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『無気力組、共同生活中。』②――いざ、合宿へ
「……行く?」
玄関に並んだ6人。
今日は合宿当日。
昨日から体調が悪かった国見、白布、月島、研磨、角名は、まだ本調子ではない。
それでも、先生からは、
『無理をしないこと。少しでも辛くなったらすぐ休むこと』
そう言われていた。
「荷物持つよ」
赤葦が国見のバッグを持ち上げる。
「え、いいよ」
「いいから」
「……ありがと」
白布も自分の荷物を持とうとする。
「白布、それも貸して」
「いや、俺は――」
「昨日ふらついてたでしょ」
「……」
白布は少し考えてから、バッグを渡した。
「……頼む」
「うん」
月島は玄関で靴を履き終えると、ゆっくり立ち上がる。
「……」
「月島?」
赤葦が振り返る。
「大丈夫」
「本当に?」
「昨日よりはマシ」
「ならよかった」
その横で研磨が大きなバッグを見つめている。
「……これ、重い」
「研磨も持つよ」
「……お願い」
角名も自分の荷物を持ちながら、
「俺もお願いしていい?」
「もちろん」
結局、赤葦の両手には荷物が増えていく。
「……赤葦、大丈夫?」
国見が心配そうに見る。
「僕は大丈夫です」
白布が横から言う。
「お前が一番働いてない?」
「……確かに」
6人で少し笑った。
集合場所。
他のメンバーたちが集まっている。
「おー!来た!」
声をかけられ、6人が振り返る。
「おはよ」
国見が軽く手を上げる。
「なんかお前ら、今日静かじゃね?」
「いつも静かだけど」
月島が返す。
「それもそうか!」
そんなやり取りをしながらバスへ向かう。
しかし――
「……」
白布が一瞬立ち止まった。
「白布?」
赤葦が振り返る。
「……ちょっとだけ、フラついた」
「座ろう」
「大丈夫」
「無理しないで」
赤葦がすぐに近くの席を確保する。
「ここ座って」
「……悪い」
「全然」
国見も隣に座る。
「白布、昨日より顔色悪くない?」
「お前に言われたくない」
「……確かに」
月島がため息をつく。
「どっちもどっちでしょ」
その頃、後ろの席では研磨と角名が並んで座っていた。
「……眠い」
研磨が窓にもたれる。
「俺も」
角名も目を閉じる。
「寝よっか」
「うん」
バスがゆっくり動き出す。
しばらくして。
「……赤葦」
国見が小さな声で呼ぶ。
「どうした?」
「ちょっと寒い」
「寒い?」
赤葦がすぐに上着を取り出す。
「これ使って」
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「ありがと」
国見が上着をかける。
白布も目を閉じたまま、
「……俺も少し眠る」
「うん。寝てて大丈夫」
月島も静かに目を閉じる。
「……着いたら起こして」
「分かった」
赤葦は3人を確認したあと、後ろの席を見る。
研磨と角名も眠っている。
「……」
6人とも、いつもよりずっと静かだった。
けれど――
ちゃんと全員で合宿へ向かっている。
赤葦は窓の外を見ながら、小さく笑った。
「……無事に着けますように」
バスはそのまま、合宿先へ向かって走っていった。
コメント
1件
赤葦のやさしさがじんわり沁みる回でした…! 荷物を一人で抱え込む姿に「赤葦、無理してない?」って心配になっちゃったけど、白布の「お前が一番働いてない?」でみんな笑えるのがいいんですよね。体調不良の6人が静かに支え合って、ちゃんと全員でバスに乗れている。最後の「無事に着けますように」に、作者さんの愛情を感じました。着いた先で少し元気になっている姿も見たいです💞