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ボス「今日も優秀だな、お前は」
🌸「お褒めいただき光栄です。今日の任務は以上ですか。」
ボス「あぁ。君のおかげで今日は早めに済んだよ。流石だね、最強と呼ばれるマフィアさん」
🌸「…」
ボス「今日は家に帰ってゆっくり休んでると良い」
🌸「…そうですね、ではおれはこれで。」
ボス「あぁ、そうしてくれ。」
おれはここを出た。
決して安全とも言えないこの世界だから、気は緩められないけど。
幼少期に親に捨てられたおれは、マフィアに囲まれて育った。
その頃の記憶はほとんどなく、親の顔すら覚えていない。
そんなおれは人を信じたことがない。
誰が自分を裏切り、敵に情報を流すかも分からない環境だし。
さっき話したおれのボスだって、いつおれを裏切るか分からない。
元々信用はしてないけど。
マフィア同士で馴れ合うなんて以ての外だ。
どんな戦い方が得意か、好きなことは何か、嫌いな食べ物でさえも教え合うことは厳禁。
だからマフィア界には謎に包まれている人がほとんどだ。
そんなおれも、何一つ情報を明かしていない。
安心できる環境なんてどこにも存在しない。
だけど一つだけ、安心はできないがゆっくりできる場所はある。
それはおれがマフィアとは別に働いているBARだ。
優しい店長のおかげで、こんなおれでも働かせてもらえる場所。
今から向かう場所は家ではなくそのBAR。
おれは足早に向かった。
🌸「こんにちは、店長さん。」
店長「おぉ、来てくれてありがとう、今日はお客さん多いから頑張ってね」
🌸「はい。」
いつも通りここは、たくさんの人で賑わっていた。
モブ「お兄さん、一緒に呑もうよ?」
🌸「あ、ぜひ!」
そして上辺だけの笑顔を浮かべた。
心の底では笑ってないのに。
おれの人生は、普通の人とも比べておかしいと思う。
これは、そんなおれのおかしな人生をもっとおかしく、明るくしてくれた人との話だ。