ep.11
目side
あれからふっかさんに家まで送ってもらった。
久しぶりの2人きりだったから色んなことを話せた。
これから先、グループで更に高みを目指すならどんなことが課題かとか、
演技のお仕事についてもたくさん話した。
ふっかさんは、「めめはすごいよ!わら」っていっぱい褒めてくれた。
この仕事をしてると、誰のためにやっているのか。たまに分からなくなる時がある。
仕事をするのが当たり前で、何か記録に残るような賞を獲れば人が集まって、時が過ぎれば他に行く。
そんな潮の満ち引きのような流れに俺らは必死に喰らいつく。そうでもしないと生き残れない。そんな世界だ。
だから、ふっかさんが褒めてくれたのがすっごく嬉しかった。
俺のやってきた事は間違ってない、って言ってくれたように感じた。
「ぅぐっ、げほっげほ、おえっ、ゔっ…はぁーッ、はぁ」
「ゔっ、げほっ……はぁ、はぁ」
今度は紫の花。いつになったらこんな辛いことから解放されるんだろう。
この花の花言葉は“信じる心”。不思議と俺の全てを肯定してくれてるみたいだった。
ピコン!
「ん?」
メール:深澤辰哉
「今からそっち行くわ」
「………え?」
ふっかさんから突然メールが来た。
トーク画面を開いてみたら…
メール
「会いたい」18:55
と、数分前になぜか俺から送っていた。ふっかさんのことを考えていたら無意識に送ってしまったのか?
そこから割とすぐにふっかさんから返事があった
メール
「なんかあったー?わら」18:56
・
・
「今からそっち行くわ」19:03
なんと1分前にふっかさんから返信があったばかりだった。
今から俺の家にふっかさんが来るってこと?
「ふっかさんが………家にくる?」
「好きな人が……俺の家に、くる」
「やべっ、片付けないと!」
家は普段から綺麗にしてたつもりだったが、帰る時間が遅くなるとどうしても
家のことが疎かになってしまう。
適当に置いてあって台本を整えて机の端に置く。 散らばってる衣類は洗濯機に突っ込む。
愛犬のおもちゃやベットも定位置に戻す。 何日も替えていないタオルを新しいものにする。
家じゅうをバタバタと走り回って、やっと落ち着いた。
ふっかさんを家に呼んでどうしよう。お酒でも飲む?
いっそのこと俺の想いを打ち明けるか?それは受け入れてもらえなかった時のダメージが大きすぎる。
家に呼んだ理由は…
「今日のお礼ってことにするか、」
それでお酒でも飲もう。そうしよう。
ピーンポーン
「!、はーい」
深「俺だよ〜」
「今開けるねーっ」
ついに来る。
格好は大丈夫かな、、変じゃないかな、、
そうこうしてる間に玄関前のインターホンが鳴る。
「!」
深「俺でーす」
「はーいっ」ガチャ
深「よっ!わら」
「ふっかさん、お疲れ様」
深「んははっ笑、あんがとぉ、まっ俺もめめと一緒でオフだったけどー!わら」
「あ、そうだったね笑」
深「そうよそうよ」
深「…んで?急にどーしたの?」
「あー、今日のお礼に一緒に飲まない?」
深「別にお礼されるようなことしてねぇって!わら」
「んー。じゃ、俺が一緒に飲みたいだけだからさ、ちょっと付き合ってよ。笑」
深「いーけどぉ、俺酒あんま強くねぇよ?わら」
「ノンアルあるし!ジュースとかもあると思う」
深「じゃー俺ノンアルにするわっ」
「おっけー」
深side
メール:目黒蓮
「会いたい」18:55
めめから、突然連絡が来た。
たった4文字。少し違和感があった。
いつもなら何文か連続で来るのに。
めめに何かあったのかもしれない。一度その考えが頭をよぎった。
「なんかあったー?」と軽い感じで返した。
割とすぐに返信をしたから、すぐに返信が来ると思った。
「うーん……」
あれから5分くらいトーク画面を凝視してたけど、既読すら付かない。
やっぱり何かあったかもしれない。
心配になってタクシーを近所のコンビニに呼んでめめの家に向かうことにした。
念の為、「今からそっち行くわ」と一報を入れておく。
それにしても、今まで食事さえも面倒で出前に頼り続けてきた俺が
好きな人のことになると、こんなにも簡単に外に出るのか、と他人事みたいに感心してしまった。
めめのマンションのエントランスでインターホンを押す。
目「はーい」
「俺だよ〜」
目「今開けるねー」
目の前の大きなドアが開いた。
少し歩いて、エレベーターのボタンを押す。
なんで、めめは急に俺に「会いたい」なんて送ってきたのだろうか。
そんなことを考えてる間に目的の階数についた。
玄関のインターホンを押す。
「俺で〜す」
目「はーいっ」
「よっ!わら」
目「ふっかさん、お疲れ様」
「んははっ笑、あんがとぉ、まっ俺もめめと一緒でオフだったけどー!わら」
目「あ、そうだったね笑」
「そうよそうよ〜」
「…んで?急にどーしたの?」
目「あー、今日のお礼に一緒に飲まない?」
「別にお礼されるようなことしてねぇって!わら」
目「んー。じゃ、俺が一緒に飲みたいだけだからさ、ちょっと付き合ってよ。笑」
「いーけどぉ、俺酒あんま強くねぇよ?わら」
目「ノンアルあるし!ジュースとかもあると思う」
「じゃー俺ノンアルにするわっ」
目「おっけー」
目「はいっ、ノンアル」
「あんがとぉ、めめは?飲むのー?」
目「うん、久しぶりに飲みたくなったんだよね笑」
「そっか…じゃ、もしめめが潰れた時は俺に任せろ!わら」
目「ふははっ、ありがと」
そこからは大して中身のない話しかしなかった。
けどめめが5本目の缶を飲み切ったあと、雰囲気が少し変わった。
何か重要なことを話すみたいに。
目「…ふっかさん、」
「んー?」
目「俺ね、ふっかさんのことがね」
目「…好きだよ。」
「んぇ?」
目side
言ってしまった……
言うつもりなんてなかったのに。
ましてや、お酒の勢いのようにも感じ取られちゃう状況で。
お酒が入って、ふわふわした状態でなぜか焦りを感じたのか、ポロッと出ちゃった俺の想い。
こうなったら、真剣に俺の想いを伝える方がいいと思った。
「ふっかさんのことが好きです。」
「メンバーとかそういうことじゃなくて、恋愛感情として。」
深「……」
「笑った顔が子供っぽくて、でも周りを見てて冷静。」
「誰にでも優しくて、みんなのためにいつも陰で戦ってくれてる。」
「…俺の兄ちゃんと少し似てるんだ。誰にでも好かれてていつも一歩引いてるところとか。」
「ふっかさんの全部が好きです。……俺と付き合ってくださいっ、」
どんな返事が返ってくるのか。俺が抱いてるこの想いを分かってくれるのか。
すごく不安で、緊張する。
深「……めめ、」
「…ん?」
深「俺も、めめのことが好きだよ」
「っ…!」
深「何に対しても全力で向き合ってて、周りの人を大切にしてて、かっこよくて男気があって、
負けず嫌い。」
深「誰かのために泣けるような、それくらい優しい。」
深「たまに見せる涙は…俺が、そばでぬぐいたい。」
深「だからっ…こんな俺でよければ、付き合ってください。」
「……え、まじで、?」
深「おん」
「いいの…?キモくないの?男が好きってこととか」
深「そしたら、俺がめめを好きなのもキモいってこと?わら」
「ちがうっ!」
深「…誰が誰を好きでも、それを他の人が口出しするのは違うでしょー?わら」
「うん」
深「それと一緒だよ。俺がめめを好きで、めめが俺を好きでも、誰かが口出しすんのは
違ぇじゃん?なっ!わら」
「ふふっ、そうだね」
深「…で、俺を幸せにしてくれる?わら」
「もちろん。ふっかさんの隣を譲るつもりはないよ」
深「んはっ、……俺もめめの隣は譲んねぇよ?///」
「!、うん」
深「あのさ、」
「ん?」
深「さっき、“兄ちゃん”って言ってたじゃん?あれは、どーゆーこと?」
「あっ、そっか。言ってなかったね」
ふっかさんに兄のことを話した。
母の再婚相手の連れ子で2歳年上の義兄ができたこと。
お互い好きになって、付き合うようになったこと。
兄の病気が見つかって、数ヶ月後に亡くなったこと。
兄のことが忘れられなくて、恋愛が怖くなったこと。
全てを伝えた。そうしたら…
深「めめ……俺はいなくなんねぇから、」
「!」
深「1人にはしないよ。絶対」
「…うん!」
深「だから、これからも俺のそばにいてね」
「うん。」
「ふっかさんもずっと俺の隣にいてね。」
深「…約束だな」
「約束。」
幸せ。大好きな人と笑い合ってるこの時間が。
ずっと、命がある限り、続いてほしい。
…なのに、喉に何かが迫ってくる。
この感覚を俺は知ってる。やっと結ばれたのに。
「ぐっ、ゔ」
深「めめ?」
「ごめっ、」
「げほっげほっ、おぇっ、ゔえっ、」
深「めめ?……!、大丈夫?」
「っはぁ、はあーッ、…なにこれ、」
深「花吐き病、だよな。これって両想いになったら治るんじゃ…?」
深「てか、口ゆすいできな?気持ち悪りぃだろ、」
「ありがと…」
深「両想いになったよな、俺たち。付き合ったよね?」
「…うん、」
病院での記憶を辿ってみる。
白い百合、?
「あっ、」
深「なんか思い出したー?」
「うん」
「両想いになったら、白百合を吐いて完治するって言ってた、気がする」
深「それじゃあ…!」
「完治だ…!」
深「よかった…もうめめが辛そうなのみたくない。」
深「まっ、俺といたらそんな顔させねぇけど〜!わら」
「ふはっ、笑 期待してるね、“辰哉くん”…?」
深「っ///急に名前で呼ぶなよっ、照れるだろっ」
「照れてんだー笑」
深「違ぇってば!わら」
「えー、俺のことも名前で呼んでくれないの? (。•́︿•̀。)」
深「〜っ、れ、蓮…!」
「!!ふふっ、嬉しい///」
深「2人の時だけなだかんな!?もうっ// ((プイッ」
「うんっ!……辰哉くん、」
深「ん?」ちゅっ
深「…っ!//」
「ふふんッ (˘ᵕ˘ )♡」
深「俺!年上!わら」
「そうだね笑」
「でも……、キス以上のことはこれからしようね?(囁く)」
深「だあ〜、っもう!」..ちゅ
「…!」
「ぷはっ、長いよっ//」
深「んはっ、ごめんよぉー?わら」
「んーん。嬉しいからいいっ」
「これから、よろしくね。辰哉くん!」
深「ん。好きだよ、蓮」
「んふふ、俺は大好きだよっ!」
なんか最後の方バカップルみたいになっちゃった😆
許してください🥹
ついに結ばれました!
このお話もラスト1話くらいで完結です!
もう少しお付き合いください!笑
♡×500
コメント
3件
続きが楽しみです!