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あの日から、るかと俺の間には、目に見えない壁みたいなものができた。
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朝。
俺がリビングに行くと、るかはもうキッチンにいて、
トーストをかじりながらスマホを見てた。
俺が「おはよ」って言っても、
るかはスマホから目を離さずに、小さくうなずいただけ。
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夜。
俺が風呂から上がると、るかはすでに部屋に引っ込んでる。
ドアは閉まったまま、
物音もしない。
なんとなく、リビングが広く感じた。
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食事は別々、
言葉も最低限。
それでも、一応同じ家にいる。
俺は、
別に謝る理由なんかない、って思ってた。
るかもたぶん、
自分が悪いなんてこれっぽっちも思ってない。
でも、
それとは別に、
この感じは、嫌だった。
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(めんどくせぇ……)
そう思いながら、
ソファに寝転んで天井を見上げる。
電気の明かりが、やたらと冷たく感じた。
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数日。
そんな空気が続いた。
るかも俺も、
どっちからも何も言わないまま。
ただ、
心のどこかで、
このままじゃヤバいかもしれない、って、
うすうすわかってた。