テラーノベル
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久々の自分の部屋のベッド
冷たい空気が気持ち良い
瞼を瞑るとすぐに眠りに落ちた
そして気がつくと昼も過ぎている
慌てて身支度を整え、叶さんの部屋に向かう
部屋には既に3人が揃っていた
「すいません!俺寝過ぎちゃって‥‥」
「いいよ、時間決めてなかったし僕達も少し前に集まった所だから」
「でもお前待ちではあったけど」
「葛葉、お前だって似たようなもんだったろ?」
「誰のせいだよ‥‥」
「僕のせいだけど?ごめんね」
「‥‥言ってんじゃねーよ‥‥恥ずかしい」
2人の会話を聞いて顔が赤くなる
そんな俺の手を取り、セラさんがソファーへと連れていってくれた
「おはようロウ君」
「おはよう‥‥ごめんなさい遅れて」
「良いんだって。よく眠れたなら」
俺たちの話をニコニコしながら叶さんが聞いてる
「聞いたよ、こやとセラフの昔の事。凄いよね、こんな所で再開するなんて」
「はい、本当に驚きました」
「僕達が邪魔もしたけど、巡り合わせてもいたんだね」
「そうかも。俺たちだけじゃ出会えなかったかもな」
そう言うとセラさんがまた俺の手を握った
もう俺達、自然のままで良いんだ
俺も手を握り返してセラさんに微笑みかける
「イチャイチャすんなよ、まったく」
「葛葉もしたかったら僕がしてあげるよ?」
「いいよ俺はっ!離せよっ!」
「素直じゃないんだから。こやを見習えば?」
「‥‥そんなにいいなら小柳奪い返せばいいだろっ!」
「ごめんごめん。僕の言い方が悪かったよ。そんなに拗ねないで」
「拗ねてねーし‥‥」
叶さんが葛葉さんの手を取り、自分の隣に座らせる
葛葉さんはすぐに手を振り払うけど、ピッタリとくっ付いたまま座り、足を組んだ
それを見て叶さんがクスクスと笑う
葛葉さんがそっぽ向きながら口を開く
「早く話し進めろよ」
「はいはい。僕達の関係はここまでにしておこう。それぞれパートナーが決まった事だしね。それでまずはセラフ。セラフはこのままうちの会社の広告塔になってもらう形で仕事は続けてもらいたいんだけど、どうかな?」
「叶さん達がそれでいいなら、俺はありがたいですけど‥‥」
「それならセラフはこのままスキルを磨いてもらうよ。海外でも通用するようにならないとな」
「それは俺も目指してます」
「それは期待してるよ。じゃあ次、こやなんだけど‥‥どうしたいとかある?」
「あ、先に俺から良いですか?」
セラさんが俺を見る
なんだろう‥‥
「ここを出たらロウ君と一緒に住みたいと思ってて、だから住む所なら心配しなくて良いです」
「でも家賃とか大丈夫?」
「狭くても良いよな?ロウ君」
「え、俺‥‥一緒にとか考えてなくて‥‥」
「俺は離れたくないけど、ダメ?」
「ダメとかじゃなくて俺、もう一度高卒認定欲しくて‥‥」
「じゃあこやの高校の事は僕が責任持って卒業させるよ。こやは勉強だけに専念して。あと家の事なんだけど、この近くのあの部屋使ってないならあげたら?葛葉」
「ん?あぁそうだな。全然行ってねーや。良いよあげる」
「あげる⁈」
俺とセラさんの声が重なる
あげるってお菓子じゃないんだけど‥‥
「貰っときなよ。僕達だって君たちに酷い事しちゃったからね」
「でも‥‥」
「良いって言ってんだから貰えよ。セラフさん、後で手続きの事とかあるから俺のとこに来てよ」
「‥‥いや、でも‥‥」
「小さい部屋でバイオリン練習できんの?俺のマンションは防音ついてるけど?」
「え?‥‥凄っ‥‥」
「だから貰っときな。近かったら遊びに行けるしさ。僕達からの慰謝料代」
なんだか過分に貰いすぎな気もするけど、俺達はありがたく頂戴することにした
そして俺達はそれぞれの新しい生活を始めるとこになった
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コメント
4件
葛葉ツンデレでかわいい~こや 素直~ 続き楽しみにしています!
続き楽しみです!