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「課長、……やぁあ……」
狭いソファーに倒され、今度は正面から愛しこまれている。
服は着たまま。課長もパンツを下ろしただけの状態で。脳裏には今日見た風景が浮かび、まるで外でセックスしているみたい。
腰を振る課長の下、狭い世界に閉じ込められ、わたしは官能にふるえた。やがて、課長が射精する。激しく――薄いゴム越しに課長の愛を叩きつけられ、世界が、きらめく。目を閉じ――このときにだけ見える感覚と視界に酔いしれていた。
* * *
膝立ちで立たされると、課長の手がわたしの首の後ろに伸び、ジッパーを下ろされる。ワンピースに手をかけて、うえから服を脱がせた課長は、
「莉子のからだ……見せて。本当に、綺麗だ……」
明るい部屋に晒されることにちょっぴり恥ずかしさは伴うけれど。手入れを怠らなくてよかった。触り心地がいい、といつも課長は褒めてくれる。わたしの腕をさすると課長は、
「初めて結ばれたときに着ていた下着だね……ああ、莉子。きみの心遣いが嬉しいなあ……。きみはおれに、もう一度恋をして欲しいんだね……」
課長がわたしの素肌に触れるだけでびりびりとあまい電流が走る。その手、……やばい。触られるだけでおかしくなっちゃう。
なのに、課長は。触るだけでは飽き足らず――ブラジャーのカップに手を入れると、乳房を包み込み、音を立ててわたしの蕾を愛しこんでいく。
「課長……」わたしは彼の背に手を添え、「課長も……脱いで」
「……忘れてた」とシャツの裾に手をかける課長は、「きみのはだかを前にするとついね、没頭してしまう……」
そして課長はトランクス一枚になった。勃起している。わたしは――それに、触れてみた。結ばれた初日に、思い切って勇気を出してみてよかったと思う。――怖くない。
トランクス越しに課長の主張するそこに触れるわたしに課長は、
「莉子の下着姿も捨てがたいけど。……全部脱いじゃおっか」
「はい」
ぱちんと拘束を外すと、豊かな乳房がこぼれだす。それを見て課長が目を細めた。「莉子。……また、おっきくなった?」
「課長のせいですよ」とわたし。「課長がいつも揉むから……どんどんやわこくなって。大きくなって。ブラ、そのうち全部総とっかえになりそうです」
「責任は取る」と脱いだトランクスを傍に置いた課長は、「……おいで。ぎゅうぎゅうしたげる……」
パンティも脱いだわたしは、課長の胸に、飛び込んだ。――あったかい。ひとと肌を重ねることって、こんなにも幸せなんだ……。
やわらかく潰された胸と重なる課長の固い胸板から、高鳴る鼓動が伝わる。……どきどきしてる。つられてますますわたしもどきどきしちゃう。
しばらく、互いの存在を確かめ合うように抱き合っていたわたしたちであるが、課長は、わたしの背に手を添え、ゆっくりとからだを倒す。革張りのソファーの感触に出迎えられる。課長はわたしに被さると、先ず――キスを与える。
やり方はよく分からなかったのに。課長のお陰で段々応え方も分かるようになってきた。深く、入り込む課長のあまくて熱い舌を出迎え、こちらからも――やわらかく、舌を噛んでやる。
すると課長の大きな手のひらがわたしの乳房を覆う。手のひらで敏感な蕾を押し、円を描くように、わたしを刺激する。……課長の手って、なんでこんなに気持ちがいいんだろう……お陰でわたしは快楽から抜け出せない。
課長が唇を離すと、顔から――攻めることにしたらしい。顔中口づけると、首筋――鎖骨。下方に、キスの雨が降りてくる。当然ながらわたしは期待してしまう。やっぱり――舐められたいな、と。
やがて課長はわたしの人生至上二番目に弱い箇所に辿り着く。顎を引き、わたしが見れば、ちょうど、課長がわたしを貪るところだった。
手を伸ばし、課長の首の後ろに頭を添え、課長の提供する愛撫に酔いしれる。――もう、何度セックスをしただろう。このマンションに来てから……ふと、ダイニングに置かれたままの食事のことが気になったが。いまはそんなことを気にしている場合ではない。何故なら、
にちゅ、にちゅ……ちゅぱ、ちゅぱ。
明らかにわたしに聞かせる目的で課長がやさしく敏感な頂きを貪るから。
長く――伸びて、固くなって。自分がどんどん熟れていくのが分かる。それどころか――ああ。
わたしのことなんかお見通しの課長は、乳房に手をかけ、激しく揉みしだき、片方は指で、もう片方の蕾は舌で転がし、あっという間にわたしを、理性の外へと追いやってしまった。
短く叫び、ふるえるわたしに課長は言ってのける。「ふふ……可愛い莉子。こっちはどうかなあ?」
膝を立てさせ、そのあいだに課長の顔が入る。わたしの両の乳房に手を伸ばしたまま、顔を下ろすと今度はそこを――躊躇なく貪った。
「駄目、課長、わたしまだ……っ」
「莉子のここ美味しい」わたしの発言をスルーした課長は、「ぱっくり開いて、ふるえて――媚肉が飛び出している。やーらかくなってね。おれが見ているものをきみに見せてあげたいよ……」
そういえば、ルーブル美術館だったか。明らかに女性器と思われるものを描いた絵画を見つけ、気恥ずかしくなったのを記憶している。人類の、女の秘部への興味は、人種を問わず共通なのかと。
音を立てて口づけ、まるで神聖なものに触れるかのように、真剣な面持ちで、課長は、たっぷりとわたしを愛しこむ。時折顔をあげると目線を結び、微笑みをくれる……。
だから、わたしは、安心して自分を解き放てる。課長を信じているから……愛されているからこそ……。
ある程度の段階に至ると、もうー―近いのが分かっていた。高い叫びをあげるわたしは、
「課、長……わたしまた……」
すると指が入り込む。二本。課長のペニスの太さには足らないけれど、でも、課長の指だからか、なんだか――安心感がある。
学生の頃、彼氏のこれですごく痛い思いをした女の子の話を聞いた。男ってなんであれ、好きなんだろうね、ばっかみたい、とその子は語っていた。
けれど、いまのわたしに訪れるのは圧倒的な快楽だ。存分に濡れたわたしは、課長の容赦ない愛撫で、とめどなく蜜を排出し――課長が抜き差しする都度、興奮が高まっていく。しかも、課長はわたしの陰核を舐め続けており、――わたしにはきつすぎる行動だった。
課長の目論見通り、わたしは達した。……これで、ソファーだけで三回目。三回目の絶頂にふるえるわたしに、落ち着かせるための時間を与えてか。課長は、一旦ソファーを離れる。取りにいったのかな。スパークする脳内で、課長の行動の意味を考えようとすると。
ことん、と箱が置かれた。取り出し、わたしに見えるように、装着する課長。
「なんか……きみに見られると照れるな。……よし、入った」
おそらく課長と交際をスタートしてから、百回以上はエクスタシーに導かれたわたしは、今度は、彼のペニスで愛されようとしている。セックスをするのは狭い、ソファーのうえで寝るわたしに、課長は手をついて覆いかぶさると、
「――挿れるよ」
「うん。来て――課長」
からだの後ろを皮張りのソファーに感じるわたしには、今度は、また新たな快楽が与えられた。
課長のペニスが大きい方なのかは分からないけれど――いや、たぶん、大きいほうだと思う――課長は、さっきの指では届かない領域に到達する。深く深く、わたしのなかに入り込む。
からだを倒し、上体をぴったりと重ねると、課長は微笑んだ。
「莉子。――おれたちいま、ひとつになってる」
「遼一、さん……」あふれ出る涙を、課長の唇が吸い取ってくれる。なにに由来する涙かまでは分からないけれど、どうだろう。こんなにも愛されることへの幸せか。胸がいっぱいで……。
課長はわたしが落ち着くまで、待っていた。ぎゅっとその逞しい胸のなかに抱き締めると、「きみはおれの宝物なんだよ」と、頬を伝うわたしの涙を舐めあげ、
「言葉にならない想いがあるかもしれないけれど。……莉子。おれは、永遠にきみの味方だから。この先どんなことがあろうとも、きみのことを愛しぬくよ――」
一生、という魅惑的な単語を聞いたときにはもう、課長が動き始めていた。なめらかに―ーゆるやかに、わたしの子宮が課長の行為を受け入れる。
いつもとは違うソファーが舞台で。この狭さが――狭い空間に閉じ込められているという感覚が、またわたしの新たな快楽を導き出す。
間もなく――わたしは到達した。けれど、課長が動きを止めるはずがなく。やっぱり、淫らな声をわたしはあげてしまう。叫んで、泣いて――狂い果てる。課長の織り成す愛情という行動論理の下において。
課長はわたしのなかに射精すると、今度は、……ある程度落ち着いてから、繋がったまま、わたしを運んでいく。てか課長、重たくない? 向かうのは――浴室だ。
課長はわたしを下ろして立たせ、コンドームを外していくと、
「莉子ちゃん。今度は――泡プレイといこうか」
性欲無尽蔵な課長は、あまやかに笑うとそう、言ってのけた。
*