コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
前回はういマリだったので今回はマリういみたいな…
普段嫉妬しないういさんが嫉妬を見せた時、わたしはしぬ。
「マリンちゃーんできたよー??」
この後の配信の準備をもろもろしていれば、扉の向こうからあたしを呼ぶ声が聞こえる。
「はーい!今行くー!」
パソコンの電源を落として、声の方へ歩く。
扉を開けば、空腹のお腹を刺激するようにいい匂いがいっぱい広がっていた。
いつもはあたしが料理は作るのだが、今日はういが締切終わったから私がご飯作るよ!と言うので任せてみたのだ。
机には、美味しそうな料理が3品ほど並べられていて、
「普通においしそう」
「な!普通にってなに!」
ういの料理をする姿なんて見た事がない。
こうやって同棲する前もコンビニ飯だった気がするし……どこでこんな料理スキル磨くんだ??
「ほら、マリンちゃん。早く食べないと配信遅れちゃうよ?」
「うん、いただきます!」
「いただきます」
2人揃って挨拶をして、料理に手をつけていく。
どれも美味しい。今日のご飯の時間は、締切で忙しかったういと、仕事で忙しかったマリンの2人でゆっくりできる唯一の時間。
いつもは生活習慣が合わないこともあり、ご飯だって一緒に食べれる事は多くないのだ。
それだからか、話は積もっていく。
基本的にはマリンが話し、ういが相槌を。
今日の収録のこと。案件で大変だった事。ホロメンと会った時に、面白かったこと。
それと……
「そういえば、今週の土曜日。かなたと少し遊びに行こーって話しててさ!笑」
「うん」
「丁度、服が欲しかったから行ってこようかな〜って思ってるんだけど……え?」
「……」
今度、かなたとデートしてくるという報告を済ます。ういは束縛とかしてこないし、嫉妬もあまりない。お仕事にだって理解があるし。あたしだったそれを分かって理解しているつもりだ。
束縛だってしていない。ただ、遊びに行く時とかは報告してほしいと言っただけである。
それなのに……
ういは静かにあたしの横に来たかと思えば、袖の方をちょいちょいと引っ張ってきた。
急な、らしくない行動に戸惑っていれば、先に口を開いたのはういの方だった。
「…ういだって、
一応、マリンちゃんの彼女なんだけど…?」
「…え」
「ういも、土曜日、空いてるんだが…??」
急なキュンキュンに脳が処理しきれていない。いま、なんて…え?ういも一応マリンちゃんの彼女なんだが?って言った??
頭の中でゆっくりじっくりその言葉を繰り返し、飲み込む。
あたしの可愛い可愛い彼女が、いつも見せない嫉妬を見せてくれて。デートに誘ってきている。なんて、こんなに嬉しいことはあるだろうか。
「ういが良ければ…土曜日、デートしない?」
「する…」
「やばい、かわいい、あたしの彼女かわいい。」
「ホロメンの話とか、お仕事の話とか聞いてて楽しいけど、流石にずっと聞いてたらういだって、嫉妬くらいするからね」
少し、呆れたような、だけれど恥もあって。
頬がほんのり赤いういにそんなこと言われては、気持ちは高ぶったきりかえって来ない。
心臓はドクドクといつもより早い速度で脈打っていて。顔に熱が集まっているのが、わかる。
「ねぇ、うい……今日、配信休んでさ、その、抱いていい?」
「なっ、明日お仕事は?」
「午後から」
「…お風呂はいってくる。」
そうトテトテと足音を立てながら、お風呂場に行くういの背中を見送ったあと。
空の食器を見ながらぐるぐる考える。
「あれ…いいってこと、だよね…??」