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____トントンが失踪した____
W国にそんな情報が入ったのは秋も深まり茹だる様な暑さが和らいできた時期のことだった。
「幹部全員集合!」
と言うグルッペンの命令に幹部達は会議室に集まった。そこで、トントンを攫ったと言う事を聞かされた。
「救出作戦を立てなくてはならない」
そう言ったグルッペンに幹部全員が驚いた。
「何や?グルッペンが作戦立てるって言い出すなんて珍しいな」
コネシマがそう言うとグルッペンは鬱に何らかの合図を送り、
「取り敢えずコレを見てくれ」
と、言った。そう言うと壁にかかっているスクリーンに映像が映し出された。
『ご機嫌よう、W国の諸君』
「コレは隣国Q国の外交官からのビデオメッセージだ」
「見た事あるめう……」
『この度はそちら側の書記官であるトントン君を誘拐させていただいた。何故かって?決まってるではないか。綺麗な黒髪にガーネットの様な瞳、そして何よりあの想像を絶する戦闘能力!私は即部下を出して彼を誘拐した。さて、君達は大事な書記官を救う為に我々の国に攻め込んでくるだろう。しかし、君達はもう負けている。ではW国に呪いあれ。ハハハハハハ』
そう言うとビデオメッセージは終わった。数秒間誰も言葉を発さなかった。この可能性を危惧しておくべきだったのだ。Q国は戦争をした事は無いが、同盟を結んでいるわけでも無い。そのため何処かのタイミングで狙ってくるという事も十分にあったのだ。もちろん組織No.2の人物は護衛も付けずに国に入ってきたら美味しい獲物と言う訳であっという間に誘拐されてしまった、と言うわけだ。
みんな一様にこのような事を考えていて沈黙していたが、その沈黙を破ったのはグルッペンだった。
「アイツ最後にもうW国は負けていると言っただろう?故に、いつもの様に殺戮と進撃をするだけでは、必ず何かしらのトラップに引っ掛かると言うわけだ。私が作戦を立てようと言った意味が判ったか?」
「ああ」
そして、作戦会議が始まった。