モブ「…まだ俺は負けてないッ、まだ、…」
🌸「何言ってんの?君はもう負けだよ。」
そう言っておれは、持っていた刀を振り下ろした。
🌸「…つまんな、」
グシャッと地面に倒れる音が辺りに響く。
今日の任務はこれで終わりなのかな。
おれ記憶力無いから分かんないや。
おれは普通の人よりも記憶力がない。
それは単に興味が無いだけかもしれないけど。
🌸「とりあえずボスの元へ行くか。」
おれはそこに倒れた死体を無視し、本部まで歩いた。
ボス「おぉ、任務は終わったかい?」
🌸「もちろんですよ。今日の任務はこれで終わりでしたっけ。」
ボス「うん、終わりだよ。だけど明日から君に、長期間の任務がある」
🌸「おれにですか。」
ボス「そう、強い君にしか頼めない任務だ。」
おれはボス直々に推薦された、次期のボス候補者。
そんなおれにしか頼めないってどんな任務なのだろう。
それだけ強い相手なのだろうか。
しかも長期間って、どういうことだ?
ボス「君はこいつを知ってるかね。」
ボスがおれに見せた写真には、紫髪の一人の男性が写っている。
その姿におれは少しだけ見覚えはある。
だけど、おれの記憶は曖昧だ。
🌸「見覚えはありますよ。でも、はっきりとは覚えていません。」
ボス「そうかそうか。なら良い。こいつは最近話題になっているマフィアだよ。」
🌸「…なるほど、強いんですか。」
ボス「残念ながら、そこら辺の詳しい情報は分からなくってね。だけど、今まで色々な組織を一人で潰してるみたいだし、それなりには強いと思うよ。」
🌸「…どこに所属してるんですか、この人。」
ボス「それがねー、どこにも所属してないっぽいんだよね。」
🌸「…それってつまり、無所属ということですか、?」
ボス「そういうことになるね。」
そこで分かった。
これから戦う相手が、どれだけ強いかということを。
ボス「ほら、言ったでしょ?」
「君にしか頼めない任務だって。」
🌸「…なるほど。」
ボス「あ、期間は半年の間、つまり明日から10月だから4月までね。
期間内には必ずこいつを殺すこと。」
🌸「……御意。」
今までおれが成し遂げられなかった任務はない。
大丈夫、今回もいけるはず。
そう心の中で何度も言い聞かせた。
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