んだ。
「おっもしれぇ!!!勝負だ勝負ぅ!!!!!」
作戦のことをすっかり忘れてしまった痛見は
目を輝かせながら秘密裏警羅に向かっていった。
ロカ先生は痛見と距離を取り、周囲を観察し、口裏痛見以外の罠はないか、何か危険なことをしている生徒や怪我をしている生徒はいないかを確認した。
半田緋色は試合開始時に瞬間移動をし、
黒小場じゃんねの背後を取っていた。
悪夢ちゃんはポップコーンが何か危険な物であることを察知し、夢の中で半田緋色に教えていた。
故に半田緋色は試合開始時に能力
《パンダヒーロー》で悪夢ちゃんを身に纏い、黒小場じゃんねの背後を取っていた。
(ルールよく分かんないけど
とりあえずじゃんねくんを倒せばいいんだよね?)
そんなことを考えながら半田緋色は黒小場じゃんねに向かって思い切り金属バットを振りかぶり躊躇なく金属バットを振り下ろした。
カキィィンと激しい金属音がした。
黒小場じゃんねは
「ヒィィ!!???なんじゃんねぇ!!??」
と転びながら情けない声をあげた。
半田緋色は驚いて目を見開いた。
転々が三節根で半田緋色の攻撃を防いだからだ。
「びっ……くりしたぁ。独絵さん戦えたんだぁ……。」
目を丸くして半田緋色が言った。
「戦闘はYoutubeとちいかわで学んだ
アル……!!!!」
ハァァァ……と息を吐きながら転々は構えた。
「バカパンダァッッ !!ボーッとしてんじゃないわよッッ!!! さっさとこのエセカンフー女をぶっ倒すわよ !!!」
悪夢ちゃんがそう叫んだ。
「てりゃあ!!!!」
転々は三節根を物凄い速度で動かし半田緋色に襲いかかった。
「くそっ、この女…..TASみたいな動きしやがってぇぇ…..!!!」
悪夢ちゃんが心底うざったそうに言った。
転々の能力《ローリンガール》はでんぐり返しをする度に頭の回転を早くする能力である。
転々は今最大限でんぐり返しをして頭の回転を最速にしていた。
現在の転々の情報処理速度は現在のAIの情報処理速度のおよそ5倍である。
そして転々はものすごい頑張り屋さんであった。
毎日ちゃんと体力作りもしていたし《クローバー同盟》に入ってからは戦闘の訓練だって欠かさなかった。
痛見が《クローバー同盟》に加わってからは時々痛見に稽古をつけてもらっていた。
努力し進化し続ける天才、それが独絵転々なのである。
「はえー、転々さんめっちゃつよいなぁ……。」
半田緋色はそんな転々の攻撃にたまげながらも素早く的確に転々の攻撃を捌いてみせた。
黒小場じゃんねは半田緋色から距離をとりながら戦況を見回した。
(どういうことじゃんね…..?シリアスブレイカーと那野彦先生の姿が消えたじゃんね??)
姿の消えたシリアスブレイカーと那野彦先生
はどこに消えてしまったのか…..じゃんねは
半田緋色と戦い指示が出せない転々の代わりに叫んだ。
「全員撃って撃って撃ちまくるじゃんねぇ!!!!ロカ先生達のあられもない姿を全校生徒の前に晒してやるじゃんねぇぇぇ!!!!!」
この男はどこまでもカスである。
かくしてとてつもない爆発とともに始まった悪鬼退治。
彼らの戦いは熱を帯び、加速してゆく。
(最後まで読んでくださりありがとうございます。)