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『無気力組、共同生活中。』③――合宿所到着
「……着いた」
バスが止まる。
窓の外には、大きな合宿所。
「やっと……」
研磨がゆっくり顔を上げる。
「長かった……」
角名も眠そうに目をこする。
「寝てたじゃん」
月島が淡々と言う。
「寝てても長いものは長い」
「……それはそう」
国見が小さく笑った。
「降りるよ」
赤葦が立ち上がる。
「荷物持つから、みんなゆっくり降りて」
「赤葦、俺のは自分で――」
白布が立ち上がろうとする。
「白布は無理しない」
「……はいはい」
珍しく素直に座り直す。
「国見も」
「分かってる」
「月島も」
「僕まで?」
「昨日ふらついてたから」
「……分かった」
5人はゆっくりバスを降りた。
「おーい!」
外に出ると、他校の選手たちが手を振っている。
「おはよー!」
「久しぶり!」
「……人多い」
研磨が少しだけ赤葦の後ろに隠れる。
「研磨、そんなに?」
「人混み苦手」
「じゃあ、こっちにいよう」
赤葦が人の少ないところへ移動する。
その横では角名も少し壁際に寄っている。
「角名も?」
「うん。ちょっとフラフラするから」
「座る?」
「いや、大丈夫」
「辛くなったら言って」
「はーい」
「部屋割り発表するぞー!」
先生の声が響く。
6人が集まる。
「えーっと……」
名前が読み上げられていく。
そして――
「国見、白布、月島、研磨、角名、赤葦。この6人は同じ部屋」
「……」
6人が顔を見合わせる。
「また?」
月島が呟く。
「俺たち6人、ずっと一緒じゃない?」
角名が笑う。
国見は少し嬉しそうに、
「……まあ、楽だからいいけど」
研磨も頷く。
「知らない人と同室よりいい」
「俺も」
白布が言う。
「……安心はするな」
赤葦が笑う。
「じゃあ荷物置きに行こう」
部屋に入る。
ベッドが6つ。
「俺ここ」
国見が一番近いベッドに座る。
「……」
しかし、座った瞬間。
「……やっぱりちょっとしんどい」
白布がすぐに気づく。
「国見、大丈夫か?」
「うん……ちょっと疲れただけ」
「横になっとけ」
「……うん」
国見がゆっくり横になる。
その隣では月島も荷物を置いたまま、ベッドに腰掛けている。
「月島?」
赤葦が声をかける。
「……ちょっと休んでから行きます」
「分かった」
研磨もベッドに座り、
「……僕も少し休みたい」
「もちろん」
角名も壁に寄りかかる。
「俺も」
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「全員、まず休もう」
赤葦が言う。
すると白布が、
「……赤葦」
「ん?」
「お前も休めよ」
「僕は大丈夫」
「5人の面倒見てたら、お前まで倒れるぞ」
「……」
赤葦が黙る。
国見が布団の中から小さく言った。
「……白布の言う通り」
研磨も、
「赤葦も休んで」
角名も頷く。
「珍しくみんな意見一致したね」
月島が言う。
赤葦は少し笑った。
「……じゃあ、10分だけ」
「それでいい」
6人はそれぞれベッドに座ったり横になったりして、静かに休み始めた。
――合宿は、まだ始まったばかり。
けれど、この6人にとっては。
いつもの共同生活の延長みたいな時間が、また始まろうとしていた。
コメント
1件
うわー、この6人、本当にいいチームワークというか、お互いをちゃんと見てるんだなって感じがしました。特に「赤葦も休めよ」って白布が言う場面、じんわり来ましたね。みんなそれぞれ無理してるけど、それをちゃんと察して声かけ合う関係性が尊いです。研磨が人混み苦手で赤葦の後ろに隠れるのも、角名が壁際に寄るのも、キャラの個性が台詞の端々に滲んでいて好きです。まだ始まったばかりの合宿、これからどうなるのか楽しみです!