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病院に到着し、白石さんは処置室へと運ばれていった。 僕が待合室待っていると、看護師さんが近づいてくる。
「処置終わって点滴入りましたよ。これ、脱がせたお洋服と……身につけていたものです」
看護師さんが差し出したのは、病院のロゴ入りの二つの袋。 一つは、着ていたスカートとカットソーが入った大きな袋。そしてもう一つは、貴重品などを入れた中身が見えない紙袋だった。
「貴重品と、あとお下着類が入ってますので」
「あ、はい……」
僕は袋を受け取る。紙袋の口の隙間から、中身が見えてしまった。 そこにあったのは、黒いレースの布切れと、ガーターベルトの留め具。
「えっ……?」
僕でも知識として知っている。それは、明らかに「今日、この後、僕に見せるため」に彼女が身につけてきた、気合の入った勝負下着だ。 (白石さん……こ、こんな、すごい準備をしてきてくれてたんだ……)
心が痛んだ。ごめん……あの牡蠣を勧めて、ほんとごめん……!その時、ふと背筋に冷たいものが走った。
(待てよ。これを、あの怖いお兄さんに見られたら……?)
『妹になんて格好させてやがる』と激怒されるか、『恥ずかしい秘密』がバレて白石さんが死にたくなるか。
どちらにせよ地獄だ。僕は周囲を警戒しながら、その紙袋を自分のカバンに隠した。